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グヤトーンFLIP300FCをオーバーホール(その2) [電子回路]

前回からの続き)

 スプリングリバーブの単体ユニット(タンク)はAccutronics社などの複数の会社から市販されている。入出力インピーダンスや残響時間の違いで複数のモデルがあるけれど、壊れた方のリバーブは入出力インピーダンスが不明なので、どれを選べば良いのかが判らない。
(注)インピーダンスとは...簡単に言えば、交流を流した時の抵抗ですネ。

 「ウーム、どうしてくれようぞ...」と思いながらネットを漁っていたら、リバーブタンクのデッドストック品にぶち当たった。見た感じではサイズや構造は同じだが、インピーダンスや残響時間などのスペックは全くの不明。でも、お値段は現行品の半額。一か八かで取り寄せてみた。
取り寄せたリバーブタンク
早速比べて見る。上が取り寄せた物、下が壊れた方である。
全く同じサイズのリバーブタンク(上が新しい方)
中身も全く同じ構造だが、コイルの色が違う。
同一構造だが、コイルの色が違う
インピーダンスアナライザは持っていないので、とりあえず直流抵抗を測った。新品の出力側は226Ω。
出力側は226オーム
入力側は39.4Ω。
入力側は39.4オーム
壊れた方も測定する。入力側は66.1Ω。
入力側は66.1オーム
出力側は169.3Ω。
出力側は169.3オーム
新しい方の入力側は古い方の6割程度しか無く、出力側は3割程多い。
 大雑把にはインピーダンス(正確にはリアクタンス)は巻き数の2乗に比例し、直流抵抗は巻き数に比例する。新しい方に替えると、入力インピーダンスが低く(=音が小さくなる)出力インピーダンスが高い(=音が小さくなる)ので、リバーブ音は極端に小さくなる筈。多分聞こえないだろう。リバーブの前にドライブ回路、後にミキサー回路があるから、リバーブ音を大きくするには各回路の回路定数を弄って増幅率を変えるとか何とかする必要がある。

 古い方に付いていたゴム足を新しい方に取り付ける。
新しい方にゴム足を取り付けたところ
アンプ本体の底面にネジで固定して配線すれば作業は完了である。

 音を出して見ると....んんんー!?( ,,`・ω・´)...各ツマミのガリは全く出なくなったし、「シャー」というホワイトノイズも減った。が、それまであまり気にならなかった「ブー」というハム音が気になるようになった。ホワイトノイズが減ってハム音が目立つようになったようだ。
 リバーブ音は、思った通り聞こえない。試しに入力と出力を逆に接続したら、かなり小さいけれど残響成分の音が聞こえるようになった。ただ、実用として使うにはやはり小さ過ぎる。
 
 このままでも使えないことはないけれど、一寸情けない。やっぱり回路図を起こして、きちんと調べないと上手く行かないようだ。こりゃぁ手間がかかるぞぉ...(--;)

続く)
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