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止むを得ず撤退:D888のオーバーホール [音楽]

 2年半ほど前に購入したKORGの8chレコーダー「D888」は、細切れの時間を使って少しずつオーバーホール作業を続けていた。

 作業の内容はD32XDD16XDと同じ。
 いつものように、本体裏側を見るとネジが並んでいるので、それを外す。
本体裏側
下の蓋を外すと基板が見えて来る。
内部の基板
電源はスイッチング式なのでコンパクトだ。
スイッチング電源はコンパクト
ただ、この方式だとコンデンサのESR(等価直列抵抗)を設計時の値と合わせる必要がある為、迂闊にコンデンサ交換は出来ない。
 配線を追ってこの部分の回路図を作成し、使われている素子のデータシートを調べて設計値を推測する事は出来るけれど、時間と手間が掛かる。なので、今回もこの部分には一切手を出さない。
 前面のつまみ類を全て取り外す。
つまみを全部外したところ
これで基板が外れる。
基板が外れる
スライドボリュームの隣に小型電解コンデンサがある。
スライドボリューム脇にある小型電解コンデンサ
この場所に収める為に、わざわざ割高な小型タイプを選んでいる。基板の配線ルーティング上、この場所にしか置けなかったんだろうけれど、それにしても一寸苦しい感じがするなぁ。
ボリュームポット周辺に電解コンデンサが一杯ある。
ポット周辺にも電解コンデンサが
しかも、パネルに閊えないように倒してあったりする。こりゃー生産する時に大変だっただろうな。
 スライドボリューム脇のコンデンサは、案の定液漏れした痕があった。
液漏れの痕がある
小型タイプは経年劣化で液漏れが起きる確率がとても高いので、古くなったら問答無用で交換する方が良い。オーディオグレードは汎用品より一回り大きいので、横倒しにして取り付ける。
横倒しで取り付けたところ
とりあえず、ジャック付近にある電解コンデンサを交換したが、ハンダがなかなか緩まなくて苦労した。
ジャック部周辺の電解コンデンサを交換したところ
次に、基板のあちこちにある電解コンデンサを外しにかかるが、足が抜けなくてすっぽ抜けてしまった。
足が片方抜けた
基板側に残った足を取り除き、抜いた穴を細いドリルで綺麗にする。
ドリルで穴をさらっているところ
作業を続けるうちに、スルーホールのパターンごと抜けてしまうという厄介な状態が増えて来た。
パターンが道連れに

パターンが道連れに

パターンが道連れに
3個連続でこうなったので、「まさか?」とは思ったが、その後抜いたコンデンサは全てこの状態に。

 この時代の製品は、使われているハンダは多分鉛フリー。だから、通常のハンダよりも融点が高い。
 今使っている半田ごては鉛フリーになる前の安価な機種でコテ先の温度が不安定だから、作業に梃子摺る事はある程度予想していた。
 けれど、流石にここまで厄介な事が続くと、正直言って作業を続けるのはリスクが高過ぎる。残念だが、作業はここまでで諦め、一時撤退する事にした。

 この作業を継続するなら、コテ先の温度を一定に保てる半田ごてが必要となる。でも、高価格帯の製品なので、自宅周辺のホームセンターなどでは扱っていない。
 オーバーホール作業を止めて他の道を探るか、今後の事も考えて半田ごてを買い直すか...また新たな課題が出来てしまったなー。(滝汗)
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