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ファンヒーターの修理(その1:やっぱり駄目か・・・) [雑感]

 自分が使う部屋でいつも使っているコロナ製の石油ファンヒーターFH-E302Yは、昨年から1時間ほど経つと「E4」というエラーが発生して止まるようになった。
エラーで止まってしまった石油ファンヒーター
この製品は2002年製造で、15年ほど経過している。ネットを見ると、同様な事例が多数出ている。
 エラー「E4」の意味は「フレーム電圧が基準以下になった」のだそうで、具体的には不完全燃焼の状態を指すようだ。フレームロッド(炎検出器)にシリコン被膜が付着して動作不良を起こすというのが原因らしい。「じゃぁ皮膜を落とせば良いんじゃない?」と、本体を分解することに。

 外装をばらして行く。ネジ類は全て見える場所にあるので、分解に困るようなことは無い。まずはフロントパネルを外す。
フロントパネルを外したところ
操作パネルを外す。
操作パネルを外したところ
配線が基板に繋がっているけれど、フラットケーブルなのでゆっくり抜けば大丈夫。上部パネルを外した後にガードパネルを外そうとネジ2本を外しても外れない。「どうして?」と思いながら覗き込んだら、もう1本ネジがあった。
ガードパネルの奥にもネジがあった
次は背面のファンを外す。
背面のファンを外すところ
ファンには温度センサーとファンモーターの配線があるので、引っ張ったりして断線させないように注意する。
背面のファンを外したところ
温度センサーをファンを固定しているパネルから外す。ファンモーターの青い配線は辿っていくと基板上のコネクタに接続されている。
ファンヒーターの配線は基板に繋がっている
コネクタをゆっくり抜いて外す。
基板からファンヒーターに繋がるコネクタを抜いたところ
この基板にはスイッチング電源が載っている。基板上の部品を細かく見ると、JRCの三端子レギュレータ78LR05CLとか、
JRCの三端子レギュレータ78LR05C
オムロンの電力用リレーG5C-1とか、
オムロンの電力用リレーG5C-1
電力スイッチング用トランジスタ2SC3328とか、
電力スイッチング用トランジスタ2SC3328
東芝のトライアックPR29MF11NSZFとかが載っている。
東芝のトライアックPR29MF11NSZF
モーターなどの電力を制御するので、大電力用素子ばかり並んでいる。

 基板を外す。樹脂製の基板ストッパーで支えられているだけなので、ストッパーの頭をペンチで挟めば簡単に外せる。
内部基板を外したところ
背面の通気口を留めているカバーを外す。これだけはネジ止めされておらず、手で簡単に外せた。
通気口カバーを外したところ
配線を固定しているグロメットを外して背面パネルを外すと燃焼室が取り出せるけれど、背面パネルで固定する構造なので、何か支える物が必要。たまたま手の届く範囲にあった空箱と木の板と本の入った袋を使って支えている。
燃焼室は手近にあった物を使って支えたところ
燃焼室の上に蓋らしき半円状の金属板がある。
燃焼室を蓋する金属板が見える
端を曲げて固定しているだけだ。
蓋は端を曲げて固定しているだけだ
2か所を慎重に伸ばして外せるようにする。
曲げられた二ヶ所を伸ばしたところ
蓋の裏側は真っ白。試しに真ん中を濡れティッシュで拭いたら金属部が見えた。
蓋裏側の一部を濡れティッシュで拭いたら地金が見えた
全体を古歯ブラシと石鹸で軽く洗ったら奇麗になった。
蓋裏側を石鹸と歯ブラシで軽く洗ったところ
燃焼室内部も真っ白だ。
燃焼室内部は真っ白
左下に出ている線がイグナイター(点火プラグ)、中央上がフレームセンサー(炎検出器)のようだ。
燃焼室内部
燃焼筒は固着しているのか、ネジを外しても取れない。強く抉ると部品を曲げてしまいかねないので、今回はこのまま手の届く範囲で白い付着物を取り除く程度に留めた。

 いい加減に清掃したら、元通り組み立てれば良い。
 組み立ての途中、基板の裏側を見たらICが載っているのに気が付いた。基板の印刷から2002年12月6日に製造されたようだ。
基板裏側にもICがある
三菱の7アレイ0.3AのトランジスタアレイM63803FPとか、
三菱のトランジスタアレイM63803FP
型番を調べても分からないワンチップマイコンなどが載っている。
ワンチップマイコンらしきIC
元通り組み立てれば完成である。
組み立て終わった石油ファンヒーター

 ネットの情報によると、この白い付着物はスプレーなどに含まれるシリコンが熱で固まったものらしい。これがセンサーの動作を邪魔するんだそうな。
 フレームセンサーだけなら一つ千円前後だそうだが、メーカのサービスセンターは個人には部品を出してくれないらしい。販売店の修理コーナーなどで部品を頼めば取り寄せられるかも知れないが、ぼったくられる可能性も否定できないし、古い機種なので部品の在庫が無いという事も十分考えられる。
 メーカに修理を依頼すると1万円近くかかるらしいが、部品交換作業だけとは言え、分解・再組立となるので工場で組み立て工程をやってるのとほぼ同じだろうから、ある程度費用が嵩むのは仕方ないような気もする。しかし、ホームセンターなどで1万円前後で売られているので、修理よりも買い替えを考えるのが普通ではないだろうか。

 自宅ではスプレー類は使わないからファンヒーターも10年以上使えたと思うが、分解だけで1時間近くかかるので、結構大変だ。
 また、金属を曲げて固定するという手法は分解を前提にしていない部分に使われることが多いから、コロナは設計の段階で分解修理を考えていないのかも知れない。ネット上の情報を見る限りではダイニチの製品は分解が簡単らしいから、メーカの設計方針で随分と違いが出るようだ。

 早速使ってみたら、半日間使い続けてもエラーは出なかった。「よし、これで治ったゾ。」
 ところが、翌日の朝使い始めたら1時間も経たないうちに「E4」で止まってしまった。ダメじゃん...

(続く)
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コメント 4

Take-Zee

こんにちは!
凄いチャレンジだと感心しますが・・・
相手は火の元、再度E4が出て良かったです。
もし、火災にでもつながったら大変です。

by Take-Zee (2017-01-14 15:22) 

Rifle

Take-Zeeさん
炎を扱う部分なので、間違えると確かに大変です。
幸い、センサーの部分は調整箇所も何もないので、素人でも何とかなります。勿論、作業後の稼働はしばらく監視が必要ですけど。(汗)
by Rifle (2017-01-14 18:17) 

いっぷく

我が家は2009年製ですが、エラーが出たので使うのをやめました。
修理すべきか、買い換えるべきか、また灯油のものでもいいのかまよっています。
by いっぷく (2017-01-15 00:11) 

Rifle

いっぷくさん
センサー部を清掃できればその方が安上がりですけど、炎を扱う部分ですし、手間のかかる作業になるので、費用は嵩みますが修理を依頼する方が簡単かも。
ただ、2009年となると「部品が無い」と言われる可能性もあるので、ホームセンターなどの実売価格などと比べてどうするか?ですねー。
by Rifle (2017-01-15 09:31) 

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