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グヤトーンGA-7のレストア作業(その1) [電子回路]

 1か月前に手に入れたGuyatoneのギター・ベース・キーボード用アンプGA-7は普通に動く状態ではあるものの、自宅に届いた時から本体を動かすと内部で「カラカラ」という乾いた音がするのがどうも気になる。
GuyatoneのアンプGA-7
電源ケーブルの印刷を見ると製造は1981年(画像右上の端)、既に35年経っている。
電源ケーブルには1981年と印刷されている
今後も末長く使い続けたいので、全体をバラシてオーバーホールすることに。出来れば、意味不明な前面右下のシールも取りたいし。(笑)

 前面にある六角ボルトを外すとフロントパネルが外れてくる。
GA-7のフロントパネルを外したところ
銀色のアルミ板は回路の放熱板だが、「85.5.1」という日付らしき文字が書き込まれている。この板はLA4460というカーオーディオ用パワーICに繋がっている。
放熱板に繋がるLA4460
ネジを外して放熱板を外すと、回路基板の部品面が見える。
GA-7の内部回路
4558型のオペアンプ6552が2つ使われている。
 基板はボリウムやスイッチのナットでフロントパネルと繋がっている。フロントのツマミを取ると、固定しているナットが見える。
フロントパネルのツマミを取り払ったところ
ナットを外せば、フロントパネルから基板が外れる。
フロントパネルを外したところ
スピーカに積もっている埃の量が、今までの年月を語っているかのようだ。
 埃を掃除機で吸い取ってからスピーカを支えているパネルを外すのだが何故か簡単には外れず、かなり強引に引き剥がした。
スピーカーパネルを外したところ
画像では分かり難いけれど、パネルと筐体との間にボンドが薄く塗ってあった。だから簡単には外せなかったのだ。しかし、ネジ止めできちんと固定されるのに何故ボンドを???
 筐体内部には、樹脂製の部品が転がっていた。これが「カラカラ」という音の原因だった。
カラカラという音の原因は樹脂製の支柱が外れた為
結構大きな部品である。
樹脂製の支柱
筐体内部を見るとボンドの痕がある。そこに合わせてみると、なるほどピッタリ収まる。
支柱を立てたところ
この部品は支柱だったのだ。ボンドの劣化で外れてしまったらしい。
 リアパネルのネジを外し、ジャックも全て外したが、100Vのヒューズは部品をパネルに通してからハンダ付けされているので、そのままでは外せななかったが、大雑把には一通り分解し終わった。
GA-7を全て分解したところ
ジャックやスピーカーなどの基板外の部品が多いので、基板に繋がる配線も多い。
基板には多数の配線が繋がっている
筐体内部の底面にはシールが貼られている。
修理の完了を示すらしいシール
経年でインクが薄くなっているけれど、ボールペンらしき字で「86-12(修理完了の時期?)」「16-796(修理の管理番号?)」と書かれている。

 高校時代に使っていたGA-7は漏電による感電が酷くて何度も修理に出したけれど、修理する度にベースの低音が削られてしまい、本来の音とはかけ離れていった。しかも4回目位の修理で「これ以上は手の施しようがない」とメーカから言われたものの、それでも漏電が止まらなくて参ってしまった。
 当時の記憶を辿ってみると、外観に変化は無いが、リアパネルのインプットジャックはハイ・ロー共に金属製スペーサーをリアパネルとの間に挟んであった。何故そうしたのかは今となっては分からないけれど、アース接地が不完全と考えたのかもしれない。
 今改めて考えると、整流素子に不具合があったのでは?と思う。そうでなければ、交流が直接回路に雪崩込んで来るなんてことは考え難いのである。基板を見ると、整流素子は当時一般的だったブリッジ整流ダイオードW02が使われている。恐らくは、外観に問題が無いのでダイオードの不良に気が付かず、ダイオード以降の回路で何とか電源周波数の60Hzを抑え込もうとして、結果として周波数帯が重なる低音部も削ってしまったのではないだろうか。

 このGA-7にどういう不具合が発生して、どうやって修理したのかは判らないが、完全なオリジナルのままではないという可能性もある。部品を交換すればハンダ付けをやり直した跡があるだろうから、基板を見ればある程度は分る筈。こりゃぁ気が抜けないなぁ...

(続く)
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