積読整理6 [雑感]
今までに何度か「積読整理」とか「最近読んだ本」というタイトルで記事を書いた。
違うタイトルにしたのには勿論拙者なりの理由があっての事で、「積読整理」は5年以上前に買ったけれど何となく時間が経ってしまった本、「最近読んだ本」は入手後直ぐに読んだ本である。
今回は「積読整理」だ。具体的には12年ほどの間、自分の部屋で熟成させていた(???)本である。当時はトヨタグループの一員として連日残業してて体調を崩し、転職活動を本格化させた頃で「次の会社が見つかるまでの間に読もう」と購入した物ばかりである。
ちなみに、この手の本を買う時は常に全て中古本である。発売から1年以上経つと話題になった本でも本屋には置いてない事も多いし、何より中古本の方が安くて助かるからだ。
まずはエリアフ・ゴールドラット氏の「The Goal(ザ・ゴール)」(ダイヤモンド社)である。
発売当時はどの本屋でも山積みにして売っていたので知っては居たものの、自分では買おうとは思わなかった。
その数か月後、会社から強制で研修に行かされ、その時の講師からこの本を改めて紹介されて「一寸読んでみようか」と手に入れた。が、入手して間もなく会社を辞めてしまい、再就職先が市役所だった為、「わざわざ今からこの本を読まなくても」と思っていたら10年以上経ってしまった、という訳だ。(汗)
内容は、ゴールドラット氏の開発した理論の説明書だが、読んでいて眠くなるような普通の理論書ではなくて、閉鎖の危機を迎えた工場の起死回生を目指して奮闘する工場長とその周りの奮闘振りを描いた物語風になっている。物語の中に理論の解説を埋め込んであるので、面白おかしく読み進めるうちに自然と理論を理解できるようになっている。描かれているのは製造業の一工場だが、他の業種への応用は決して難しくないと思う。
仕事に関する本は堅苦しいスタイルの本が多いけれど、これは純粋に小説とし読んでも面白いというのが秀逸である。読んでみて、講師が「面白いから是非一読を」と言った意味が良く分かった。読破に丸一日掛かったけれど、そのうちにもう一度読み返してみたい。
次は、酒井穣氏の「はじめての課長の教科書」(株式会社ディスカバー・トゥエンティワン)。
タイトルに釣られて購入した物だ。当時、勤務先の自動車メーカ子会社で課長昇格が確定していた(けれど、敢えて昇格せずに転職した)が、だから買ったという訳ではない。「世間一般に課長ってどう思われているんだろう?」という疑問があったので手に入れたまでだ。
内容は、課長でなくても部下をまとめる立場の人なら必ず経験するであろう事がほぼ網羅されている。例も含めて具体的に書かれていて判り易いし、章毎にまとめられていて後で見返す時に何処に何が書かれていたか直ぐ分かる。課長の仕事を俯瞰するには良い本と思う。
一方、20年以上鉛筆土方(コンピュータ)業界にどっぷり浸かっていた拙者からすると「え?」と疑問を感じる場所が結構ある。それに、昨今問題として顕在化しているメンタル面に問題を抱えた社員への対応については何も書かれていない。恐らく著者は「メンタル面については他の本をお読み下さい」という積もりなのだろうが、題が「教科書」となっているのだから、きちんとページを割いて説明があってしかるべきと思う。初版が2008年なので、内容が少々古くなっているという感じ。
次は、今野勉氏の「テレビの嘘を見破る」(新潮新書)。
こちらも、タイトルに釣られて購入した物だ。
内容はタイトルでも推測できる通りなのだが、具体的な例は少なく、著者の思索を本にまとめた物という感じ。
今時テレビで流れる映像の全てが事実だと思っているような人はまず居ないと思うし、
# もしそんな人が居るとしたら、非常に恐ろしいですナ。近づかない方が身の為かも...。
見た目が自然な映像にする為には本来とは違う状態で撮影を強いられる場合もあるというのは分からないでもない。
しかし、だからといって「嘘も方便」とばかりに捏造・やらせ・再構成などを許容しようとするその姿勢は、映像作成者側の弁明に終始しているようにしか見えない。正直言って「読んで損した」と思った。
次は昨年手に入れたものの「とりあえず」とクローゼットの棚に積んで置いたら忘れていた本である。(汗)飯沢耕太郎氏の「写真について話そう」(角川書店)。
内容は、写真についての歴史や社会との関わり方を話題の中心に据えて、対話形式でその中身について論じている物になっている。何でも大学で使われている教科書「写真概論」の市販版だそうだ。
写真に関する話題の表面を摘み上げて判り易く解説してあるのでとても読みやすい。写真雑誌では取り上げられる事は決してないであろう内容が色々と紹介されて、読んでいても飽きない。
しかし、そういう物を本としてまとめる意味が見えてこなかった。読み終わった後、正直言って「でっ、何が言いたいの?」と感じてしまった。何となく喰い足りない感触が残ってしまう。一つでも良いから深い解説があれば、そうは感じなかったのかも知れない。
最後は小泉宣夫氏の「基礎音響・オーディオ学」(コロナ社)である。
一応、理工学部以外の大学生向け教科書としても使えるように、と考慮されているけれど、数式が結構出て来るから理系出身でないと完全に理解するのは難しそうだ。
題に「学」と付くだけあって、中身は「教科書」である。言葉の定義から始まって現象・理論の解説が続く。近年盛んなデジタルオーディオに関する原理も判り易い説明がなされているので、数式を無視すれば読むのに苦労はしない。音響について、基礎からしっかり勉強したい人に向いている。
これだけ読んでも、まだ積読状態の本が120冊以上ある。本を買うのは当分の間控えよう。(汗)
違うタイトルにしたのには勿論拙者なりの理由があっての事で、「積読整理」は5年以上前に買ったけれど何となく時間が経ってしまった本、「最近読んだ本」は入手後直ぐに読んだ本である。
今回は「積読整理」だ。具体的には12年ほどの間、自分の部屋で熟成させていた(???)本である。当時はトヨタグループの一員として連日残業してて体調を崩し、転職活動を本格化させた頃で「次の会社が見つかるまでの間に読もう」と購入した物ばかりである。
ちなみに、この手の本を買う時は常に全て中古本である。発売から1年以上経つと話題になった本でも本屋には置いてない事も多いし、何より中古本の方が安くて助かるからだ。
まずはエリアフ・ゴールドラット氏の「The Goal(ザ・ゴール)」(ダイヤモンド社)である。
発売当時はどの本屋でも山積みにして売っていたので知っては居たものの、自分では買おうとは思わなかった。
その数か月後、会社から強制で研修に行かされ、その時の講師からこの本を改めて紹介されて「一寸読んでみようか」と手に入れた。が、入手して間もなく会社を辞めてしまい、再就職先が市役所だった為、「わざわざ今からこの本を読まなくても」と思っていたら10年以上経ってしまった、という訳だ。(汗)
内容は、ゴールドラット氏の開発した理論の説明書だが、読んでいて眠くなるような普通の理論書ではなくて、閉鎖の危機を迎えた工場の起死回生を目指して奮闘する工場長とその周りの奮闘振りを描いた物語風になっている。物語の中に理論の解説を埋め込んであるので、面白おかしく読み進めるうちに自然と理論を理解できるようになっている。描かれているのは製造業の一工場だが、他の業種への応用は決して難しくないと思う。
仕事に関する本は堅苦しいスタイルの本が多いけれど、これは純粋に小説とし読んでも面白いというのが秀逸である。読んでみて、講師が「面白いから是非一読を」と言った意味が良く分かった。読破に丸一日掛かったけれど、そのうちにもう一度読み返してみたい。
次は、酒井穣氏の「はじめての課長の教科書」(株式会社ディスカバー・トゥエンティワン)。
タイトルに釣られて購入した物だ。当時、勤務先の自動車メーカ子会社で課長昇格が確定していた(けれど、敢えて昇格せずに転職した)が、だから買ったという訳ではない。「世間一般に課長ってどう思われているんだろう?」という疑問があったので手に入れたまでだ。
内容は、課長でなくても部下をまとめる立場の人なら必ず経験するであろう事がほぼ網羅されている。例も含めて具体的に書かれていて判り易いし、章毎にまとめられていて後で見返す時に何処に何が書かれていたか直ぐ分かる。課長の仕事を俯瞰するには良い本と思う。
一方、20年以上鉛筆土方(コンピュータ)業界にどっぷり浸かっていた拙者からすると「え?」と疑問を感じる場所が結構ある。それに、昨今問題として顕在化しているメンタル面に問題を抱えた社員への対応については何も書かれていない。恐らく著者は「メンタル面については他の本をお読み下さい」という積もりなのだろうが、題が「教科書」となっているのだから、きちんとページを割いて説明があってしかるべきと思う。初版が2008年なので、内容が少々古くなっているという感じ。
次は、今野勉氏の「テレビの嘘を見破る」(新潮新書)。
こちらも、タイトルに釣られて購入した物だ。
内容はタイトルでも推測できる通りなのだが、具体的な例は少なく、著者の思索を本にまとめた物という感じ。
今時テレビで流れる映像の全てが事実だと思っているような人はまず居ないと思うし、
# もしそんな人が居るとしたら、非常に恐ろしいですナ。近づかない方が身の為かも...。
見た目が自然な映像にする為には本来とは違う状態で撮影を強いられる場合もあるというのは分からないでもない。
しかし、だからといって「嘘も方便」とばかりに捏造・やらせ・再構成などを許容しようとするその姿勢は、映像作成者側の弁明に終始しているようにしか見えない。正直言って「読んで損した」と思った。
次は昨年手に入れたものの「とりあえず」とクローゼットの棚に積んで置いたら忘れていた本である。(汗)飯沢耕太郎氏の「写真について話そう」(角川書店)。
内容は、写真についての歴史や社会との関わり方を話題の中心に据えて、対話形式でその中身について論じている物になっている。何でも大学で使われている教科書「写真概論」の市販版だそうだ。
写真に関する話題の表面を摘み上げて判り易く解説してあるのでとても読みやすい。写真雑誌では取り上げられる事は決してないであろう内容が色々と紹介されて、読んでいても飽きない。
しかし、そういう物を本としてまとめる意味が見えてこなかった。読み終わった後、正直言って「でっ、何が言いたいの?」と感じてしまった。何となく喰い足りない感触が残ってしまう。一つでも良いから深い解説があれば、そうは感じなかったのかも知れない。
最後は小泉宣夫氏の「基礎音響・オーディオ学」(コロナ社)である。
一応、理工学部以外の大学生向け教科書としても使えるように、と考慮されているけれど、数式が結構出て来るから理系出身でないと完全に理解するのは難しそうだ。
題に「学」と付くだけあって、中身は「教科書」である。言葉の定義から始まって現象・理論の解説が続く。近年盛んなデジタルオーディオに関する原理も判り易い説明がなされているので、数式を無視すれば読むのに苦労はしない。音響について、基礎からしっかり勉強したい人に向いている。
これだけ読んでも、まだ積読状態の本が120冊以上ある。本を買うのは当分の間控えよう。(汗)
昔社会科の先生が
部屋に本が無いのは精神がないものだ!ていって読書を進めてたよ
今は何読みたいのかわからず、老眼のせいにして本から遠ざかってまする。読みごたえのある本に出会うと何回も読むもんですよね
by みうさぎ (2017-08-14 16:47)
みうさぎさん
その先生、なかなか鋭いこと仰いますねー。
拙者も老眼で、読書時はメガネを外さないと読めないです。(笑)
by Rifle (2017-08-15 18:35)
メンタル面の対応・・・・
某自動車メーカ子会社の課長職に必須では?w
by ブルル (2017-08-17 12:38)
ブルルさん
あの会社には恐らく必要ないでしょう。
何しろグループ全体が体育会系の塊みたいなもんですから。(汗)
by Rifle (2017-08-17 13:59)