SSブログ

電撃ラケットがおかしい!? [電子回路]

 昨年11月、電撃ラケットの買い替えで書いたそのラケットの動作がおかしくなった。
 具体的には、スイッチを押すと「キーン」という、やや大きい音がしていたのに、数日前まから急に音が小さくなり、ラケット本体に耳を近づけると「ピーン」という微かな音が聞こえる程度になった。その状態だと、小さな蚊は退治できるが、大きなヤブ蚊や小さなハエなどは気絶するものの数秒すると復活して飛んで行ってしまう。

 故障の原因として直ぐに思い浮かんだのが、コンデンサである。回路上、出力側にはおよそ1000Vの電圧が出てくる筈だが、コンデンサの耐圧は400V。早速基板から取り外して測定したら、案の定本来の値よりもかなり落ちていた。
IMG_4094.JPG
本当なら470nFある筈なのに、3割ほど容量が減っている。
 ただ、この程度ならヤブ蚊程度なら退治できる筈だから、コンデンサだけが原因という訳では無さそうだが、まずはまともなものと交換した。
IMG_4096.JPG
見た目は、交換後の動作は交換前と変化が無い。高圧プローブを持っていれば出力側を測定してみたり出来るだろうが、あいにく持っていないので交換前後の出力は分からない。

 コンデンサを交換した序に、基板を見て回路図を起こした。
カットリ君.png
この回路図とラケットを眺めていて「!」と気が付いた。電源スイッチとして使われているタクトスイッチは微弱な電流を流す前提で作られていいて、およそ50mA程度が上限の筈。でも、この回路では1A以上流れる事もあり得るので、どう考えても容量不足。「流石、中国品質!」という感じだが、実際にスイッチを測定してみたら10Ω以上あり、接点が腐食している可能性が高い。
IMG_4110.JPG
早速分解する。先日、ジュエリースケール修理でタクトスイッチの修理をしているので楽勝だ。まずは金具を留めているプラスチック部をカッターナイフで切り取る。
IMG_4111.JPG
留め金具とスイッチのボタン部を取り除くと接点の接続部が見えてくる。
IMG_4112.JPG
この丸い接続部を外すと接点が見える。画像では判り難いが、矢印の部分が黒く変色している。
IMG_4114y.jpg
これでは電気抵抗が大きいのは当然。いつものようにNever Dullで接点を磨いて元通りに組み立てる。強い力がかかる部分ではないので、グルーガンで留め金具を固定する。
IMG_4115.JPG
これを少々強引に元の位置に収めて組み立てる。
IMG_4116.JPG
後は元通り組み立てれば完成だ。

 実際に使ってみると...変化は感じられない。相変わらずヤブ蚊を気絶させる程度にしかならない。トランスや抵抗が劣化するとは考え難いので、トランジスタが怪しそうだ。
 使われているのは2SD1616だが、どうやらセカンドソース品のようだ。本来のNEC製なら型番の印刷が縦だが、ここのは横になっている。国内では既に入手が少々難しくなっている古いトランジスタなので、部品箱を漁ってみて、代替出来そうなものがあれば交換してみる積りである。
nice!(17)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 17

コメント 4

たま

電気オンチの自分にはほとんどチンプンカンプンですが、針圧計の修理がホンの少し役立ったようでうれしい限りです。(^^

by たま (2012-07-20 21:48) 

Rifle

たま さん

お陰様でタクトスイッチの構造が理解できて本当に勉強になりました。有難う御座います。
by Rifle (2012-07-20 22:24) 

みうさぎ

細かい作業だねっ(^_^;)
by みうさぎ (2012-07-20 22:56) 

Rifle

みうさぎ さん

部品はどれも小さいので、チマチマと作業することになりますね。
まだ、この回路は汎用部品が使われているから手を出せますが、チップ部品のようなミリ単位の部品だとお手上げです。
by Rifle (2012-07-20 23:35) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました