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ヤマハCP70Bの簡単なメンテナンス [電子回路]

ヤマハの古い打弦式電気ピアノCP70Bは、高音域の減衰が目立つ。
YAMAHAのCP70B
# 上に載ってる白い箱は、別途用意した外部スピーカーです。
子供は「高音が足りないから」と、いつも上の蓋を開けて使っている。でも、エレピ(エレクトリック・ピアノ)だから、生ピアノのように蓋を開けて使うのはおかしい。「内部の部品が劣化してるんじゃね?」早速メンテする事に。

 まず、基板のある部分を取り外す。
基板の部分
裏側に基板が固定されている。
基板のある側
電源部を見ると、電解コンデンサは液漏れで頭が膨らんで水色になっていた。
電解コンデンサの頭が膨らんでいる
問答無用で、全てのコンデンサを交換する。
 打弦式はピックアップからの信号を増幅するだけなので、メイン基板は案外小さいサイズに収まっている。
意外と小さいメイン基板
こちらも全ての電解コンデンサを交換する
コンデンサ交換を終えたメイン基板
試しに一つボリウムを外して内部を見ることにした。
外したボリウム
分解すると、案の定内部はグリスまみれだ。
ボリウム内部はグリスまみれ
エレクトロニッククリーナで内部を洗浄し、NeverDull(ネバーダル:金属磨き)で抵抗体を奇麗にする。
ボリウム内部をクリーニングしたところ
元通りに組み立てて、基板に半田付けしておく。
 二連ボリウムは、この時代にしては特殊な形状をしている。
二連ボリウムは特殊な形状
手持ちの工具だけでは分解不可能なので、そのまま基板に元通り半田付けする。
 パネル表側を見ると、グリスと筐体の樹脂が反応してしまっている。
筐体プラスチックとグリスが反応した痕
こうなってしまうとどうしようもないので、このままにしておく他ない。
 元通り組み立てて完成である。

 この製品は、格安中古で売り出されていたのを見つけて購入。1978年発売だから、少なくとも40年以上経っている事になる。
 「とにかく使えれば良い」というのであればそのまま使っても良いのかも知れないが、電解コンデンサの経年劣化に伴う音質の劣化は避けられない。「本来の音」を求めるのであれば、全交換が必要なのであーる。
 作業を修理業者さんに依頼すると結構な額になっちゃうと思うけれど、部品の数は多くないから自分で作業すれば安く修理できる。この時代の製品は基板の部品密度が低いし、何かと癪に障るチップ部品は使われていないから、素人でも修理可能だ。

 ただ、注意すべき点もある。それは「ランドが剥がれ易い」という事である。
 ランドとは、基板上の銅箔の事。銅箔パターンはベークライト等で出来ている板に接着されているだけなので、長時間(数秒以上)熱を加えると接着剤が劣化して剥がれてしまう。剥がれるだけならまだ良いが、剥がれてパターンから千切れてしまうと(大抵の場合はサイズが小さいので)修復するのはかなり大変な作業となる。
 今回もランドが少し剥がれかけて、慌てて作業のやり方を変えたりした事が数回あった。幸い、千切れたりはしなかったので何とか誤魔化せたから良かったけれど、剥がれてしまうと本当に厄介なんだよねー。(汗)

 完成後、念の為に子供に音出しして貰った。その感想は...「音がきっちり抜けるようになった」と。メデタシ目出度し...だけど、まだメンテ待ちの機材が結構控えてたりするんだよなー。(汗)
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コメント 4

middrinn

液漏れ、嫌ですねぇ(+_+) こうやって直せるから、
物持ちも良くなり、再び経年劣化で故障か(@_@;)
by middrinn (2019-07-14 06:32) 

Rifle

middrinnさん
次に交換するのは恐らく10年以上先でしょうけど、この程度なら大した作業じゃないですよ。(^^;)
by Rifle (2019-07-14 09:37) 

みうさぎ

こんにちわ~
目出度いねぇ
お次の番だよ~お次の番
なんでしょうかぁ?
(´艸`*)

by みうさぎ (2019-07-15 16:01) 

Rifle

みうさぎさん
安物買いのナントヤラで、メンテナンス待ちの機材が目白押しだったりします。(汗)
必要な部品は発注済みなので、部品が揃った機材から取り掛かる事になりそうです。
by Rifle (2019-07-15 20:47) 

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