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ワンダフルなTL125ツーリング(その3) [バイク]

前回からの続き)

 国道362の坂を上りながら「参ったなぁ、トリップメータまで動かないんじゃ...とにかくスタンドが在ったら直ぐに給油しよう。」ヘッドライトはスポットライトの如く道の中央しか照らしてくれず、カーブの先が殆ど見えないので非常に走り難い。この国道はウネクネしたカーブが多く、余計に辛い。
 このTL125はバイク屋に入荷した時点でヘッドライトもフロントカウルも劣化で罅割れていたそうで、カウルは撤去してサイズ的になんとか収まるベーツの4.5インチヘッドライトを取り付けたのだそう。サイズの小さいヘッドライトは、リフレクターの部分が小さい分暗くなる。しかも、TLの電装は初期型モンキーなどと同じ6V。だから暗いのは仕方ないが、初期型TW200と同じスポット的な配光なのには正直言って参った。(汗)純正ヘッドライトはどういう配光パターンなのかは知らないが、少なくとももう少し左右に広がる配光のライトに交換したいところだ。
# まぁ、先立つ物があったら...の話ですけどねー。
街路灯の無い国道を進みながら「結構な田舎だけど、スタンドってあるかなぁ?」と思ったが、5分ほど走った所でJAのスタンドを発見、飛び込んで給油する。
浜松市北区都田町・JAのガソリンスタンド
トリップメーターを見ると...え?116.45km??
TL125のトリップメーターは116.45kmで止まってしまっている
浜北大橋を渡り始めた時は116kmを少し超えたところだったから、橋を渡り終わるまでの間に止まってしまっていたらしい。橋からここまででの走行時間を考えると少なくとも8kmはある筈だから、前回の給油から130km近く走っている事になる。ここで入ったのは3.46Lだった。
 これからアップダウンを繰り返す山岳地帯に入るので、平地を走る時の燃費よりは悪化する筈。しかし、人口の少ない地域を走るからガソリンスタンドが在るかどうか判らないし、既に17時を回っているので田舎のスタンドは営業していないかも知れない。リザーブまで使えば150km以上走る計算だが、メーターが動かないので余裕を見込んで、今後は50km以上走ったらなるべく給油するようにする。自宅に電話して天竜浜名湖鉄道の都田駅近くに居ること、これから山岳路に入るけれど自宅までどれ位掛かるのかは未だ分からないことを伝えてから出発する。

 少し走ると道路案内板に「国道257」の表示が出てきたので、その案内の通りに右折、国道257に入る。集落と集落を繋いだらこうなった、という感じの道で、人家の全く無い区間も多い。幸い、大きなカーブには街路灯があるので大いに助かる。ER-6nで数回来た事のある道の駅三河三石を過ぎると、JR飯田線近くまでは人家が殆ど無く、ほぼ真っ暗だ。
 JR本長篠駅の脇を通り抜け、国道151(伊那街道:国道257と共用区間)へと進む。ここから先は恵那まで国道257を進むだけだが、大凡の距離とスタンドの在りそうな街の位置を確認する為、通りかかったローソン鳳来長篠店の駐車スペースに停める。
ローソン鳳来長篠店にTL125を停める
地図を開いて距離を計算していたら、作業服を着たお兄さんに「道が分からないの?」と声をかけられた。「道は分かりますけど、メーターが壊れたのでスタンドまでの距離を見ようと思って」と返事すると、「それならスタンド毎に入れば良いよ。」拙者は「はい、有難う御座います。」田舎は親切な人が多いね。
# お兄さん、有難う御座いました。m(_"_)m

 「設楽町までとりあえず走ってスタンドがあれば入ろう」と考えながら再び走り出し、少し進んで国道257(鳳来寺道)へと進む。ところが、長楽の交差点に看板が立っていて「何だろう?」と思いながら近づいたら「崩落のため通行止」。一瞬「げっ!」と思ったが、看板に小さな地図が張ってあり、それを見ると県道436・県道32で迂回できるらしい。早速県道436を走り出す。
 この道は片側一車線で、国道257よりも道幅が太い。山間の国道は昔の街道を舗装化している事が殆どだから道幅が非常に狭い事も多いが、この県道は国道よりも新しいようだ。その分交通量はやや多い...といっても、山間部だから時折対向車が来る程度である。そのまま進むと道は県道32(伊那街道)となるが、道幅は変わらず走り易い。国道257の方が遥かに走り難い道だ。知らなかったなぁ。ちなみに、帰宅後に改めて地図を見て調べたら、わざわざ国道151から国道257へ進むよりも、本長篠駅近くで直接県道32(伊那街道)に入る方が走る距離を節約できるようだ。
 そのまま道なりに進むと県道389となり、田峯城近くで国道257に合流する。道幅は県道32と同じで走り易い。なお、ここから県道10までの区間と、県道10から国道153までが伊那街道である。土曜の夕方でも対向車が数台まとまって来るから、交通量はそれなりにあるようだ。カーブで対向車が来ると相手の車が道を照らしてくれるので、こちらとしてはとても助かる。(笑)路肩の気温表示板は1度、道理で寒い訳だ。グローブはRSタイチのウインターグローブ(RST597)を使っているけれど、どちらかというと防寒性よりも操作性を重視した作りなので、気温が0度近くになると指先が冷えて痛くなってくる。
 途中、やや上りのカーブの手前で何やら動く物が見えて「何だ?」と思ったら、鹿2頭がのんびりした感じで道を横断しようとしているところだった。「スピードを上げて前方を突っ切ろうか」と思ったが、以前「ロッソコルサ」のツーリングの時に猟師をされている方から伺った「鹿は相手の速度に応じて動く」というのを思い出した。「スピードを上げると突っ込んでくるかも?」と考え直し、ブレーキを強くかけて速度を落とした。すると、鹿の方も更にゆっくりとした動きになり、危うく2頭目の尻とぶつかりそうになった。
# 冗談抜きで、鹿との間は拳一つ分も無かったです、ハイ...。(汗)
 既に50kmほど走っているので、田口の街に入って見えてきたスタンドで給油する。時刻は18時半過ぎ、入ったのはたった1.46L。燃費はかなり良さそう。

 給油したら直ぐに走り出して淡々と進む。信号が少なくて停まる回数が少なく、距離を稼げるのは非常に助かるのだが、しゃがんだような乗車姿勢でシートも薄い為、お尻がどうしても痛くなってしまう。「どこか休憩する所は無いかなぁ」と思いながら進むと、道の駅アグリステーションなぐらが見えてきたので、そこに入って停める。既に19時を過ぎている。クリスマスが近いせいか、結構大きなイルミネーションが施されていて綺麗だ。

風が強くて手が悴む。ここで再び自宅に電話し、残りの距離から考えるとまだ4時間ほど掛かりそうだと伝える。妻が「無理して走らずに、何処かで泊まったら」と言ってくれるが、国道沿線には営業している宿が殆ど無いし、あと4時間なら大した事は無いので、そのまま自宅に戻る。5分ほど休憩してから走り出す。

 国道153との交差点の手前から小雨になり、濡れた路面が街路灯で輝いている。「参ったなぁ、雨か...降り続くのなら何処かで合羽を着なきゃなぁ」と思いながら川手トンネルを抜けると、路面は濡れておらず、雨の量もどんどん少なくなる。岐阜との県境まで来ると完全に雨や止んで、ホッとする。ここからは道路のアップダウンが大きくなり、上り坂ではギアを一段落とさないと進まないという場面が増える。道の駅上矢作ラ・フォーレ福寿の里でもアグリステーションなぐらと同じようなイルミネーションが輝いていた。
 淡々と進んで明智鉄道の線路を超えると、国道363との交差点がある。距離だけを考えれば国道363・県道33・県道20と進む方が近いが、国道363以外は走った事が無いし、メーターも壊れているので、何度も通っていて分かっている国道257をそのまま進む。街中だが交通量は少なく、拙者の前に軽自動車が2台走っているだけ。その2台は県道406へと曲がって行ったので、その後はずーと拙者のみの単独走行となる。路肩の気温表示は5度。標高のやや高い地域だが、案外気温は高めだ。小沢山トンネルを抜けて少し進んだ所にある気温表示板は4度で、下り坂で標高が下がっているのに何故か気温は下がっている。阿木川湖の蒸気が気化熱を奪っているのだろうか。
 JR恵那駅に近づくに連れて交通量が増え、信号も増えてくる。国道257から国道19へと進むが、交通量はあまり変わらず、結構な数の車が走っている。流れに沿って走っていると、瑞浪市内の電光表示板に「この先事故 規制」と出ていたが、だいぶ先の方らしくて渋滞する事も無くスムーズに進む。
 国道21(中山道)との交差点を一旦通り越し、次の交差点にある出光のスタンドに入って給油する。時刻は20時半、入ったのは2.31L。再び国道21との交差点に戻り、国道21へと進む。この道は相変わらず交通量が少なく、走っているのは拙者の1台だけだ。道の駅志野・織部を通り過ぎ、鬼岩のカーブを曲がって御嵩の街に入ると交通量が一気に増え、あちこちの信号で停められるようになる。
 道の駅可児ッテを通り過ぎ、太田橋を渡って国道21を西へと進む。国道41との交差点を過ぎてしばらく進むと交通量は減り、前後に車数台が連なるだけとなる。名鉄新鵜沼駅の脇を抜け、ライン大橋を渡って愛知県に入る。ガラガラの県道183をひた走り、自宅へは21時半過ぎに無事到着。12時過ぎに出発したので約9時間半掛かった。ネット上の地図を使って走った道の距離を計算してみると、お店から自宅まで300.6kmだった。

 ナビやネット上の地図サイトを使って経路を検索すると、大抵国道1を延々と走るルートが出てくる。距離は211.3kmで90kmほど短いが、信号だらけの市街地ばかり通るので恐らくは10時間でも自宅へ辿り着けないだろう。
 今回はメーター故障で走っている最中に距離が分からないという状態に陥ったが、ある程度知っている道もあったから酷く困る事態にはならなかったのは幸いであった。
 TL125は外装はボロだが走りは快調で、シート形状によるお尻の痛み以外は全く問題無かった。

 自宅についてからバイク店に事情を知らせたら「急ぎメーターケーブルを取り寄せお送りします」という返事だった。ケーブルを交換するだけで直るのかどうかは一寸疑問に思うが、とりあえずは部品が来るまで乗るのはお預けだなぁ。

(完)
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コメント 4

ブルル

9時間半走行お疲れ様でした。
悪条件が重なり大変でしたね。
しかしライトが暗いのは辛いですねぇw
by ブルル (2015-12-14 11:34) 

Rifle

ブルルさん
カーブ毎に先が見えないのには、本当に参りました。(汗)
何故皆さんが12V化するのか、分かったような気がします。(笑)
by Rifle (2015-12-14 17:11) 

たくや

無事に着いて、本当に良かったです!
なんだか泣けてきますね~
by たくや (2015-12-15 20:07) 

Rifle

たくやさん
走ってる最中はどうなるかと心配しっ放しで、何とか自宅に辿り着いた時にはホッとすると同時に、どっと疲れました。こういうツーリングは心臓に良くないですねー。
by Rifle (2015-12-15 22:12) 

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