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旅とカメラ(その2:ローライフレックス2.8Fと2.8C、そしてローライコード) [カメラ]

(前回からの続き)

 前回はフィルムの使い分けだったけれど、今回はローライフレックス2.8シリーズの話である。

 撮影会以外では、殆どの場合ローライフレックス2.8F(以下、2.8F)を使っている。その理由は、
  1. 電池不要。(これ、とっても重要)
  2. レンズ交換できないので余計な事を考えない。(これも重要)
  3. 中判カメラなのに軽量コンパクト。
  4. 出来の悪さをカメラのせいにできない。(これも重要...^^;
  5. 使い慣れている。
といったところである。
 富士のGF670も非常に良いカメラだけど、電子シャッターだから電池が切れるとお手上げ。電池はCR2で国内ならどこでも手に入るものの、撮影中に切れた場合を考えると常に予備を持たないと不安だ。それに、我が家の機材の中でCR2を使うのはこのカメラだけというのも、持ち出す頻度を下げている理由の一つでもある。
 以前使っていたMakina67は未だに人気が高く中古でも値落ちしないところを見ると、拙者と同じような考えを持つ人が案外多いのでは?とも思う。

 ただ、2.8Fにも欠点はある。ピントの部から飛び出している露出メータだ。
2.8Fは露出メータが飛び出している
ノブから8mmほど出ているだけなのだが、これが曲者なのである。
メータは8㎜ほどはみ出ている
メータ本体は薄い樹脂製なので、衝撃にとても弱い。一寸ぶつけるだけでも簡単に割れてしまったりする。だから、段ボールの蓋などを作って保護する必要がある。
メータは段ボールなどでカバーして保護する
ちなみに、この段ボールは、オーバーホールした際に修理屋さんが付けてくれた物。ローライフレックスを多く扱った経験のあるカメラ店は、2.8Fや3.8Fを購入した客にはカバーを付けて渡す事も多いらしい。
 実は、一番初めに購入した2.8Fは足場の不安定な山道でよろけた際にメータを岩肌にぶつけて割ってしまい、部品が無くて修理に苦労したという苦い思い出がある。幸い、この時は半年ほど経った頃に米国のカメラ屋で修理部品を見つけ、何とか直せた。もう20年以上前の話だ。だから、バッグに仕舞う時もカバーを付けてから入れている。
メーターカバーを付けてからバッグに入れている
このカバーが微妙に幅を増やす為、デジタル化で年々小さくなって行くカメラバッグにはかなり厳しい。今でも人気の高い2.8Fだが、いざ使うとなると案外気を遣うというのも事実である。

 ちなみに、ローライフレックス2.8シリーズでメータがあるのは2.8Eと2.8Fだけで、それ以前のモデルには無い。
 2.8Cは、レンズは2.8Fと同じプラナー80mmだが露出計は無く、絞り羽根が2.8Fの5枚に対して10枚、という点が大きく違う。また、市場価格は2.8Fのほぼ半分なので、レンズ目当てであえて2.8Cを狙う人も結構居るらしく、ネット上でもそういった事を書いている記事を見かけたりする。
 2.8Cには露出計が無いので単体露出計が要るけれど、2.8Fでも露出計を持って行くから拙者の場合違いは無い。絞りも、2.8Fは撮影範囲に点状の光源があると五角形になってかなり気になるらしいけれど、そういう状況で撮影した経験が無いので気にしたことが無い。だから、拙者のような使い方だと2.8Cでも2.8Fでも大差無い。

 少し前に入手したローライフレックス2.8C(画像右:以下、2.8C)と比べて見ると、2.8Cは幾分スッキリしている。
ローライフレックス2.8Fと2.8C
メータが無いから、2.8C(画像左)には勿論飛び出しが無い。
2.8C(左)と2.8F
これなら撮影時もカメラバッグに仕舞う時も気にせずに済みそうだ。

 ただ、バイク移動の場合はもう一寸考える必要がある。
 幾らローライフレックスが中判カメラの中でも軽いとは言っても1.2kgほどあるので、ウエストバッグに入れると結構ズッシリという感じになる。ちなみに、GF670も1kgほどの重さだから、ほぼ同じだ。
  2.8Cも2.8Fもレンズフードは必須だから、サイズとしては結構大きくなる。収納時のサイズはGF670の方が圧倒的に小さいけれど、レンズフードを取り付けたままでは折り畳めず、カメラ本体とは別に入れる場所も必要となると、ローライフレックスと差が余り無い。中判カメラは小型軽量なデジタル一眼レフと違って、何かと大きくなりがちなんだよねー。
 フィルムの種類を一つに絞ればカメラも一台で良いので、実用上は問題無い。けれど、丸一日走り回ることを考えると1kg前後の重量は結構堪えそうな気もする。この辺は実際にやってみないと判らない。
 「...そういえば、ローライコードならもう一寸軽いよなぁ...」なんて考え出したら妄想が止まらなくなってしまった。(汗)

 ローライコードもモデルによって色々な違いがある。実用を考えると、内部の乱反射を押さえた4型かそれ以降を選ぶというのが一般的な考え方らしい。
 でも、拙者はテッサー(レンズ構成は4枚)よりもトリオター(レンズ構成は3枚)の方が何となく好きだ。拙者の頭が単細胞だから単純な構造が好きという面もあるし、設計年度が新しいテッサーの方が性能は上なのだろうけれど、光学レンズ1枚と言えどもある程度の劣化は避けられない筈なのでテッサーには何となく抵抗を感じるのだ。
 レンズがトリオターのモデルは3型かそれ以前となるけれど、3型以外はフィルム装填が赤窓式で一寸面倒となる。
 3型には内部反射を抑える加工は無いけれど、今は植毛紙が簡単に手に入るから、いざとなれば自分で加工すれば良い。重量も830gしかないし、バヨネットも1番だからレンズフードやフィルター類も安価な国産用を流用できる...そう考えると、俄然気になって来てあちこち探し出した。

 が、そう簡単には問屋が卸さない。3型の生産時期は1950年から1953年、既に65年かそれ以上経っているので、実用になりそうな個体が残っていないのである。
 海外に目を移すと程度の良さそうな物は結構あるものの、送料を考えるとかなり割高になってしまう。機材を増やしたくは無いけれど、実際に使ってみないと何とも言えないし...自分の中でもまだ結論を出せていない。ネット上を漁っても欲しくなるような個体が出て来ないのは、かえって良いのかも知れない。(汗)

 頭の中では妄想が妄想を呼び、あちこちに飛び火してどんどん拡がってしまうけれど、幾ら考えてもまともな答えには辿り着けない。フィルムカメラは、実際に使ってみないと判らない部分が非常に多いのだ。だからこそ、あっちもこっちも...と機材が増えてしまったりするのである。
 一旦機材を整理した筈のに、また何だかんだと理由を付けてカメラを増やそうとしている自分に呆れてしまうけれど、こうなっちゃうと殆ど「病気」だね、ホントに。(滝汗)

(完)
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みうさぎ

これってぇ上からのぞくタイプ?
ええっ古過ぎるからっ違うわよねぇ(-"-)

by みうさぎ (2018-03-07 22:59) 

Rifle

みうさぎさん
そうそう、上から覗くタイプの「二眼レフ」です。
ローライフレックス2.8Cは製造が1950年頃、
2.8Fは1970年頃と「古い」カメラです。(^^;)

by Rifle (2018-03-07 23:35) 

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