SSブログ

旅カメラ [カメラ]

 昨年末に10年振りにヨーロッパを旅した時の写真の整理を今頃になって始めた。が、何処を撮ったのかがかなり曖昧になっていることに我ながら唖然。(笑)
ここで感じたこと考えたことを少々書き連ねてみよう。
 
 旅の出発直前まで持って行くカメラを何にするかで随分と悩んだ。
 今回の旅は諸般の事情で直前になって行くことになった為、35mmフィルムの数が足りず買い増す時間も無かったが、何故か2Bはまとまった数が手元にあった。
「うーん...135の足りない分は2Bで補うか」と考え、富士写真フィルムのGA645も併せて持って行くことにした。
# これが結構失敗の元だったりするような気がする...。
因みに、手持ちのフィルムは全てISO100だ。

 35mmカメラの候補は次の三つ。
1つ目はCONTAX RTS3、Distagon21mm、Distagon35mmF1,4、Vario-Sonnar28-85mm。
IMG_0737.JPG

2つ目はLeica R6.2又はR8、Elmarit-R19mm、Summiron-R35mm、Summilux-R50mm又はElmarit-R28mm。
IMG_0735.JPG


3つ目はLeica M6、Elmarit21mmASPH、Summilux35mmASPH、DR-Summicron50mm又はElmarit28mm。21mmはファインダーも必要だ。
IMG_0740.JPG

 今回はクリスマス市の真っ最中に行くので、電飾に彩られた夜景も重要な撮影対象となる。10年前の旅ではISO100だと光量不足で結構難儀したので、フィルム感度を上げないのならF1.4クラスのレンズが最低でも1本は必要と考えた。また、望遠レンズを殆ど使わなかったので、今回は広角を中心にレンズを選んだ。
 全てに19mmや21mm等の超広角が入っているのは、単純に「必要」だから。室内やその場所全体の雰囲気も含めた記憶を残すには最低でも21mm程度の広角が欲しい。その中で何処を切り取って撮影したかを後で見返すことも多い。
 パノラマ撮影のように28mm辺りで数カット重ねて撮るという手もあるが、どの撮影カットも作品であると同時に、自分の大切な記憶でもあるので、単なる記録だけの為にフィルムのコマを使う気にはなれない。

 常に持って運ぶことから、重さを考えればレンジファインダー機の方が良い。レンズも一眼レフ用に比べればずっと軽く、M6とレンズ3本で1.6kgほどしかない。しかし、21mm等の広角レンズは外付けファインダーが要るし、ズームレンズやとっさの撮影時の視野の正確さでは一眼レフの方が確実だ。
 一眼レフは使い勝手の面では文句無いが、重さが気になる。R6.2のセットで2.2kgほど、RTS3のセットは3kg近くにもなる。

 散々考え込んだ挙句、「使い慣れたものが一番」と、CONTAX RTS3のセットを持って行った。拙者自身がメガネをかけているのでM6だと広角は見辛いという冷酷な事実が、重さを押してでも一眼レフを選んだ最大の理由である。ボディをS2bにすれば更に0.5kg軽くなるが、夜景の手持ち撮影にはある程度のカメラ重量が必要と考えた。
 GA645やガイドブック類と共にアルティザン&アーティストの肩がけバッグに収めたので、結果として重量は8kg!!にもなってしまった。GA645が1kg近くあるし、ガイドブックも結構な重さなんだなぁ...500ccのペットボトルや折り畳みの傘も入れたしね。

 重量的なメリットの大きいM6をあえて選ばなかったもう一つの理由は、超広角はファインダーが必要だから。例えば、ホテル室内の全景を収めるには21mmでも足りない位で、大抵暗いからストロボも必要。でも、21mm用ファインダーがシューに陣取ると、ストロボの行き場が無くなってしまう。何かアクセサリーを用意すれば良いけど、出発までには間に合わなかった。フォクトレンダーのR4AかR4Mを購入するという手もあったが、やはり時間が足りなかった。

 現地では常にずっしりと重いバッグを肩に歩き回る羽目になったが、機材の選択という点では間違っていなかったと思う。でも、ヨーロッパ特有の天候による光量不足は如何ともし難く、出来ることならフィルムはISO400のポジを用意したかったが...。

 今回改めて候補に挙げたセットを机上に並べ、とっかえ引き換え手に持ったりしてみた。
 実際に使ってみて感じるのは、レンジファインダー機で頻繁にレンズ交換することは好ましくないということ。増してや、フォクトレンダー機だと視野枠はレンズ交換に連動しないから、手で枠を切り替えるという動作も必要で、煩わしさも感じてしまうかも知れないが、外付けファインダーを使うよりはまだ良いような気がする。このR4Mは最近になって中古で手に入れたもの。旅行の前に入手していたら、ひょっとしたら機材の選択は変わっていたかも知れない。
IMG_0741.JPG

やはり最近になって、R用の21-35mmと35mmF1.4も中古で入手したが、あえて50mmを外してその2本だけという手もあったかなぁ。
IMG_0736.JPG

 基本となるレンズは一本で時折他のレンズを使うというのであれば、レンジファインダー機1台とレンズ数本で十分。街中のスナップ中心ならこれ以上の機材は必要無いかも知れない。
 しかし、限られた時間の中で刻々と変化する風景を意図通りに切り取るとなると、レンズ一本のみではかなり苦しく、ズームが欲しくなる。金に糸目をつけなければ、トリエルマーという解決策もあるが、現実的ではないナ。(^^;)

 ...と、ここまで考えて、改めて10年前の旅行を思い出すと、他の参加者は皆コンパクトカメラだったなぁ。要するに「使う人次第」ということなのかも知れない。
 拙者は一眼レフから写真の趣味へ深く入り込んだので、レンジファインダー機には馴染みが薄い。メガネをかけている都合上、CONTAXのようなアイリリーフの長い一眼レフの方が圧倒的に使い易いから、猶更レンジファインダー機から遠ざかっていたような気もする。だから、(あるのかどうかは甚だ疑問だが)次回行く時には、軽いカメラ機材で行けるよう修行すべきなのかなーと思わないでもない。
 しかし、今回の場合、たった1回だけだがテーブルフォトを撮影する機会があり、こればかりはレンジファインダー機ではどうしようもない。DR-Summicronを使うという手もあるけれど、わざわざそれだけの為に持って行くのもどうかなー?と思う。

 ...と、まぁ、色々と書き連ねて来たけれど、結局は「どう割り切るか」なのかナーと...。(爆)レンジファインダー機で撮れない場合は撮らない、と割り切れば軽い機材で快適な旅となるだろう。どんな場面でも見逃さずに撮影するのなら、たとえ重い機材を運ぶ羽目になるとしてもやはり一眼レフだろう。
 実際、出かける直前まで散々迷ったのはレンズの選択であった。今回の旅行に限れば35mmの一本をメインに時々21mmという組み合わせでほぼ賄えたような気もする。現地では28mmや50mmも随分使ったけれど、絶対に必要だったか?と問われると、案外無くても何とかなったようにも思う。

 デジカメはオークション出品の時にしか使わないので、旅にフィルムカメラは必須。でも、撮影はあくまでも旅の記憶を長く留めるためのもの。突き詰めて考えると「どういう旅をしたいのか?」という点に収斂するようだ...何だ、結局結論出せないぢゃん。(^^;
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

ブルル

カメラには詳しくないのですが、デジタルカメラとフィルムカメラでは
写真の出来栄えが違うのでしょうか?
以前から気になってまして・・・・
by ブルル (2009-05-18 14:31) 

Rifle

デジタルとフィルムは全く別です。車に例えるなら、業務用車(ダンプ・トラック等)と自家用車(普通車)って感じでしょうか。

デジタルは何らかの意図的な処理を前提に撮影するものです。「意図的な」というのは、「撮影者の恣意に依る」という意味では無くて、例えば「和紙に印刷する」とか「プリンタ専用紙に印刷する」などといった、後処理の部分を指しています。ですから、デジタルでは最終的に何が欲しいのかを考えた上で撮影する必要があります。

拙者がフィルムしか使わないのは「保存に最適」だからです。ポジなら光に透かして見れば良いですが、デジタルだと必ず電源が必要だし、機種や時代の流れによってフォーマットすら変わってしまいますから、長期保存(最短でも30年程度)には向かないですネ。
by Rifle (2009-05-18 19:39) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました