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露出計のバラツキ [カメラ]

 今メインで使っているハッセルブラッド503CWは今時の一眼レフなどとは違って露出計内蔵ではないので、単体の露出計を使っている。今手元にある露出計を全て集めてみたら、気が付かないうちに結構な数になっていた。(汗)
手元にある露出計達
大判を使っている頃はペンタックスのデジタルスポットメーターを使っていたが、その後うっかり落として壊してしまい、最近になって中古を買い直した。
最近中古で再び手に入れたPentax DigitalSpotmeter
電源は4LR44で割高なのが難点だが、LR44を4つ重ねれば同じなのでアダプターを自作する人も多いらしい。
 ペンタックスを壊してしまった直後、必要に迫られて中古で買ったのがセコニックのデジスポットL-488だ。
中古で買ったSekonic DIGI-SPOT L-488
慌てて探して、たまたま予算の範囲内だったから手に入れた。電源は単三電池2本。実際に使い始めると、露出表示が「一寸オーバー気味なんじゃない?」と感じる時がままあったが、そのまま使っていた。これをメインで使っていた期間は少なくて、半年ほどして中古で手に入れたのがミノルタのフラッシュメーターⅥだ。
中古で入手した「MINOLTA FLASHMETER VI
電源は単三電池一本と安上がり。これを手に入れた理由は単純で「スポットメーターと入射式露出計の2つを持つのは面倒だから」である。ちなみに、この露出計は現在ケンコーで継続して販売されている。



 じゃぁ、何故わざわざペンタックスを再び手に入れたのか?それは「やっぱり使い難い」から。
 露出計を使うのは撮影会が殆どで、撮影会では日差しや雨を避ける為に帽子を被っている。ミノルタはスポット測光ファインダーの上に入射光用の受光球があって、ファインダーを覗くと球の部分が帽子に当たって脱げてしまうことが多いのだ。ミノルタ歴代の露出計の中では最も縦長なので仕方ない。だから横にして帽子に当てないようにして覗いていた。
 それに、コストダウンの為か前モデルのフラッシュメーターⅤにはあったバックライトや絞り優先モードが無くなってしまい、シャッター速度を選んで絞りの細かい目盛りを指す指針を読まねばならない。
フラッシュメーターⅥの画面は見辛い
老眼が進みつつある眼にとって、夕方なぞに小さな数字が並ぶ画面表示は少々厳しい。被写界深度を鑑みて絞りを決めてから露出を測る拙者には使い難く感じていた。
 一寸した事だけど、8年ほど使い続けるうちに段々と嫌になってきたので、わざわざペンタックスの中古を手に入れたのである。

 ペンタックスはファインダー内のEV表示のみで、その値をレンズ鏡胴にある目盛りに移し変えてシャッター速度と絞り値を読み取るようになっている。
ペンタックスデジタルスポットメーターはEV値を本体鏡胴の目盛りで読み取る構造
単純な構造だが、測定した値に対してのシャッター速度または絞り値の幅が直感的に判り易く、使い慣れると手放せなくなる。

 各スポットメーターを同一条件で測光して比べてみた。薄曇りで光量は一定だから、本来なら同じ値を出す筈である。今までメインで使っていたミノルタではEV5と出た。
Minolta Flashmeter6の測光結果
セコニックはEV5.4。
Sekonic DIGI-SPOT L-488の測光結果
ペンタックスはミノルタと同じEV5だ。
Pentax Spotmeterの測光結果
今まで何となくセコニックがオーバー気味だと感じていたが、EVで0.4も違うとほぼ半絞りになるから、感じていたのは間違いではなかったのだ。

 入射式露出計は、一体になっているミノルタの他に2つある。一つはゴッセンの電池式で時計や気温計も付いているデジシックスだ。これも中古で入手した。
中古で買ったGOSSEN Digisix
これは旧モデルで、現在は「デジシックス2」になっている。別売りのクリップオンシューを取り付ければ、カメラのストロボシューに取り付けて使える。
GOSSEN 小型露出計 デジシックス2 DIGISIX2

GOSSEN 小型露出計 デジシックス2 DIGISIX2

  • 出版社/メーカー: ゴッセン
  • メディア: Camera

これを選んだ理由は単純で「小さい」から。(笑)スポットメーターを使うほどではないけれど念の為に持って行く時用である。それに、比較的新しい製品なので、計測誤差も少ないだろうと考えたのである。
 もう一つは、昨年の秋にローライ35クラシックと共に階段を転げ落ちて壊れ、これまた最近アメリカのカメラ店から買ったコダックのコダルックスL(中古)だ。
アメリカのお店から中古で手に入れたコダルックスL
デジシックスは電池(CR2032)が必要なのに対して、コダルックスLはセレン光電池式だから電源は不要。ローライ35シリーズに取り付けて使う積もりで手に入れた。
 序に、入射式も測ってみた。
入射式露出計を比べる
ミノルタ(画像左)はEV8、とゴッセンもEV8・1/3でまぁまぁ許せる範囲だが、コダック(画像中央)は1段オーバーのEV9となった。
コダルックスLは1段オーバーのEV9
更に、光球や平板を外して入射式で測定したら、コダックはEV11、ゴッセンもEV10・2/3で、まぁまぁ許せる範囲に収まった。
DigisixもKodalux Lも同じような値を示した
どうやら、コダックの平版は光の透過量が多いようだ。
 なお、露出関係の本を見ると「平版は本やポスターなどの平面的なものの計測用、光球は人物や商品などの立体的なもの用」と説明されているけれど、アマチュアが使う分には差は感じられない。下手すりゃ出っ張りの無い平板の方が使い易いかも知れない。

 単体の露出計でも個体差が結構あるということが良く分かった。なお、ミノルタとペンタックスが同じ値だったからと言っても、測定値が正しいとは限らない。現状ではどちらが正しいのかは分からないものの、実際に撮影で使った感触ではセコニックだとポジがややアンダー気味の写り具合になるように思うから、やはりペンタックスやミノルタの方が正確なように感じる。
 コダルックスLは、壊れた方は違いを感じることは無かったけれど、今回のテストで入射式で使う際には注意が必要なことが分かった。これから使う時には注意しよう。
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コメント 4

Take-Zee

こんばんは!
まあ、色んな秘密道具がいっぱいですね。

by Take-Zee (2016-02-02 20:16) 

Rifle

Take-Zeeさん
秘密というほどの物ではないですが、「デジタルだから何度も撮り直して露出を調整する」という撮影方法が主流になって、プロカメラマンでも使わなくなっているみたいです。拙者はフィルムしか使わないので今も必需品です。
by Rifle (2016-02-02 20:48) 

tama

私が持ってない露出計ばっかりですね。(^^
露出計はセコニックが2つ、フォクトレンダーが1つあるはずなんですが、一番使いたいフォクトがどこへ行ったか分かりません。
定番のスタジオデラックスをお持ちではないのが意外。
by tama (2016-02-04 00:08) 

Rifle

tamaさん
露出計は小さいと手軽で良いですが、どっかに行っちゃうと分からないんですよねー。Kodaluxもしょっちゅう行方不明になってます。(汗)
風景撮影だとスタデラって使い難いんで、撮影会でも使っている人は見た事が無いです。
by Rifle (2016-02-04 07:54) 

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