音楽機材用ヘッドホンアンプの作成(その1) [電子回路]
子供から頼まれてヘッドホンアンプを作る事に。ヘッドホンアンプとはいっても、Walkman等のデジタルプレーヤーのラインアウトを使ってヘッドホンを鳴らす一般的な物ではなく、ミキサー出力を各プレーヤーに配信する為のマルチチャネルヘッドホンアンプである。
ギターやキーボード等を独りで演奏している分には、このようなアンプは不要。しかし、騒音防止の為外部スピーカを使わずに、ある程度の人数が集まって同時にギター・ベース・キーボード・ドラム等の機材を演奏して録音する場合、演奏者が自分の出す音しか聞こえないのでは都合が悪い。そこで、ミキサー出力を利用して各演奏者のヘッドホンを鳴らすのである。
この手の製品はART・TASCAM・BEHRINGER等の各社から発売されているけれど、5ch以上はお値段が1万円台半ばから4万円台で、一寸高過ぎて手が出ない。だから、いつものように手持ちの部品をフル活用して自作する。
今回は演奏や録音時のモニターが目的なので、ある程度は音質に拘って作る必要がある。しかし、オールディスクリートとかダイヤモンドバッファ等、回路に凝ると費用が嵩んでしまう。
ネット上で回路図を漁っていたら安価なICアンプのLM386を利用した「革命アンプ」なるものが出ていたので、早速組んで試してみる。
手持ちの部品の中に出力側のコンデンサに使えるような大容量の物が無いので、47μFを並列に多数並べた。
出て来る音は...なるほど、「革命」というだけあって、市販のオーディオアンプ顔負けの音が出て来る。
# 30万程度のパワーアンプなら、革命アンプを使う方が恐らく音も良いし安上がりだな。
LM386の出力は小さいので、大型スピーカーシステムを大音量で鳴らすという事は出来ないが、ヘッドホン用であれば十分以上だ。が、どーにも「ザー」というホワイトノイズが気になる。念の為にオシロスコープでノイズ波形を見ると「あれ?発振してる???」
300kHz前後で発振しているような波形だが、細かく見ると6MHz前後の波形も含まれているようだ。「どーしてこーなるの???」と色々試行錯誤したが、一向に改善されない。
30分程格闘した後に「あっ!まさか...。」電源にACアダプターを使っていたので、電源ラインにパスコン(バイパス・コンデンサ)を入れてなかったのだ。試しに47μFを2個並列にして入れてみたら、ノイズはピタッと止まった。「あぁ...やっぱりそうだったのネ。」我ながら何ともマヌケな話である。(滝汗)
念の為に、LM386のデータシートと同じ回路でも試す。
ICが同じなので劇的な変化は無いけれど、フィードバックループを持つ革命アンプの方が音質が少し良い。
よって、作る回路は革命アンプと決めた。作成に足りない部品は、先日大須へ行った時に調達してあるので、早速取り掛かる。作成した回路はこんな感じである。
いつもならもっと基板を小さくして、ぎっちり部品を載せて作るけれど、今回は後々のメンテナンスの事も考えて、いつもの5倍近い広さの基板面積で作成する。
同じ回路を複数作るので、できればプリント基板にしたかったが、エッチング液等の必要な物が無いので、ユニバーサル基板を使った。
人数が増えてもそのまま使えるように、同じ基板を5個作製する。
念の為に、出来上がった基板全てを動作確認し、百円ショップで売られていた容器に入れる。
容器を手に入れたのが使う日の前日夕方だった為、慌てて使用する当日に穴あけして必要最低限の3人分を組み込んだ。
子供達が実際に使ってみたら...「音が大き過ぎて使えない」と。「えーっ!?何でぇ???」...そういえば、この回路の入力は、一般的なオーディオ機器のライン出力を想定している。民生用機器の出力は-10dBから-20dBで、動作確認に使ったポータブルCDプレーヤーのライン出力も-10dB。
しかし、このアンプを接続するのはデジタルマルチトラックレコーダーD32XDのミキサー出力だ。D32XDは業務用機器なので、ライン出力は当然の事ながら+4dB。だから、入力がデカ過ぎるのだ。いやぁ、制作に気を取られてて、全然気が付かなかったなー。(滝汗)
今回は急場凌ぎで実際に使う環境でテスト出来なかったので気が付かず、お粗末な結果となったが、原因は分かっているので早速作り直そう。でも、汎用性を持たせるとなると、部品が足りないなー。(汗)
(続く)
ギターやキーボード等を独りで演奏している分には、このようなアンプは不要。しかし、騒音防止の為外部スピーカを使わずに、ある程度の人数が集まって同時にギター・ベース・キーボード・ドラム等の機材を演奏して録音する場合、演奏者が自分の出す音しか聞こえないのでは都合が悪い。そこで、ミキサー出力を利用して各演奏者のヘッドホンを鳴らすのである。
この手の製品はART・TASCAM・BEHRINGER等の各社から発売されているけれど、5ch以上はお値段が1万円台半ばから4万円台で、一寸高過ぎて手が出ない。だから、いつものように手持ちの部品をフル活用して自作する。
今回は演奏や録音時のモニターが目的なので、ある程度は音質に拘って作る必要がある。しかし、オールディスクリートとかダイヤモンドバッファ等、回路に凝ると費用が嵩んでしまう。
ネット上で回路図を漁っていたら安価なICアンプのLM386を利用した「革命アンプ」なるものが出ていたので、早速組んで試してみる。
手持ちの部品の中に出力側のコンデンサに使えるような大容量の物が無いので、47μFを並列に多数並べた。
出て来る音は...なるほど、「革命」というだけあって、市販のオーディオアンプ顔負けの音が出て来る。
# 30万程度のパワーアンプなら、革命アンプを使う方が恐らく音も良いし安上がりだな。
LM386の出力は小さいので、大型スピーカーシステムを大音量で鳴らすという事は出来ないが、ヘッドホン用であれば十分以上だ。が、どーにも「ザー」というホワイトノイズが気になる。念の為にオシロスコープでノイズ波形を見ると「あれ?発振してる???」
300kHz前後で発振しているような波形だが、細かく見ると6MHz前後の波形も含まれているようだ。「どーしてこーなるの???」と色々試行錯誤したが、一向に改善されない。
30分程格闘した後に「あっ!まさか...。」電源にACアダプターを使っていたので、電源ラインにパスコン(バイパス・コンデンサ)を入れてなかったのだ。試しに47μFを2個並列にして入れてみたら、ノイズはピタッと止まった。「あぁ...やっぱりそうだったのネ。」我ながら何ともマヌケな話である。(滝汗)
念の為に、LM386のデータシートと同じ回路でも試す。
ICが同じなので劇的な変化は無いけれど、フィードバックループを持つ革命アンプの方が音質が少し良い。
よって、作る回路は革命アンプと決めた。作成に足りない部品は、先日大須へ行った時に調達してあるので、早速取り掛かる。作成した回路はこんな感じである。
いつもならもっと基板を小さくして、ぎっちり部品を載せて作るけれど、今回は後々のメンテナンスの事も考えて、いつもの5倍近い広さの基板面積で作成する。
同じ回路を複数作るので、できればプリント基板にしたかったが、エッチング液等の必要な物が無いので、ユニバーサル基板を使った。
人数が増えてもそのまま使えるように、同じ基板を5個作製する。
念の為に、出来上がった基板全てを動作確認し、百円ショップで売られていた容器に入れる。
容器を手に入れたのが使う日の前日夕方だった為、慌てて使用する当日に穴あけして必要最低限の3人分を組み込んだ。
子供達が実際に使ってみたら...「音が大き過ぎて使えない」と。「えーっ!?何でぇ???」...そういえば、この回路の入力は、一般的なオーディオ機器のライン出力を想定している。民生用機器の出力は-10dBから-20dBで、動作確認に使ったポータブルCDプレーヤーのライン出力も-10dB。
しかし、このアンプを接続するのはデジタルマルチトラックレコーダーD32XDのミキサー出力だ。D32XDは業務用機器なので、ライン出力は当然の事ながら+4dB。だから、入力がデカ過ぎるのだ。いやぁ、制作に気を取られてて、全然気が付かなかったなー。(滝汗)
今回は急場凌ぎで実際に使う環境でテスト出来なかったので気が付かず、お粗末な結果となったが、原因は分かっているので早速作り直そう。でも、汎用性を持たせるとなると、部品が足りないなー。(汗)
(続く)
おはようございます!
ハンダのにおいがしてきそうなお写真ですね。
それにしても、いろんなことやられますね!!
by Take-Zee (2015-08-06 10:47)
Take-Zeeさん
お金が無い分、頭と体を使って何とかしようともがいてます。(笑)
by Rifle (2015-08-06 12:15)