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polytune2は冤罪? [音楽]

 子供が「カチカチ音がして動かない」とt.c.electronicのペダルチューナーpolytune2を持ってきた。
polytune2
「壊れるような機材じゃないんだけどなー」と思いながらも分解してみる事に。

 裏側に蓋を固定しているネジがある。
蓋を固定する大きなネジ
これを外すと裏蓋が外れる。
裏蓋を外したところ
トルクスネジを外して内蓋も外す。
内蓋を外したところ
表示部の基板は別になっているので、そちらのトルクスネジも外す。
表示部は別基板
左右のジャックのナットを緩めると、基板全体が簡単に外れる。
内部の基板
デジタル回路らしく、カスタムチップとチップ部品だらけだ。9年ほど前と比較的新しい製品なので、案の定肉眼で見る限りは電解コンデンサにも問題は無い。

 「うーん、どこがおかしいんだ?」一旦元通りに組み立ててACアダプターを繋ぎ、ギターを繋いで動作を確認する。
 すると、子供の言う通り「カチカチ」と内部のリレーが動く音がしてダンマリ状態になる。「あぁ、なるほど。でも、回路が死んでたらこんな動作にはらんよなぁ...まさか、ACアダプター!?」別のACアダプターを持ってきて接続し、ギターも繋いで確認する。「...あ、普通に動くわ。」

 おかしいACアダプターの電圧を測定すると、9Vであるべき電圧は8.4V弱しか出ていない。
ACアダプター
 アナログ回路であれば0.6V程度の電圧降下はまず問題にはならないのが普通だが、要求電圧がシビアなデジタル回路ではそうは行かない。他の電圧に切り替えて測定したら全体的に電圧が随分と低く、かなりのばらつきがある。「あ、やっぱりこいつが原因か。」
定格表示
スイッチング式のアダプターなので、恐らく手を出せないだろうとは思ったけれど、念の為に分解する。
 樹脂製の筐体は接着剤で貼り合わせてあるらしくて、素手では外せない。そこで、合わせ目の隙間にマイナスドライバーを無理矢理突っ込んで抉じ開けた。
内部の基板
ざっと基板を見ると、MIP0224SYという電力制御素子(IC)が放熱版に固定されている。
内部基板・コメント入り
出力電圧はツェナーダイオードを基準電圧として利用して、フォトカプラがオン・オフの制御のタイミングを出力するという、比較的簡単な回路だ。
 画像では分からないかも知れないけれど、複数のコンデンサが液漏れを起こしていたみたいで、基板上には液体が漏れて乾いたような痕がある。
 このACアダプターはいつ購入したのか覚えが無いが、少なくとも15年以上は使っていた筈。電解コンデンサが劣化していてもおかしくない。

 電解コンデンサを交換すれば正常に戻るかも知れないけれど、使われているコンデンサは低ESR品で入手が難しい。かなり古い製品だし、スイッチングトランスも外観がだいぶ草臥れているので、この際引退させる事にした。
# お疲れ様でした。(^^ )

 今回はペダルチューナーに不具合は一切無く、ACアダプターが動作不良の原因だった。ペダルチューナーは無罪だった、というお話でした。(笑)
タグ:polytune2
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歳三君

コンデンサの液漏れは使用年数が進むとどうしようもない
んだと思ってますが何か対策とかあるんですかね?
by 歳三君 (2023-02-04 17:35) 

Rifle

歳三君さん
電解コンの液漏れは防げないので、漏れたら即交換!ですねー。
交換時にOSコン等劣化の少ない物を選べば、後々交換の手間が省けます。その代わり、お金がかかりますけど。(汗)
by Rifle (2023-02-04 20:34) 

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