SSブログ

またまたエレキギターの手入れ [音楽]

 テレキャスターの手入れをした後、随分前に入手したL-6Sコピーモデルと並べたら、どうもL-6Sが古色蒼然としていて情けない感じがしてしまう。
古色蒼然としているL-6Sコピーモデル
画像で見る分には判らないが、肉眼で見ると全体的にくすんでいて「いかにも古い」と感じられるような状態である。
 「でも、どうして古びてるように感じるんだろう?」と全体を眺めていて「そうか、フレットが鈍く光る程度だし、ボディ全体に艶が無いな。」思い立ったが吉日、早速作業に取り掛かる。弦は入手直後に交換してあって錆びていないし、張り具合にも問題は無いので、弦は張り替えないことにして作業する。

 まずは一番面倒なフレットから作業を始める。
L-6Sコピーのフレット
フレット表面が薄く錆びているだけかと思ったが、よくよく観察するとフィンガーボード(指板)も艶が無いので、どちらも液体コンパウンドで磨く。12フレットから24フレットまでを磨いた時点で比較すると、こんな感じ。
12フレット以上だけを磨いたところ
磨いていない部分は何となく艶が無く、フレットの光具合も鈍いのに対し、磨いた部分は奇麗でフレットも輝きを取り戻している。
 フレットを磨く際に弦を緩めてスタッドボルトも抜いたので、ついでにアンカーも磨く。左半分が磨き終わり、右半分は未だの状態である。
左半分だけを磨いたアンカー
ここはボルトに隠れて見えなくなる部分だが、金属面が濁っているとやっぱり放っておけないのだ。
 古い物だけに、樹脂製ノブも表面が細かい傷で濁った感じになっている。
細かい傷で濁ったように見える樹脂製ノブ
これもコンパウンドで磨くと、深い傷は取り切れないものの、かなり奇麗になる。
樹脂製ノブをコンパウンドで磨いたところ
ボディ全体もコンパウンドで磨く。深い傷は取り切れないが、かなり奇麗になった。
ボディ表面をコンパウンドで磨いたところ
弦を外さずに作業したのでペグやヘッドはかなり梃子摺ったが、なんとか元通り弦を張り直して完成である。
手入れが終わったL-6Sコピー
画像では違いが殆ど判らないが、肉眼ではかなり奇麗になって一寸若返った。
 コンパウンドで何処を磨いても薄茶の汚れのようなものが布に付いたので、どうやら全体的にタバコのヤニが付いていたらしい。全所有者は相当なヘビースモーカーだったんだろうなぁ。

 拙者が知らないだけなのかも知れないが、国内ではこのギターに関する情報はとても少なくて判らない部分が多い。
Crestwoodのロゴマーク
「Crestwood」は当時輸出企業だったイバニーズ(今のアイバニーズ)がフジゲンに委託して作っていた楽器ブランドらしい。
 ネット上を探ると、Crestwoodという楽器ブランドは1960年代から存在しており、初めは米La Playa Distributionが手掛け、その後グヤトーン 、イバニーズ、カワイがそのブランド名を使っていたらしい。国内ではその楽器類を見かけることはないが、米国では数多く販売されたらしくて、ネット上でも容易に見つけることができる。
 2年ほど前、これと全く同じ物が米ミシガン州の楽器店から売り出されていて、その説明には「イバニーズとフジゲンが1970年代に製造した、L-6Sを完璧にコピーした日本製のギター」と紹介されていた。但しその年代だと、財閥解体の影響で誕生した木曾鈴木バイオリンが製造という可能性もありそうだ。
 因みに、木曾鈴木バイオリンは二光通販で有名になったTOMSONブランドのギター製造なども請け負っていたが、1980年代後半に工場や保管していた材料をESPに譲渡して消滅したらしい。TOMSON末期のストラトはボディがべニア合板製の物もあったそうだから、末期はかなり困窮していたのかも知れない。

 このギターを細かく見ると、ボディはトップがメイプルのセンターマッチングの2ピース、バックが3ピースのハードメイプルである。ボディ側面から見ると、ピースの接合部が良く分かる。
ボディ側面から見たところ
ネックもメイプルの3ピースで、セットネックだ。
メイプルネックは3ピースでセットネック
ヘッドは足りない部分を左右とも同じメイプルで継ぎ足している。
ヘッドは継ぎ足しヘッド
前面はL-6Sそのもので、ピックガードの刻印までもが克明にコピーされている。
ボディ前面を見たところ
前所有者がビグスビーアームを取り付けていたようで、ネジ穴を埋めてある。
 背面も、コンターを含めて忠実にコピーされている。
ボディ背面を見たところ
背面のパネルを外すと、驚いたことにスプリットコイルを含めた内部の回路までもが忠実にコピーされている。
内部の回路見たところ
ポットの刻印から1975年頃の製造だと思うが、確証はない。
 本家に対して忠実にコピーされており、その本気度が伝わって来るようだ。当時はマイナーなモデルまでもが忠実にコピーされて売られていた時代で、他にもL-5Sのコピーとかハワードロバーツのコピーなんてのもあったらしい。

 ここまでで丸一日掛かってしまったため、専用ハードケースの方はまだ手を付けていないけれど、そちらもそのうちに奇麗にしてやろう。
nice!(18)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 18

コメント 4

Take-Zee

こんばんは!
エレキギターがとっても欲しいと思った
世代です。

by Take-Zee (2017-03-25 18:39) 

Rifle

Take-Zeeさん
拙者の世代の頃は初心者向け価格のエレキがだいぶ出てきましたけど、それでも高くて簡単には手が出ない金額でした。
by Rifle (2017-03-25 22:29) 

みうさぎ

新品同様になったねぇ
凄いな~キラキラ輝いてエレキギターも甦ったねっ
さすが~(^◇^)

by みうさぎ (2017-03-27 17:05) 

Rifle

みうさぎさん
両手の指先が痛くなりましたけど、奇麗になったらそんなことも忘れちゃいました。(笑)
by Rifle (2017-03-27 17:36) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました