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最近読んだ本・その2 [雑感]

 先月の事故で痛めた右手首の状態は、以前に比べればだいぶ良くなってAT車なら普通に運転できるようにはなってきた。しかし、まだ一寸重いものを持ったりする事ができないし、テスタロッサのようなMT車を運転するのも無理。
 先日手に入れた手に入れたジャズ・フュージョン系CDをチェックのために聞きながら、本を読む時間が自然と長くなる。1日に1冊の割合で読む事が多いが、多い日には4冊読んだ日もあった。

 まずは、その1日で読んだ4冊から紹介しよう。一冊目は「ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由」(前駐日ドイツ大使フォルカー・シュタンツェル著)である。2015年1月刊行だから、結構新しい本だ。
ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由:前駐日ドイツ大使フォルカー・シュタンツェル
ドイツ語圏の人が日本を見た感想をまとめているような感じの文章が続いている。台湾・中国・韓国のように政治上の問題を多く抱えている訳ではないし、駆け引きだらけの米国のような状態でもないドイツだからこそ、こういった文章が書けるんだろう。
 大使となると現地に赴任して業務をこなさなければならないのだから、相手国を好きだの嫌いだのと言ってる場合ではない筈。それでも日本が好きだというのは、恐らく著者の感覚が日本に合っていたのだと思う。

 2冊目は「必ず黙らせるクレーム切り返し術」(神岡真司著)である。
必ず黙らせる「クレーム」切り返し術
クレームへの対応というのは神経を使うし、一歩間違えると大惨事にも成りかねない。だから、できれば関わりたくない仕事の一つだが、遣らずに済むとは限らない。知識として知っている必要はあると思う。この本では具体的な事例が解説されているし、相手が怒った時にも使えそうな言葉も載っているので、読んで損は無いだろう。

 この本を読んでいて、NECに入社時から担当していた中部圏ユーザの某設計会社を思い出した。
 そのユーザにはNEC製CADマシンが導入されていて、拙者はその維持保守を担当していたのだが、何かにつけて文句ばかり言うのだ。具体的には「作業に1時間程度かかります」と断ってから作業を始めたのに、1時間を1分でも越えると「お前んとこのSEは役に立たん、もう1時間をとっくに過ぎてるぞ。早急に何とかしろっ!」と営業に電話で怒鳴ったり、不具合の調査の為に30枚ほどプリンターに出力したら「不具合の責任はNECにあるんだろう?だったら、何故ウチのプリンタ用紙を大量に使うんだ、今日中に無償で補充しろっ!」と迫ったり、というような具合であった。「なんて酷いユーザなんだ、そんなに文句ばっかり言うんなら他社に乗り換えれば良いじゃないか」と思いながらも、技術保守契約をしている以上は口が裂けてもそんなことは言えず、ムッとしながらも反論せず黙々と作業を続けていたものだった。
 社内の組織運営上の問題とか上司の決断力の無さとか、まぁ色々な条件が重なった結果、部署を異動したのにも拘らずそのユーザも含めた十社弱を抱えながら移動先部署の仕事もこなさなければならないという二重苦状態に陥ってしまっい、しかも移動先の仕事は当時流行していた4GL(第四世代言語)の先行ユーザの技術サポートで連日トラブルの嵐、毎日客先へ謝罪に向かうような有様だった。「俺は一体何をしにこの会社に居るんだ?」なんて思っていたところへ、4GL販売専門の部署へ異動せよと上司から命令され、「ふざけるな!」ついに堪忍袋の緒が切れた。「辞める」と宣言したら上司達が慌てふためいて急遽調整し、結局異動は取り消しとなった。
 入社してから7年強はひたすらクレームと対峙させられ、上司は報告を受けるだけで知らん振り。今改めて思い返せば、誰も手を出したくなかったんだろう。あの頃にこの本が出版されていて読んでいれば、少しは救われたかも知れない。

 3冊目は「9日間プラスのことだけ考えると、人生が変わる」(ウェイン・W・ダイアー著、山本紘矢+亜希子訳)である。
「9日間プラスのことだけ考えると、人生が変わる」(ウェイン・W・ダイアー著、山本紘矢+亜希子訳)
この手のスピリチュアル系の本に対していつも感じる「漠然とした胡散臭さ」をやはり感じてしまうが、書いてある事は実に真面目である。昨年8月に宿カルペデイムで密教の本を読んでいるので、「あぁ、この文章はあの事を指してるナ」と感じる部分がとても多いが、そういった本を読んだ事が無い方は「何だ、これ?」と思われる可能性が結構ありそう。
 色々な意味で「プラス志向」なのだが、書き方がキリスト教前提みたいなので、一応(ん?)仏教徒の拙者には「うーん、確かにそうなんだけどサーァ」と感じてしまう部分が少なくないのだ。だから何となく「胡散臭く」見えてしまう。訳者はその辺を気にしなかったのだろうか。
 9日間かどうかは別として、「こういう考え方もありますよ」という視点で読めば「なるほど」と納得できる面は多いのでは、と思う。

 4冊目は「超一流の雑談力」(安田正著)である。
超一流の雑談力、安田正
会話の受け答えによって相手の信頼を得る方向へ進めるという指南書で、内容はどれも「あぁなるほど」と納得できるものばかりだ。が、これを実際に自分で使えるようになるには相当の努力が必要だろうなーとも思う。
 この本に限らず、人との会話に対する処方箋のような本は沢山出版されているけれど、どれも書かれている内容をそのまま鵜呑みにするだけでは余り意味が無くて、それをどうやって自分の会話として行くのかが問われる。

 これまたNECに居た頃の話になるが、「階層別教育」と称した入社後5年前後の社員を対象とした集合教育を受けた際、外部の講師が「営業のスタイル」について言及した事があった。受講者は全員が技術者なので「へぇー」と面白おかしく話す講師の話に聞き入っていたが、その数年後、その講師が話していた営業スタイル例の一つとほぼ同じやり方をする他社の営業を客先で見て「えっ、本当にあの方法で営業する人が居るんだぁ」と驚いた事がある。
 営業は相手に覚えて貰い話が出来るようにするまでが「最初の一歩」だろうが、相手に覚えて貰うのはなかなか難しいので手法が似通うのは致し方ないのかも知れない。

 他にも読み終えた本があるけれど、一気に記事へ書いてしまうとブログのネタが無くなってしまうので、今回はこの辺までとしよう。(笑)
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たくや

ついつい動かすと治りが遅くなります(汗)
by たくや (2016-05-27 16:18) 

Rifle

たくやさん
そうそう、分かりますよ、それ。(汗)
「もう良いだろう」と思って動かすと「痛っ!」って。(笑)
by Rifle (2016-05-27 21:27) 

ブルル

セコイ設計会社ですなぁw
怒鳴るとか・・・・社内が荒れていそうですね。
by ブルル (2016-05-30 01:05) 

Rifle

ブルルさん
ちなみにその会社、某県では非常に有名かつ大きな会社なんですよ。
各部署が密室的な社風らしいんで、この手の話は一杯ありそうです。
by Rifle (2016-05-30 07:25) 

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