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TLM220R不動(その4:部品選定) [バイク]

前回からの続き)

 現在入手できる部品のデータシートをネット上で探し回り、使う部品を絞り込んで発注した。
届いた箱
結構な部品点数になった。
取り寄せた部品
右端の箱は、1/2WのE24系列抵抗のセット。抵抗部品の在庫が無くなって来たので、思い切って全種類のセットを購入した。お陰で抵抗の特定の値が欠品という事は無くなるが、かなりの出費となってしまった。(涙)

 廃番のデジタルトランジスタ(バイアス抵抗が内蔵されているトランジスタ)東芝のRN2202・RN1202は、調べてみたら汎用トランジスタ2SA1015・2SC1815とほぼ同じと判明。
デジタルトランジスタ
トランジスタにバイアス抵抗を直接配線しても良いのだけれど、基板パターンを変えないのならトランジスタに抵抗を直接抱かせる事になって少々面倒なので、安価なDTA114EとDTC114EL(共にUNISONIC製)を選んだ。
 因みに、RN2202もRN1202もまだ在庫のある店があるようだ。

 使われているサイリスタはNECの2V5P4・3P4MHだけど、完全互換になりそうな現行品が見つからないので、8P4SMA・TF841M・X0202MAの3種類を取り寄せた。
サイリスタ
2V5P4も3P4MHもゲートトリガ電流がμA単位とかなり小さいのだが、安価な現行品だとmA単位が主流だったりする。気になる電気的特性の項目を拾って比べてみると、良く分かると思う。
項目単位2V5P43P4MHX2020MATF841M8P4SMA
繰り返しピーク逆電圧(VRRMV400400600400400
平均オン電流(IT(AV)A2.530.888
ゲート・トリガ電流(IGTmA0.10.20.21510
保持電流(IHmA55546
項目の比較から、X2020MA辺りが一番良さそうな感じ。

 ダイオードは刻印が無くて種類が分からないので、ガラス封入の小さな方は汎用小信号高速スイッチング用の1N4148を、樹脂モールドの方は汎用整流用の1N4007-Bを使う。
ダイオード
回路からして、ダイオードはどれも整流用に使われているみたいだから、この選択で大丈夫だと思う。

 電解コンデンサが4個使われているけれど、経年劣化が大きいので積層セラミックコンデンサで置き換える。
コンデンサ
積層セラミックは使用電圧が問題になるけれど、今回の回路はどの位置でもそれなりの電圧が掛かっているので大丈夫。

 なお、起こした回路図は以下の通り。一応見直してはあるんだけれど、まだ完璧とは言えない状態なので、値とかは省略している。
回路図
この回路の電源は、ACジェネレータからの電力を半波整流する事で得ている。
 CDIは、パルスジェネレータから来る信号でサイリスタを導通させる事によって、スパークコイルに貯め込んだ電気エネルギーを一気に放出、するとコイル2次側に高圧の電気が発生してスパークプラグに流れガソリンに引火させる、と言う動作を制御する。単純に考えるのなら、パルスジェネレータの信号を整形してサイリスタに流すだけで良さそうに思う。
 しかし、タイミング回路が妙に込み入っているように感じるし、サイリスタが直列になっているのも引っかかる。サイリスタのゲートは別信号源でなくて同一信号だから、2段に重ねる意味が無いように思えるのだ。
 
 ここで、CDIに関するタイミングを計算してみる。
 まず、エンジン一回転に掛かる時間は、6千rpmの時は10ミリ秒、3千rpmの時は20ミリ秒、2千回転なら30ミリ秒。
 トランジスタの動作速度は十分に速いので無視、サイリスタの速度はデータシートによると平均80マイクロ秒。デジタルICのTC4001BPとTC4081BPの動作遅延は最大でも0.2マイクロ秒。エンジン回転と比べれば、それこそ桁違いに速い。だから、回路動作の遅延は全く問題にはならない。
 一方、サービスマニュアルを見ると「遅角開始回転数は2000rpm」とある。
サービスマニュアルにある表
内燃機関は良く分からんけど(滝汗)、サービスマニュアルの値から考えて、回転数が1千rpm上がる毎に2度遅角させる...らしい。(汗)
 その「2度」を時間で考えてみる。例えば、3千rpmでは一回転20ミリ秒だから、2度=20ミリ÷360≒0.056ミリ秒=56マイクロ秒。かなり短い時間間隔である。

 ロジックICが7段重なっているけれど、この部分の遅延は最大でも1.4マイクロ秒。だから、ここで遅角を制御しているとは思えない。そうなると、ダイオードで電圧をカットする事でパルスジェネレータから来る電圧の立ち上がりを遅くして制御している?のかも。
# ダイオード一個で約0.6V電圧が下がるのね。
そう考えると、サイリスタの片方のゲートにダイオードが入っているのが何となく分かるような気がする。

 なお、ネット上の情報に依れば、赤/黄の配線をカットすると点火時期が3度早くなるらしい。
 この線を辿って行くとダイオードが一つ入っている(ツェナーダイオードは電圧制御用なのでカウントには入れない)ので、それを省略すれば電圧の立ち上がりは少し早くなる...ん?という事は、パルスジェネレータの信号にダイオード1つ挟むと3度の遅角制御が出来るって事???
# 何だか分かったよーな分からんよーな。(滝汗)
 実際に市販された物なんだから何かしら意味があるんだろうけれど、不勉強な頭では残念ながら解読できんなー。(滝汗)

 さて、回路図も部品も揃ったから、次は基板を複製して実際に組み立てて動作確認!だね。

続く
タグ:CDI TLM220R
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コメント 4

みうさぎ

フムフム いよいよ~
>次は基板に進む訳です
難しくて 分らないけど
頑張れ~

by みうさぎ (2022-11-10 15:20) 

Rifle

みうさぎさん
回路屋でないと分からない部分が多いと思いますけど、よーするに「面倒だった」んです。(笑)
残るは基板作成だけど、これも面倒なんですよねぇ。
by Rifle (2022-11-10 17:31) 

ガバチョ

全く分かりませんが、解説文を読み進み分かったような錯覚(妄想)に浸ってオモシロイのです。
これからの面倒な工程が楽しみ。楽しませていただいています。
by ガバチョ (2022-11-10 22:29) 

Rifle

ガバチョさん
アナログ回路の解読は、大学で齧っただけの拙者には難問です。(汗)
回路図があれば作成は難しくないんで、何とかなる目星が付きました。
by Rifle (2022-11-11 12:46) 

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