SSブログ

TLR200のキャブレター(その1:オーバーホールするも・・・) [バイク]

 前回の作業でキャブレターもオーバーホールが必要と判ったので、ネット上でオーバーホール用のガスケットキットを取り寄せた。
 また、今まで気が付かなかったけれど、ホーンが鳴らない事が判明。普段ホーンを鳴らす事は無いけれど、いざという時に鳴らないのは危ないので、こちらも序でに作業する事に。
 更に、走行中にスピードメーター周辺から「ギュー」という変な音がする。メーターユニット自体から音が出ているような気がするけれど、序でにワイヤー類に注油してみる。

 まだ30度前後で暑い日が続くけれど、明るいうちに作業を終えたいので、14時過ぎから作業を始める。
 何をするにも、タンクを外さないと始まらないので外した。でっ、気が付いたのが、フレームにアースされている部分(緑色の配線)である。
フレーム・アースの状態が怪しい
固定しているボルト周辺がやや酷く錆びている。「こりゃ導通してないかもね。」外してワイヤーブラシで錆を徹底的に落とした。
錆を落としたところ
元通りに組んでホーン・ボタンを押すと...「ピーッ!」と大きな音が出た。これで良し。(^^ )

 次に、エアクリーナーを固定する上面のボルト2本を外してエアクリーナー全体をできる限り後ろに引き、エンジン側のナット2個を外して「あーでもない、こーでもない」なんて散々弄繰り回してやっとこさキャブレターを取り出せた。KEIHINのPW22で、純正品だから新車時から装着されていた物と思われる。
外したキャブレター
フロートチャンバー(下側のガソリンが溜まる部分)はワイヤーで固定されているだけなので、簡単に外せる。
外したところ
肉眼では、状態はかなりよく見える。
内部の見た目は良さそう
しかし、本来はやや柔らかい筈の黒いパッキンはカチコチ。マイナスドライバーで削り取るようにして外し、ジェット類も外すと、何かこびり付いている。
何かがこびり付いている
ひょっとしたら、ガソリン漏れを液体ガスケットで一時的に止めていたのかも知れない。残ったままだと厄介なので、キャブクリーナーで泡だらけにしてしばらく放置してからブラシで擦って綺麗に取り去る。

 キャブレターを全部バラバラにしたら、こちらもキャブクリーナーで泡だらけにしてしばらく放置、その後ボロタオルで綺麗にふき取った。ニードルピン(細長い真鍮の棒:画像右下)のクリップ位置は上から3段目になっていた。「やたらと濃いセッティングだな」とは思っていたが、原因はこれか。
キャブレターをばらして清掃したところ
古いバイクでよく使われている真鍮製のフロートは、古い割にはまぁまぁ綺麗だ。
真鍮製のフロート
しかし、片方が凹んでしまっている。
片方が凹んでいる
更に見回してみたら、穴を塞いだと思われるハンダ付けがある。
穴を塞いだと思われるハンダ付け
更に細かくチェックしたら、非常に小さな穴が一か所開いていた。こういう状態になると、恐らくハンダで穴を塞いでも他の場所で直ぐ穴が開く事が多いので、交換が必要だ。今回は部品を用意していないし、非常に小さな穴なので、とりあえずそのまま使う。
 交換したパッキンやガスケットは、カチコチか緩々かのどちらか。
カチコチと緩々
この状態からすると、新車時のままで一度も交換されていないと思う。
 パッキンやガスケットを全て交換して元通りに組み立てようとしたら、真鍮フロートの位置が異様に高い。サービスマニュアルでは「24mm」とあるのだけれど、40mm近い状態になっている。このままではマズイと思い、標準の24mmに戻した組み立て、すったもんだして車両に取り付ける。これでキャブレターのオーバーホール作業は完了である。

 次はメーターケーブルである。
TLR200のメーターパネル
フロントカウルを外してメーターの下にあるメーターワイヤーを外す。
メーターワイヤーを取り出したところ
見た感じではかなり綺麗で問題無さそうだ。
 下側も外すが、こちらもまぁまぁ綺麗な方と思う。
下側もまぁまぁ綺麗
念の為にメーターケーブルを引き抜いてみたが、先端に僅かな錆が出ているだけで、全体的に綺麗だった。ケーブルを元通りに入れ、上から潤滑剤スプレーを噴いて下側まで潤滑油が垂れてくるのを見届けてから元通りに組み立てる。
 これで、今回の作業は全て完了である。

 早速日曜の午前中に、いつもの練習場所へと2台のTLR200で出かけた。エンジンの調子はとても良くなり、スロットルの動きに忠実だ。出発時はガソリン漏れも皆無。
 次に、子供が実際に練習場所で走らせてみた。走り終わって子供曰く「すっごく調子が良くなったし、エンジンブレーキも良く効く!」と。拙者も練習場所で数分走ってみたが、スロットルの操作に対する追従性が以前よりも大幅に改善されている。
 「よーっし、これでOKだな」と思ったのも束の間、一緒に居たSさんやGさんが「キャブレターの下側からガソリンが垂れてるよ。」見ると、確かに少し垂れているではないか。「ありゃー?何でぇ???」
 あちこち見て確認するも、漏れているような部分は見当たらない。どうもフロートチャンバーのオーバーフローパイプよりもガソリン油面の位置が高いらしい。「おかしいな、フロートの位置を元通りにしたのに...。」しかもその後、子供がエンジンを再びかけて走っていたら急にエンジンがうなり出した。スロットルには触っていないのに、勝手にエンジンの回転が上がってしまうという、例の症状が再発したのである。
 それを見たHさん曰く「TLRは斜めにするとエンジンの調子がおかしくなるんだよねー」と。

 今までの経緯から前所有者がキャブレターの調整をしたりしていたのは間違いないから、下手すりゃ見えない部分に問題があるのかも知れない。オーバーホールしても動きがおかしいので、ひょっとしたらどこかが歪んでいるのかも知れない。
 Gさんに依れば、この時代のKEIHINのキャブレターは発展途上で、現在の基準からするとかなりの低性能なんだそうな。それに「キャブレターは消耗品だしね。」確かに、今まで色々作業してもエンジンの回転が勝手に上がってしまう症状は治まらないので、これ以上手間暇をかけるのは時間と費用の無駄になる可能性もある。
 通常の走行は出来る状態なので、騙し騙し自宅まで乗って帰った。

 帰宅後、ネット上で色々調べてみたが、どのブログでも「どれだけ調整しても駄目ならキャブ交換」と書かれている。既にPW22は生産を終了しているので互換品に替える事になる。後継機種はPD22だが、怪しい中華製も数多く出回っているので「安いから」と言っても迂闊に手を出せない。
 そういえば、Hさんが「自分のTLRにもコサカさんのキャブを、送られてきたまんまの状態で取付たけど、とっても調子が良いよ。流石プロがセッティングしただけの事はあるねー」と仰っていたのを思い出した。
 散々ネットを彷徨った挙句、出した結論は「やっぱ、コサカさんのキャブレターに交換しよう!」でっ、ネット上で発注した。ふーぅ、またタンク外すんかよぉ...(^^;)...(--;)

(続く)
nice!(21)  コメント(2) 

nice! 21

コメント 2

みうさぎ

あんりゃありゃ手間の掛かる子ですね
振り出しだなぁ頑張れ~

by みうさぎ (2021-10-11 19:34) 

Rifle

みうさぎさん
子供の勉強にもなるだろうし、格安で手に入れた車両なんで、まーぁこれ位は、ね。(^^;)

by Rifle (2021-10-11 19:41) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。