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ヤマハのギターアンプ修理(その2) [音楽]

前回からの続き)

 TL125で名古屋・アメ横まで買出しに行って足りない部品を補充し、作業を再開する。筐体内にある2枚の基板にコンデンサが沢山並んでいるので、それを一つずつ交換して行く。まずはイコライザやプリアンプの回路が載っている大きな基板から始める。
ヤマハF50-112のメイン基板
手に入った部品の都合で、25V1μFのバイポーラコンデンサは同じ容量の積層セラミックコンデンサに置き換えた。
バイポーラコンデンサはセラミックで代用する
細かい事を言うと、セラミックは強誘電物質を使っているというその構造と、逆ピエゾ効果などの現象によって、どうしても波形に歪が生じてしまう。
# 結構馬鹿に出来ないほどの歪み率なんですよねぇ。
だから、信号ラインは勿論のこと、出来れば電源供給部にも使わない方が得策である。
 今回はギターアンプであってオーディオ用ではないことと、費用面(こっちが重要!)の問題で、あえて使うことにした。もし、今後使っていて違和感があれば、その時に改めて交換を考えれば済む話だ。

 作業自体は簡単で、半田を吸い取って古いコンデンサを外し、新しいコンデンサを半田付けするだけだ。コンデンサは日々改良されているので、古いものに比べてサイズが小さくなっている。
同じ耐圧容量のコンデンサでも新しい方が小さい
何故か電解コンデンサは大半がボンドで固定されているので、それを剥がすのが結構大変だ。一つ一つ確認しながら作業していると、やたらと液漏れを起こしているコンデンサが目に付く。
大半のコンデンサが液漏れを起こしていた
調べてみたら、この基板上では10μF以下のコンデンサには液漏れは見られなかったが、それ以上の容量は全て液漏れを起こしていた。30年以上も前の製品だから不思議ではないが、それにしても...という気がする。

 もう一つの小さな基板も作業する。この基板はパワー部の前段になっているようだ。
パワー部前段の基板
こちらは発熱する部分が多い為か、コンデンサ全てが液漏れを起こしていた。
この基板のコンデンサは全て液漏れしていた
こちらも全てボンドで固定されていた為、それを剥がすのに随分と時間が掛かってしまった。足掛け3日ほどかかって2枚の基板に載っている電解コンデンサ全てを取り替えた。
取り替えた電解コンデンサ
溶剤を使えばもっと簡単だったろうが、基板上のシルク印刷が消えてしまうかも知れないのと、他の部品に悪い影響が出ないとも限らないので、面倒だったが全て手作業で撤去した。

 基板を元通りに組んでいる最中に「あれっ、コンデンサが見えてる?」(画像の矢印)
筐体の隙間からコンデンサが見えている
この下はパワートランジスタが載っている放熱板が付いているけれど、そこにも基板があるようだ。詳細は後で調べる事にして、とりあえずは元通りに組み立てて動作を確認する。

 実際にギターを繋いで音を出してみた。
 「ブー」という低いノイズは消えたが、「ザー」という弱いノイズは消えていない。しかも、ボリウムポットと同軸になっているスイッチ(三箇所ある)がどれも利かない。更に、あちこち弄っているうちにパラメトリックイコライザのQ(バンド幅を決める)に酷いガリが出ている。「こりゃー、まだまだ作業が続きそうだなぁ。」

続く
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MINERVA

やはり、機能が多い分だけ行う作業も増えてしまいますね。
これだけしっかり作業を行われておりますので、時間が掛かっても
良好な状態になると感じました。
まだまだ大変でしょうが、頑張ってください。
by MINERVA (2016-03-24 17:57) 

Rifle

MINERVAさん
部品点数が多くて作業もそれなりに時間が掛かりましたが、基本的に汎用品で組まれているので、メンテナンスし易くて助かってます。
復活までもう少し掛かりそうですが、段々と完成が見えてきました。
by Rifle (2016-03-24 20:32) 

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