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セロー225WEのリアハブベアリング交換 [バイク]

 前回までの作業で積み残しとなっていたリアのゴロゴロ感だが、今すぐ壊れる訳ではないものの、どーにも気になる。住宅街の路地などを30km/h以下で走っている分には何も感じないけれど、40km/h以上の一定速度で淡々と進む場面などでは「ゴロゴロゴロゴロゴロ...」という振動がシートからたっぷり伝わってくるので、とっても嬉しくない。(汗)

 セローにはフロントに2つ、リアはチェーン側に2つとブレーキ側に1つの計3つ、合計5つのベアリングが使われている。今気になっているのはリアのみだが、恐らくはフロントも同様に怪しい状態であろう事は容易に推測できるので、フロントの分も用意する事にした。純正品のベアリングは高いので、ネット上に多数事例の出ているNTN製をネット上で取り寄せた。
取り寄せたNTNのベアリング
気になるお値段は純正品の半額以下、送料540円を含めても純正品5個を買うより安上がりだ。

 ハブからベアリングを引っこ抜くのには通常「ベアリングプーラー」というSST(特殊整備工具:Special Service Tool)を利用するのだが、まともなものは1万円近くと高額。一生のうちに使う回数はせいぜい数回程度だろうから、それだけの為に1万円を使うのは一寸勿体無いような気がする。そこで、これまたネット上に沢山事例が出ている「コンクリートアンカー」を利用する事にした。
 拙者の知る範囲ではコンクリートアンカーは「オールアンカー」「グリップアンカー」「アンカーボルト」「打ち込み式アンカー」と呼ばれている物と、「ボルトアンカー」の2種類ある。オールアンカーはハンマーなどで叩き込むので一回限りなのに対し、ボルトアンカーはねじ込む形式なので緩めれば何度でも使える。
 しかし、このボルトアンカーが自宅周辺のホームセンターには何故か置いていない。1つ100円程度だから、ネット上で取り寄せると送料が高くついてしまう。「うーん、どうしようかなー」と迷っていた。
 先日子供が「友達と一緒に行ったホームセンターにもう一度行きたい」というので車で「ホームプラザナフコ犬山店」に出かけ、店内を見ていたらボルトアンカーが置いてある!ではないか。でも、ベアリングの内径を測ってないのでどれを買って良いのか分からず、その時は買わずに帰宅して後日出かけた序に再度足を運んだ。
ホームプラザナフコ 犬山店
そして、お目当てのボルトアンカー(15mmΦ)を購入。
購入した15mm径のボルトアンカー
ちなみに、気になるお値段は77円だった。

 必要な物が揃ったが、作業を始める前にベアリングを冷凍庫に放り込んで1時間以上放置しておく。
ベアリングを事前に冷凍庫で冷やしておく
こうすれば僅かながらも全体に縮んで入れ易くなる筈。ネット上ではベアリングを打ち込む直前にハブをバーナーで軽く炙るという事例が多いが、自宅にバーナーは無いので、冷凍庫を使ったという訳だ。
 力造製アンダーガードを外してバイクスタンドで持ち上げ、フロントスプロケットを外してからリアアクスルナットを緩めてチェーンを外せば、リアタイヤが外せる。
セロー225WEのリアタイヤを外す
外す時にアクセルシャフトを引き抜いたら、サラサラの油分が滴っていて、あちこち錆びている。ワイヤーブラシとサンドペーパーで軽く擦って綺麗にしてからグリスを薄く塗っておく。
セロー225WEから引き抜いたアクセルシャフトは一部錆びている
前所有者はCRC-556でも吹き付けていたのだろうか?
 どちらのベアリングから外すのが正しいのか分からないので、ベアリングが一つしかないブレーキ側を外す事にする。
外したリアタイヤはマットの上に載せる
傷が付かないように、廃棄予定のお風呂マットを下に敷いておいた。
 ピッキングツールでオイルシールを外し、ボルトアンカーを差し込んでボルトをねじ込むと、アンカー先端が広がってベアリングの内側に固定される。
ハブベアリングにボルトアンカーをセットする
ボルトをねじ込むのには相当な力が必要で、一寸大変だ。ねじ込んだら反対のギア側から細長い棒を使って叩き出せば良いのだが、生憎良さそうな棒が無い。試しに部屋から出してきたアルミの細い棒ではビクともしなかった。
細いアルミ棒ではハブベアリングを打ち抜けない
仕方ないので、好ましく無いとは思うがアクセルシャフトそのものを使ってベアリングを叩き出した。すると、アンカーだけ抜けてしまい、肝心要のベアリングが抜けてこない。(汗)ボルトの締め込み方が足りないだけでなく、アンカーの引っかかり具合にも大きく左右されるみたいで、5回やり直してようやく外せた。
ハブからベアリングを外す
1.5kgのハンマーで数回叩くだけで抜けて来た。「うまくやれば、大した作業じゃないやん」と少々拍子抜け。(笑)同じようにしてギア側2つも外した。
セロー225WEのリアホイールから外したベアリング達
ギア側の外側になるベアリング(画像右)はシール部分が傷んでいたものの、ガタは無くて動きもスムーズ、その内側も同じ。
セロー225WEのリアホイールのギア側から外したベアリング
ところが、ブレーキ側は手で回すと「ゴロゴロ」とかなり違和感のある回り方をする。
セロー225WEのリアホイールのブレーキ側から外したベアリング
どうやら、このベアリングが振動の原因だったようだ。
 外したベアリングには全て「KOYO」の刻印が入っていた。豊田工機株式会社と合併し株式会社ジェイテクトとなる前の光洋精工株式会社製である。ジェイテクトになったのは2006年で、このセローは2000年モデルだから、多分今まで一度も交換されていなかったのだろう。
 外したハブの内側を見たが、アブレージョン(ざらつき摩耗)などは起こしていないようで、一安心。
セロー225WEから外したリアホイールのハブ穴は摩耗していない
冷凍庫でしっかり冷やしたベアリングの外周とハブの内側に薄くグリスを塗ってから、新しいベアリングを叩き込む。ベアリングの内側を叩くとベアリングを痛めてしまうので、ベアリング外周を叩くようにしなければならないのだが、適当な工具が無いので、これまた望ましくないとは思うがフロントスプロケットを使って叩き込む。(汗)
リアホイールのハブにベアリングを叩き込む
深く叩き込む為に、古いベアリングを挟んで更に叩き込んだ。すると、叩いた時の音が「カンッ」と高くなるので、そこで叩くのを止める。
オイルシールは綺麗だったので今回は交換せず、そのままベアリングの上に叩き込んだ。
ハブベアリングの上にオイルシールを叩き込む
反対側のギア側へ叩き込む前に、カラーを入れておく。
ベアリングを叩き込む前にカラーを入れておく
後は2つのベアリングを同じように叩き込む。但し、カラーを両側のベアリングが押し付けるような状態になるとスムーズに回らず大きな抵抗となってしまうので、程々に叩き込む。この辺は見ながら慎重に作業すれば大丈夫...とは言うものの、慎重になり過ぎてベアリングの叩き込みが足りず、スイングアームに取り付けようとして入らず、また少し叩き込みをしてから取り付けようとして...というのを3回繰り返した。(汗)
 何とか取り付けられる状態になり、改めてホイールに嵌める両側のカラーを見ると、内側が錆びていた。
ホイールカラーの内側が錆びている
こちらもサンドペーパーで軽く擦ってからグリスを塗っておいた。
 組み立てる際、ブレーキ本体と噛み合うスイングアーム側の部分の表面が荒れていたので、ワイヤーブラシで綺麗にしてからグリスを塗る。
リアブレーキのサポート部にもグリースを塗っておく
そして、元通り組み立てれば作業は完了である。

 早速テスト走行で20kmほど走った。シートからは不快な振動は一切感じられず、リアタイヤの存在を意識する事が無くなったのでメデタシメデタシ...なのだが、今度はフロントタイヤからハンドルに伝わる「ゴロゴロゴロ...」というのが気になって来た。今までリアからの振動が大きくて気にならなかったのだが、リアがスムーズになったら今度はフロントからの振動が目立つようになったのだ。一難去ってまた一難...って感じだなぁ。(笑)
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ブルル

冷凍庫で冷やす!てのもありなんですね!!
私はホームセンターで売っている使い捨てトーチで
ひたすら炙ってましたw
by ブルル (2015-05-01 23:05) 

Rifle

ブルルさん
今まで知りませんでしたが、使い捨てトーチなんてあるんですね。
冷凍庫で冷やしたら打ち込む直前に出して来ないと意味が無いので、かなり慌てます。(笑)

by Rifle (2015-05-02 07:00) 

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