セロー225WEのアクセルワイヤー交換 [バイク]
昨年の冬に気が付いたアクセル(スロットル)の戻りが悪い現象をそのまま放置しておくのは危険なので、重い腰を上げて交換作業に取り掛かる。スペースが狭い上に、晴れた日しか作業が出来ないのが難点だ。
まず、左右のサイドカウルを外す。
すると、シートを留めているボルトが見えて来るので、それを外してシートを外す。
後はタンクを外すだけだが、外す時の振動などでフューエルホースを痛めてしまう可能性があるので、先にフューエルコックを外す。
タンクは後ろの方向に抜けば外せるのだが、何故かやたらと硬くて外すのに随分と苦労した。ちなみに、タンクを固定する金具に挟み込むゴム部品は前後が逆になっていた。間違えて組み付けたのだろうか???
タンクを外すと、ややあっけない感じになる。
通常はタンクに固定されているエアスクープを外す必要は無いが、スクープ右側のタイラップが気になる。
外して確認したら、タンク本体に嵌め込むツメ穴が折れていて、その穴の代わりにタイラップが使われていると判る。
WEの外装パーツは既に新品の在庫が払底しているので、このような方法を選んだのだろう。
「序にエアクリーナも点検しておこう」と見たら、パーツ表面に「3RW」の刻印が。「3RW」は「セロー225」の「W」や「WE」が付く前のモデルを指している。
# ちなみに、以前その3RWに乗ってました。初めてのオフロードバイクでした。
前所有者が取り換えたのか、それとも元々からこの状態だったのかは分からない。開けて中を見たら、かなり綺麗だった。
エンジンオイルでベタベタになっているオフロード車も多いが、このセローは前所有者が手入れしていたようだ。滲んているオイルを拭き取って、そのまま蓋をしておいた。
今回はキャブレターを外す訳ではないけれど作業の邪魔になるので、リアブレーキのリザーバータンクもネジだけを外す。
キャブレターを固定している前後のリングを外して左側に傾けると、ようやくキャブレター上側にドライバーが入るようになる。
このセローは2スト用キャブPWK28が付けられているので、アクセルワイヤーは1本だけである。ネジ2本を外すと、キャブレターを分解できるので、そっと引き上げる。
本来ならバネの力で「ビヨヨヨーン」と飛び出すほどの勢いがある筈なのに、何事も無くスンナリ抜けてしまった。バネが弱っているようだ。これではアクセルグリップから手を離しても戻らないのは当然かも知れない。
ピストン内部の白い樹脂部品を上にあげると、ワイヤーを固定しているタイコの部分が見えて来る。
タイコを抜けば、ワイヤーが完全に外れる。
キャブレター側の作業はとりあえずここまでで止めて、スロットルグリップを外し分解する。
タイコのすぐ下でワイヤーがヨレて3割ほどが千切れている。走行中に切れなくて本当に良かったと思う。(汗)
今回はキタコのインナーワイヤーセットを使う。
ライコランド小牧店で1080円だった。スロットル側のタイコがネジ止めだからか、同封の説明書には「恒久的な使用には適さない」と書かれている。
古いワイヤーを引き抜いて新しいワイヤーと比べてみると、その差は歴然である。
ワイヤー自体が錆びてしまっているのが、拡大すると良く判る。
ハンドルから車体に向かって大きく曲がる部分が酷く錆びている。これはあくまでも想像だが、スロットルグリップ側から雨などが入り込んで大きく曲がる部分で溜まってしまい、それでワイヤーが錆びてしまったのではないだろうか?
ワイヤーが錆びているのなら、その錆はアウターケース(チューブ)内部にも残っているだろうから、パーツクリーナを吹き込んでみる事にする。ここで登場するのが20年振り位に使うワイヤーインジェクターだ。以前セロー(3RW)に乗っていた頃に使っていたものだ。
パーツクリーナを吹き込むと、茶色のドロドロした液体が飛び出して来た。
内部に錆が溜まっていたようだ。本来ならワイヤールーブを使うべきだろうが、手元にないので手近にあったCRC-556を吹き込んでおいた。
新しいワイヤーを通す前に、古いワイヤーの長さに合わせて予めカットする位置にマジックペンで目印を付ける。
キャブレター側とスロットルグリップ側である程度調整できるので、数mm長い程度なら問題無い。ワイヤーを通す前にじっくり見ると、スロットルバルブの表面はメッキされているが、縦傷が多い。
フラットな方の面もやはり傷が多い。
特に下側に多い。キャブレター内部に砂などのゴミが溜まっているのか?と思って内部を覘き込んで見たが、目視では問題なさそうだった。
ワイヤーを通しながらキャブレターの上も観察する。
新品の状態を知らないのでハッキリとは分からないが、見た目では傷や破れ等は無く問題無さそう。
ワイヤーを通す前に、念の為にニードルも確認しておく。
クリップの位置は上から二段目になっている。
確認したらワイヤーを通す。外す時の逆の順に作業すれば簡単に取り付けられる。
スロットルバルブを下に押し付けるバネが弱いので、やや強引だが手で引き延ばして反発力を強くしてからワイヤーに通す。
お蔭で、キャブレターに組み込む時、少し手を緩めると「ビヨヨーン」と飛び出てしまい、一寸苦労した。(笑)
スロットルグリップ側の部品にも全てワイヤーを通してから、タイコをねじ止めしてワイヤーを切る。
後は元通りに組み立てればOK...なんだが、タンクを嵌め込もうとしてもなかなか嵌らない。何度も林道で投げられていたらしく、タンクの取付部周辺が歪んで内側の隙間が狭くなっているようだ。
四苦八苦してタンクを取り付け、工具を仕舞い始めたら、何やらガソリン臭い。「おかしいな、タンクのキャップは閉まってるし、ガソリンコックもOFFにしてあるんだけどなー?」と思いながらセローを見ると、左ステップ周辺がガソリンでベチョベチョになっている。「えーっ、何処かで漏ってる!?」このまま放置すると危険なので、フューエルホースをバイスグリップ(クリッププライヤー)で止めてガソリン通路を遮る。
漏れる場所を探したら、ガソリンコックに繋がるホースに亀裂が入っているのを見つけた。
亀裂の位置はフューエルコックの嵌め込む口金の位置とほぼ同じ。走行中の振動で亀裂が入ったのかな?いずれにせよ、このホースも交換しなきゃね。
入手した時点で2万6千km弱走ってあったし格安だったから「何か不具合はあるだろうな」とは思っていたが、これほど次から次へ出て来るとは一寸想定外だった。走行中に深刻な事態を引き起こした訳じゃないから良いけど、それにしても...ねぇ。(--;)
まず、左右のサイドカウルを外す。
すると、シートを留めているボルトが見えて来るので、それを外してシートを外す。
後はタンクを外すだけだが、外す時の振動などでフューエルホースを痛めてしまう可能性があるので、先にフューエルコックを外す。
タンクは後ろの方向に抜けば外せるのだが、何故かやたらと硬くて外すのに随分と苦労した。ちなみに、タンクを固定する金具に挟み込むゴム部品は前後が逆になっていた。間違えて組み付けたのだろうか???
タンクを外すと、ややあっけない感じになる。
通常はタンクに固定されているエアスクープを外す必要は無いが、スクープ右側のタイラップが気になる。
外して確認したら、タンク本体に嵌め込むツメ穴が折れていて、その穴の代わりにタイラップが使われていると判る。
WEの外装パーツは既に新品の在庫が払底しているので、このような方法を選んだのだろう。
「序にエアクリーナも点検しておこう」と見たら、パーツ表面に「3RW」の刻印が。「3RW」は「セロー225」の「W」や「WE」が付く前のモデルを指している。
# ちなみに、以前その3RWに乗ってました。初めてのオフロードバイクでした。
前所有者が取り換えたのか、それとも元々からこの状態だったのかは分からない。開けて中を見たら、かなり綺麗だった。
エンジンオイルでベタベタになっているオフロード車も多いが、このセローは前所有者が手入れしていたようだ。滲んているオイルを拭き取って、そのまま蓋をしておいた。
今回はキャブレターを外す訳ではないけれど作業の邪魔になるので、リアブレーキのリザーバータンクもネジだけを外す。
キャブレターを固定している前後のリングを外して左側に傾けると、ようやくキャブレター上側にドライバーが入るようになる。
このセローは2スト用キャブPWK28が付けられているので、アクセルワイヤーは1本だけである。ネジ2本を外すと、キャブレターを分解できるので、そっと引き上げる。
本来ならバネの力で「ビヨヨヨーン」と飛び出すほどの勢いがある筈なのに、何事も無くスンナリ抜けてしまった。バネが弱っているようだ。これではアクセルグリップから手を離しても戻らないのは当然かも知れない。
ピストン内部の白い樹脂部品を上にあげると、ワイヤーを固定しているタイコの部分が見えて来る。
タイコを抜けば、ワイヤーが完全に外れる。
キャブレター側の作業はとりあえずここまでで止めて、スロットルグリップを外し分解する。
タイコのすぐ下でワイヤーがヨレて3割ほどが千切れている。走行中に切れなくて本当に良かったと思う。(汗)
今回はキタコのインナーワイヤーセットを使う。
ライコランド小牧店で1080円だった。スロットル側のタイコがネジ止めだからか、同封の説明書には「恒久的な使用には適さない」と書かれている。
古いワイヤーを引き抜いて新しいワイヤーと比べてみると、その差は歴然である。
ワイヤー自体が錆びてしまっているのが、拡大すると良く判る。
ハンドルから車体に向かって大きく曲がる部分が酷く錆びている。これはあくまでも想像だが、スロットルグリップ側から雨などが入り込んで大きく曲がる部分で溜まってしまい、それでワイヤーが錆びてしまったのではないだろうか?
ワイヤーが錆びているのなら、その錆はアウターケース(チューブ)内部にも残っているだろうから、パーツクリーナを吹き込んでみる事にする。ここで登場するのが20年振り位に使うワイヤーインジェクターだ。以前セロー(3RW)に乗っていた頃に使っていたものだ。
パーツクリーナを吹き込むと、茶色のドロドロした液体が飛び出して来た。
内部に錆が溜まっていたようだ。本来ならワイヤールーブを使うべきだろうが、手元にないので手近にあったCRC-556を吹き込んでおいた。
新しいワイヤーを通す前に、古いワイヤーの長さに合わせて予めカットする位置にマジックペンで目印を付ける。
キャブレター側とスロットルグリップ側である程度調整できるので、数mm長い程度なら問題無い。ワイヤーを通す前にじっくり見ると、スロットルバルブの表面はメッキされているが、縦傷が多い。
フラットな方の面もやはり傷が多い。
特に下側に多い。キャブレター内部に砂などのゴミが溜まっているのか?と思って内部を覘き込んで見たが、目視では問題なさそうだった。
ワイヤーを通しながらキャブレターの上も観察する。
新品の状態を知らないのでハッキリとは分からないが、見た目では傷や破れ等は無く問題無さそう。
ワイヤーを通す前に、念の為にニードルも確認しておく。
クリップの位置は上から二段目になっている。
確認したらワイヤーを通す。外す時の逆の順に作業すれば簡単に取り付けられる。
スロットルバルブを下に押し付けるバネが弱いので、やや強引だが手で引き延ばして反発力を強くしてからワイヤーに通す。
お蔭で、キャブレターに組み込む時、少し手を緩めると「ビヨヨーン」と飛び出てしまい、一寸苦労した。(笑)
スロットルグリップ側の部品にも全てワイヤーを通してから、タイコをねじ止めしてワイヤーを切る。
後は元通りに組み立てればOK...なんだが、タンクを嵌め込もうとしてもなかなか嵌らない。何度も林道で投げられていたらしく、タンクの取付部周辺が歪んで内側の隙間が狭くなっているようだ。
四苦八苦してタンクを取り付け、工具を仕舞い始めたら、何やらガソリン臭い。「おかしいな、タンクのキャップは閉まってるし、ガソリンコックもOFFにしてあるんだけどなー?」と思いながらセローを見ると、左ステップ周辺がガソリンでベチョベチョになっている。「えーっ、何処かで漏ってる!?」このまま放置すると危険なので、フューエルホースをバイスグリップ(クリッププライヤー)で止めてガソリン通路を遮る。
漏れる場所を探したら、ガソリンコックに繋がるホースに亀裂が入っているのを見つけた。
亀裂の位置はフューエルコックの嵌め込む口金の位置とほぼ同じ。走行中の振動で亀裂が入ったのかな?いずれにせよ、このホースも交換しなきゃね。
入手した時点で2万6千km弱走ってあったし格安だったから「何か不具合はあるだろうな」とは思っていたが、これほど次から次へ出て来るとは一寸想定外だった。走行中に深刻な事態を引き起こした訳じゃないから良いけど、それにしても...ねぇ。(--;)
バイクいじり楽しいですよね。 しばらくご無沙汰しています。
by ja1nuh (2015-04-12 19:30)
ja1nuhさん
弄ってるのは本当に楽しいですよねー。ただ、まともな工具は殆ど持っていないので、作業には苦労しています。(笑)
by Rifle (2015-04-12 22:15)
写真で見る限り、とても手際よくスマートに修理されているとお見受けしましたが、実際には大変だったんですね。ご苦労さまです。
去年、セローでツーリング中の大学生が「全然壊れません。とっても頑丈ですよ」と言っていたのを思い出して、例外もあるのかなと思いました。
次はセロー復活の記事を待っています。
by tama (2015-04-13 09:49)
整備が楽しくなりバイクですね(笑)
これで打ち止めになれば良いけど・・・
by たくや (2015-04-13 09:53)
tamaさん
実際にはワイヤーを通す部品を忘れてやり直したりしましたが(汗)、まぁ何とか終えました。
セロー225シリーズは設計を変えずに部品の後付で改良されている上に、この車両はあちこち小改造されている為か、整備は一寸厄介です。エンヂンそのものは丈夫ですが、足回りに弱い部分があるのが一寸...という感じですねー。もう一寸で公道復帰できそうです。
たくやさん
格安で入手した車両なので色々と不具合が出て来るのは仕方ないですが、前オーナーは気にせずに乗っていたみたいですね。(恐)
今出ている問題点を全てクリアすれば、公道復帰できる...筈です。(汗)
by Rifle (2015-04-13 13:17)
燃料漏れは怖いですね!
メンテナンス中に経年劣化したホースが破損したのでしょうか?
とにかく気が付かれてよかったですw
by ブルル (2015-04-14 13:09)
ブルルさん
ホース表面が一寸硬い感じなので、恐らく新車時のままなんでしょう。
走行中でなくて良かったです、ホントに。(汗)
by Rifle (2015-04-14 20:34)