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EL発光卓上時計の再修理 [時計]

 2年前に修理したEL発光の置時計は、現在母が枕元に置いて使っているのだが、先日「急に止まっちゃった」と。
止まった卓上時計
「電池無くなった?・・・にしては早いよなー??」
 単一電池の容量は単三電池の6倍弱もある。だから、一寸使ってある電池であっても数年で無くなって動かなくなるとは思えない。

 念の為に電池チェッカーで測ると1.2Vと一寸で、1.5Vから比べれば電圧は確かに落ちている。けれど、消費電流の少ない時計は1V近くまで電圧が落ちても使える事が多い。
# 因みに、JIS規格で使われている終端電圧は0.9Vなのよん。
だから、止まったのは電池のせいではない。「じゃぁ、中を見るとするか。」

 まずは電池ボックスの接点を確認する。正極(プラス)側は問題無さそうだ。
プラス側は問題無し
負極(マイナス)側は・・・あ、錆びてるな。
マイナス側には錆が
NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いて奇麗にする。細い針金なので磨くのが面倒だった。
磨き終わったところ
この状態で電池を入れてみると・・・ありゃ?動くじゃん。(笑)

 しばらく動きを見ていたけれど問題無さそう。「なんだ、接触不良かぃ」と思いながら持ち上げて、母の居る部屋へ持って行こうと歩き出したら「あれ?止まって・・・る??」
 改めてあちこち確認してみるが、勿論おかしな所は無い。「うーん?何だ・・・」一旦電池を外してもう一度入れてみると、また動き出す。
 「ひょっとして・・・?」と思いながらEL発光スイッチを押すと「あ、止まったわ。」EL発光は時計の動作と比べて多くの電流が必要。電池が少し弱っているので、その電流を流そうとすると電圧が落ちてしまい、時計が止まってしまうのだ。
 母は枕元にLEDライトをいつも置いているので、EL発光は必ずしも必要ではない。なので、EL発光スイッチを外す事に。

 電池ボックスを外してネジ2本を外せば裏蓋を外せる。
裏蓋を外したところ
青いスイッチはEL発光用回路のスイッチを直接押す構造になっている。
EL発光スイッチ
回路の配線は時計モジュール内側に入り込んでいる。
EL発光に必要な昇圧回路は赤い部品で支えられている
針を外して時計モジュールを外す。
時計モジュールを外したところ
配線の片側を外せば、EL発光の回路は動かない。
回路配線の片側を外したところ
これでOKだ。

 バラバラの状態だけど、仮に針を取り付け電池を入れて動かしてみる。
 初めの1分半ほどは普通に動いたが、時々秒針が動かなくなる。「動かない」というよりは「動かそうとはするんだけれど力不足で動かない」と言う感じだ。
 5分ほど経ったら、また完全に止まってしまった。時計モジュールの内部がおかしいみたいだ。

 時計モジュールのカバーを外す。
カバーを外したところ
内部はこんな感じ。
モジュール内部
右端にあるコイルに一瞬電流を流して、ギアの下に隠れている小さなギア付き磁石を回転させて秒針を動かす。秒針が動くと他のギアも動いて分針や時針も動く、と言う仕組みだ。
 左上端にあるのは目覚まし用セラミック振動子、そのすぐ右にある細い金属は水晶振動子、その少し右上にある黒いのは汎用トランジスタ2SC2021である。
2SC2021
ギアの部分に注目すると、ギアの左側は問題無いが、
左側は問題無し
右側はグリスまみれで動く時に抵抗になっていそうな感じがする。
右側はグリスまみれ
ギアの部分を分解したいのだが、特殊なネジが使われてて外す事が出来ない。
小さな特殊なネジ

ネジ頭が特殊な形状
仕方ないので、エレクトロニッククリーナーを吹き付けてグリスを洗浄した。
# 樹脂部品にパーツクリーナーは使えないのよ。

 作業が終わったら元通り組み立てる。前面のパネルをはめて
前面のパネルをはめるところ
針を取り付けて
針を取り付けたところ
改めて電池ボックスをグルーガン(ホットメルト)で固定する。
電池ボックスを固定したところ
これで完成である。
完成した時計
念の為に一時間半ほど動きを確認したが、問題無し。これで修理完了である。

 ギアの部分は分解できなかったけれど、何とか使える状態になった。目出度しメデタシ、である。
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ぼんぼちぼちぼち

原因究明、そして修理してしまわれるなんて、すごいでやす!尊敬でやす!
by ぼんぼちぼちぼち (2024-04-27 12:07) 

Rifle

ぼんぼちぼちぼちさん
今回の様に単純な回路構成ならまだ何とかできます。
これが、ギターアンプのような複数回路の集合体だと苦しむんですよねー。(汗)
by Rifle (2024-04-27 17:57) 

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