治療不可:日置のアナログ・テスタ [電子回路]
先日、親戚から「もう使う人が居ないから」と、アナログのテスタを戴いたが、普段はデジタルメータを使っているのでそのままになっていた。
友人から預かっているカーラジオに電源を接続していよいよ回路の動作をチェックする段階まで来て、「デジタルだと測定値がやたらと動いて判定し辛い場合があるかも知れないから、アナログ・テスタも使える方が良いな...そういえば先日貰ったのがあるじゃん」と、出してきた。日置電機株式会社の「ハイテスタ3030」というモデルである。
かなり古いモデルで、長期間使われないままだったらしい。ちなみに、このモデルの後継機種「3030-10」は現在も販売されている。
動作を確認する為に、まず乾電池の電圧を計ってみる。だいぶ使ってある電池なので、電圧は2.54Vしかない。
あれ?12Vレンジだと0.5V程度という変な値を指すではないか。「おかしいな?」と思いながら、3Vレンジで測定する。
今度は0.1V程度と、これまた訳の判らない値である。「こりゃおかしいぞ!?」早速分解して調べる。
まず、携帯用ケースからテスタを取り出す。すると、何やら怪しげな結晶があるではないか。
「何だコレ?...ゲッ、まさか電池の液漏れが乾いて出来た結晶では...??」
テスターの裏側を見ると、そちらにもこびり付いている。
「こりゃぁ、外に漏れるほど激しく液漏れしたって事?」悪い予感がする。(汗)
テスタの裏側には蓋の止め具があり、ドライバー無しで簡単に開けられる。
出荷検査済のシールの日付からすると、既に23年ほど経っている。
恐る恐る裏蓋を開けて見ると...ウウウォォォォーーー!!!凄い状態になっている。
電池から漏れた電解液で、基板のレジスト膜(緑色の部分)が全体的に浮いたり剥がれたりしてしまっている。これほど酷い液漏れ腐食は見た事が無い。電池のマイナス極の部分は特に激しく、結晶がびっしり。
電池は見るも無残な状態、しかも全体が柔らかくなっていて、取り出そうとすると折れちゃいそうな程だった。
いやぁ、液漏れが激しいと電池本体もフワフワになっちゃうのねー。もっと凄いのは、回路を保護するヒューズだ。本来なら、ヒューズの中は細い金属線が一本あるだけだ。
ところが、漏れた電解液がヒューズ両側の金属キャップを溶かしちゃって内部に入り、それが乾燥して出来た結晶で埋まっている。それにしても凄いわ、コレ。(絶句)
メータが基板に直接ハンダ付けされているので、それを取り外すと基板が外れた。
部品面を見ると全面に電解液が乾いて出来た結晶が付いていて、特に電池に近い部分は基板内部に滲み込んで黒く変色している。
どの部品も大丈夫そうに見えるが、セラミックコンデンサ(左上にある黄色の丸い部品)は一寸触っただけで黄色の樹脂がボロボロと落ちてくる。電解液に覆われたと思われる黒い部分にある抵抗も、触るとカラーコードが簡単に剥げてしまう。こんな状態ではとてもじゃないけど、実用には耐えられないだろう。
基板を触ってみると、本来固い筈なのに柔らかくて最中のよう。
こんな状態ではとてもじゃないけど使えないナ。
基板のパターン面にあるスイッチを取り外すと、レジスト膜が全部剥がれ落ちていた。
なるほど、これならレンジを切り替えても値が変わらない筈だ。
テスタ内部全体が腐食してしまっているので、残念だが修理せず廃棄する事にした。それにしても電解液の破壊力は凄まじいなぁ。(唖然)
友人から預かっているカーラジオに電源を接続していよいよ回路の動作をチェックする段階まで来て、「デジタルだと測定値がやたらと動いて判定し辛い場合があるかも知れないから、アナログ・テスタも使える方が良いな...そういえば先日貰ったのがあるじゃん」と、出してきた。日置電機株式会社の「ハイテスタ3030」というモデルである。
かなり古いモデルで、長期間使われないままだったらしい。ちなみに、このモデルの後継機種「3030-10」は現在も販売されている。
動作を確認する為に、まず乾電池の電圧を計ってみる。だいぶ使ってある電池なので、電圧は2.54Vしかない。
あれ?12Vレンジだと0.5V程度という変な値を指すではないか。「おかしいな?」と思いながら、3Vレンジで測定する。
今度は0.1V程度と、これまた訳の判らない値である。「こりゃおかしいぞ!?」早速分解して調べる。
まず、携帯用ケースからテスタを取り出す。すると、何やら怪しげな結晶があるではないか。
「何だコレ?...ゲッ、まさか電池の液漏れが乾いて出来た結晶では...??」
テスターの裏側を見ると、そちらにもこびり付いている。
「こりゃぁ、外に漏れるほど激しく液漏れしたって事?」悪い予感がする。(汗)
テスタの裏側には蓋の止め具があり、ドライバー無しで簡単に開けられる。
出荷検査済のシールの日付からすると、既に23年ほど経っている。
恐る恐る裏蓋を開けて見ると...ウウウォォォォーーー!!!凄い状態になっている。
電池から漏れた電解液で、基板のレジスト膜(緑色の部分)が全体的に浮いたり剥がれたりしてしまっている。これほど酷い液漏れ腐食は見た事が無い。電池のマイナス極の部分は特に激しく、結晶がびっしり。
電池は見るも無残な状態、しかも全体が柔らかくなっていて、取り出そうとすると折れちゃいそうな程だった。
いやぁ、液漏れが激しいと電池本体もフワフワになっちゃうのねー。もっと凄いのは、回路を保護するヒューズだ。本来なら、ヒューズの中は細い金属線が一本あるだけだ。
ところが、漏れた電解液がヒューズ両側の金属キャップを溶かしちゃって内部に入り、それが乾燥して出来た結晶で埋まっている。それにしても凄いわ、コレ。(絶句)
メータが基板に直接ハンダ付けされているので、それを取り外すと基板が外れた。
部品面を見ると全面に電解液が乾いて出来た結晶が付いていて、特に電池に近い部分は基板内部に滲み込んで黒く変色している。
どの部品も大丈夫そうに見えるが、セラミックコンデンサ(左上にある黄色の丸い部品)は一寸触っただけで黄色の樹脂がボロボロと落ちてくる。電解液に覆われたと思われる黒い部分にある抵抗も、触るとカラーコードが簡単に剥げてしまう。こんな状態ではとてもじゃないけど、実用には耐えられないだろう。
基板を触ってみると、本来固い筈なのに柔らかくて最中のよう。
こんな状態ではとてもじゃないけど使えないナ。
基板のパターン面にあるスイッチを取り外すと、レジスト膜が全部剥がれ落ちていた。
なるほど、これならレンジを切り替えても値が変わらない筈だ。
テスタ内部全体が腐食してしまっているので、残念だが修理せず廃棄する事にした。それにしても電解液の破壊力は凄まじいなぁ。(唖然)
SANWAのアナログテスター、うちにもあるはずなんですが、ただいま行方不明。
そのSANWAには、ナショナルの赤いマンガン乾電池が入っていました。そして日付を書いた紙が挟んであったのですが、20年近く昔のもので、それは父(故人)の筆跡でした。
20年近く、よくぞ液漏れもせずに働いてくれたなぁと驚いたものです。
以来、乾電池はナショナル(いまはパナ)と決めています。数あるメーカーの中で、もっとも液漏れしにくいと思います。
by たま (2014-03-23 19:11)
たま さん
パナは防止シートを入れているので、確かに液漏れする事は少ないですね。
でも、電池は個体差が非常に大きく、液漏れの有る無しは博打みたいなもんです。
by Rifle (2014-03-23 21:37)
これは重症のようですね。
わたくしもテスター持っていたのですが
どこに行ったのかな?
by Take-Zee (2014-03-26 19:52)
Take-Zee さん
もう、どうしようもないという感じでした。
アナログのテスターを使う場面は大幅に減りましたが、無いと困る事もあるので、やっぱりもう一台欲しいです。
by Rifle (2014-03-26 20:42)