グヤトーンFLIP300FCをオーバーホール(その1) [電子回路]
昨年1月に入手したグヤトーンのギターアンプFLIP300FCは、2か月ほど前からボリウムにガリが出るようになったと思ったら、続けてリバーブも全く効かなくなった。
日常的な使用に不都合が出るほどではないけれど、そのまま使い続けるのも何となく気持ち悪い。それに、この製品は1980年代末の生産だから既に30年経過しており、今のところ問題は出ていないけれど電解コンデンサの劣化は間違いなく進んでいる筈。別件で部品をまとめて注文する機会があったので、序でにこのアンプの分も発注して作業に取り掛かることに。
分解の手順は前回と同じ。本体上面のネジ4本を抜き、スピーカーとリバーブユニットへの配線を外せば、筐体から回路部を取り出せる。
ジャックやボリウムのナットを外し、配線を切らないように注意しながら基板を持ち上げると、部品面が見えてくる。
交換用コンデンサは、高域の抜けを重視してオーディオ用をメインにした。
オーディオ用(画像左)は汎用品よりもサイズが大きく、そのまま取り付けると背が高過ぎて筐体に収まらなくなる。
幸い、基板は部品点数が少なくて余裕があるので、寝かして取り付ける。
外したコンデンサはどれも容量抜けはしていなかったものの、小容量の殆どは液漏れした痕跡がある。画像にある4個のうち、液漏れしていないのは右から2番目だけだ。
製造から30年経過しているのだから、無理もない。
ボリウムは分解する為に基板から外す。
金属ケースの留め金を折ってしまわないように注意しながら外して、抵抗部を取り出す。接点が当たる部分が白い線状になっている。
エレクトロニック・クリーナーで軽く汚れを吹き飛ばし、届く範囲で摺動面をNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨くと奇麗になった。
元通りケースを取り付け、基板に半田付けする。基板側の作業はこれで完了である。
以前にも外側の金属部品は外して錆を落としたが、また錆が出始めている。
メッキが剥がれてプツプツした状態になっているところを見ると、メッキ前の下地処理をしっかりやっていなかったようだ。
メッキを剥がして下地を整えてから再メッキすれば新品になるけれど、そこまでする必要も無いので、今回も真鍮ブラシで軽く錆を落とす。右が磨く前、左が磨いた後。
序でに、液体コンパウンドで大雑把に表面を磨く。こちらも右が磨く前、左が磨いた後である。
全部磨いたら、元通り取り付ける。
真空管を固定するバンドも外して磨いてみたら、銀色になった。画像では分かり難いが、磨いた右側が銀色なのに対して、左側は黄色っぽいのが分かるだろうか。
肉眼ではかなり大きな差なのだが、デジタルカメラだと微妙な色の違いがなかなか出ない。
ちなみに、試しに磨いてみたから本来は銀色をしていると分かっただけで、この固定バンドは初めから黄土色の部品だと思っていた。(笑)
動作しないリバーブは、本体の底面にネジで固定されている。
外して見ると、スプリングを支える内部の樹脂部品が劣化で割れている。
タンク側には品番らしきシールがある。
割れた部分をよく見ると、あちこちに亀裂が入っている。
こんな状態では接着しても別の亀裂から割れてしまうので、修復は無理だ。
崩壊していない方も大きな亀裂が入っていて、何時割れてもおかしくない状態だ。
スプリングリバーブは入力信号を磁力に変換してスプリングを振動させ、その振動はスプリングの弾力に依って入力信号よりも遅れて収まる。信号よりも遅れた振動分が残響成分になり、その振動を電気信号に戻して取り出している。固定に樹脂部品を使っているのは、恐らく磁力を妨害しない為と思われる。
ホームセンターで売られている汎用金具を利用すれば結構簡単に直せそうだが、金属だと磁力を吸収したり妨害してしまう可能性もある。樹脂の部分を作り直すのはかなりの手間になりそう。うーん、どうしたものか...。
(続く)
日常的な使用に不都合が出るほどではないけれど、そのまま使い続けるのも何となく気持ち悪い。それに、この製品は1980年代末の生産だから既に30年経過しており、今のところ問題は出ていないけれど電解コンデンサの劣化は間違いなく進んでいる筈。別件で部品をまとめて注文する機会があったので、序でにこのアンプの分も発注して作業に取り掛かることに。
分解の手順は前回と同じ。本体上面のネジ4本を抜き、スピーカーとリバーブユニットへの配線を外せば、筐体から回路部を取り出せる。
ジャックやボリウムのナットを外し、配線を切らないように注意しながら基板を持ち上げると、部品面が見えてくる。
交換用コンデンサは、高域の抜けを重視してオーディオ用をメインにした。
オーディオ用(画像左)は汎用品よりもサイズが大きく、そのまま取り付けると背が高過ぎて筐体に収まらなくなる。
幸い、基板は部品点数が少なくて余裕があるので、寝かして取り付ける。
外したコンデンサはどれも容量抜けはしていなかったものの、小容量の殆どは液漏れした痕跡がある。画像にある4個のうち、液漏れしていないのは右から2番目だけだ。
製造から30年経過しているのだから、無理もない。
ボリウムは分解する為に基板から外す。
金属ケースの留め金を折ってしまわないように注意しながら外して、抵抗部を取り出す。接点が当たる部分が白い線状になっている。
エレクトロニック・クリーナーで軽く汚れを吹き飛ばし、届く範囲で摺動面をNeverDull(ネバーダル:金属磨き)で磨くと奇麗になった。
元通りケースを取り付け、基板に半田付けする。基板側の作業はこれで完了である。
以前にも外側の金属部品は外して錆を落としたが、また錆が出始めている。
メッキが剥がれてプツプツした状態になっているところを見ると、メッキ前の下地処理をしっかりやっていなかったようだ。
メッキを剥がして下地を整えてから再メッキすれば新品になるけれど、そこまでする必要も無いので、今回も真鍮ブラシで軽く錆を落とす。右が磨く前、左が磨いた後。
序でに、液体コンパウンドで大雑把に表面を磨く。こちらも右が磨く前、左が磨いた後である。
全部磨いたら、元通り取り付ける。
真空管を固定するバンドも外して磨いてみたら、銀色になった。画像では分かり難いが、磨いた右側が銀色なのに対して、左側は黄色っぽいのが分かるだろうか。
肉眼ではかなり大きな差なのだが、デジタルカメラだと微妙な色の違いがなかなか出ない。
ちなみに、試しに磨いてみたから本来は銀色をしていると分かっただけで、この固定バンドは初めから黄土色の部品だと思っていた。(笑)
動作しないリバーブは、本体の底面にネジで固定されている。
外して見ると、スプリングを支える内部の樹脂部品が劣化で割れている。
タンク側には品番らしきシールがある。
割れた部分をよく見ると、あちこちに亀裂が入っている。
こんな状態では接着しても別の亀裂から割れてしまうので、修復は無理だ。
崩壊していない方も大きな亀裂が入っていて、何時割れてもおかしくない状態だ。
スプリングリバーブは入力信号を磁力に変換してスプリングを振動させ、その振動はスプリングの弾力に依って入力信号よりも遅れて収まる。信号よりも遅れた振動分が残響成分になり、その振動を電気信号に戻して取り出している。固定に樹脂部品を使っているのは、恐らく磁力を妨害しない為と思われる。
ホームセンターで売られている汎用金具を利用すれば結構簡単に直せそうだが、金属だと磁力を吸収したり妨害してしまう可能性もある。樹脂の部分を作り直すのはかなりの手間になりそう。うーん、どうしたものか...。
(続く)
色々とガタがきてるようで、直るのか次回が待ち遠しいですねぇ(^_^;)
by middrinn (2018-09-13 07:55)
middrinnさん
部品の耐用年数からすればオーバーホールは当然なんですけど、リアルタイムで実物が売られていた頃を知ってる為か「もう30年経っちゃった?」って感じです。(笑)
by Rifle (2018-09-13 15:27)