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PEAVEYのギターアンプ修理(その2) [音楽]

前回からの続き)

 再び分解してアンプ部を取り出し、使われているコンデンサを調べる。
基板上のコンデンサを調べる
ばらした序に基板のエッチングパターンも撮影した。
エッチングパターンを撮影する
何故か、基板の右半分はソルダーレジストが塗布されていない。不思議だ。生産ラインが不調?それともコスト削減??
 基板パターンを紙に印刷し、使われている部品を書き込む。
基板上の部品を調べて書き込む
わざわざこんな事をしたのは、SATURATION(TM)に使われている1kΩと10kΩ2連ボリュームを、一般的な10kΩ2連ボリュームで置き換えられないかを調べる為で、単にコンデンサを交換するだけならこの作業は不要である。
# 調べた結果は後ほど。
 名古屋・アメ横へTL125で出掛けて必要なコンデンサを調達してきた。
購入したコンデンサ
ちなみに気になるお値段は、一番大きな物で126円、小さいのは21円から63円程度で、全部で700円弱だった。
 最も大きいコンデンサ50V2200μFは貫通型、入手できたのは基板直付け用の円筒型で足の長さが足りない。
入手したコンデンサは円筒型で足の長さが足りない
手近にある配線材を半田付けして継ぎ足す。
足りない長さは配線材を継ぎ足す
あまり良い方法ではないが、仕方あるまい。
 付け替える前の状態はこんな感じ。
コンデンサ:交換前
かなりの体積を占有している。これを新しいのに付け替えると、こうなる。
コンデンサ:交換後
改良でコンデンサの大きさが小さくなっているので、基板上でも余裕がある。
 製造から30年以上経っている為か、交換したコンデンサはかなり古びている。
交換したコンデンサは古びている
自作ESRメータで測ってみると、容量の大きなコンデンサはほぼゼロで未だ使えそうな感じだ。
容量の大きなコンデンサは自作ESRメータで見る限りは未だ使えそう
容量の小さな物は概して値が大きい。このコンデンサは12Ωほどある。
容量の小さなコンデンサはESR値が高い(これは12オーム前後)
通常であれば8Ω程度なので、これはグレーゾーンという感じ。外した全てのコンデンサを調べたが、ESRが大きいのはこの1つのみだった。ただ、ESRは問題無くてもリーク電流がやたらと多いものが2つあったので、恐らくはその2つが原因でノイズが出ていたのだろう。
 後は元通り組み立てて、交換作業は完了である。

 SATURATION(TM)のボリュームを汎用2連ボリュームで代用できないかと色々探ってみた。
 ボリューム周りの配線を辿ってみると、どうやらボリュームを分圧比で使っているらしいと判る。単純な抵抗値の増減だけであれば、適当な抵抗を並列で接続すれば1kΩに出来るけれど、残念ながらそうは行かないようだ。
 更にネット上を彷徨ってみたら、米国のサイトにBACKSTAGE2の回路図が掲載されていた。自分で書き写した図と比べたら、殆ど同じだ。その回路図では、2連ボリュームはオペアンプのフィードバック・ループの中でフィルターの定数として使われている。単純なボリュームではないので、置き換えることは不可能だ。
 量産品だからこういった特別仕様の部品を使っても問題無かったんだろうが、修理する側にとっては非常に厄介だ。残念だが、今回はこの部分の交換は諦めることに。

 改めてギターを繋いで音を出してみると、ガリも変なノイズも無く、普通に使えるようになった。何故かリバーブ音が出ないのが気になるが、拙者はリバーブを使わないので、当分はこのまま使う積もりだ。

(完)
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MINERVA

コンデンサー交換、お疲れ様でした。
同等の2連ボリュームがあれば良いのですが、なかなか難しいですね。
好きな人はボリュームを分解するみたいですが、そこまでは出来ませんね。
by MINERVA (2016-02-29 15:16) 

Rifle

MINERVAさん
製品にも依りますけど、ボリューム分解はそんなに難しい作業ではないですよ。
分解できても摺動部が磨耗しているとお手上げで、今回がまさにそれでした。
交換しなかった2つのボリュームはまだガリが出ていないので、出費節約もあって(汗)今回はあえてそのまま使うことにしました。
by Rifle (2016-02-29 18:52) 

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