BOSEのパワーアンプMODEL1702の修理（その６：まさかの修理不能！？）

（前回からの続き）

　間が開いてしまったけれど、電源が入らなくなってしまったBOSE1702の修理作業を続ける。

配線をテスターで探って行くと、電源スイッチへの配線（中央のオレンジの線）が内部で断線していると判った。

早速配線をやり直したら、無事電源が入った。が、音は何も出ない。しかも、電源を入れると1秒程で「カチッ」というリレーの音がする筈なのに、いくら待っても無音のままだ。「リレーが動作しないという事は、何らかの理由でリレー駆動回路が動いてないんだな。」

　とりあえず、電源の配線から順にテスターを当てて行くと、「ん？何で7V弱しか出てないんだ？？」

電源トランスの規格は26.3Vが2回路分、両端で55V弱の電圧が出る筈だからおかしい。しかも、トランスから「ジーっ」という音がして、どんどん熱くなってくる。「こりゃ絶対におかしいっ！」直ぐに電源を切る。
　「トランスが原因？でも、考え難いなぁ。」

念の為に、基板から配線を切り離してトランス単体にし、2次側センタータップから両端の電圧を測る。

負荷を接続していないので電圧は1.4V位高めに出ているけれど、どちらも正常な値だ。トランスは悪くない。

　次は、整流を受け持つダイオードブリッジS4VB20を調べる。「ん？何でこんな値に？？」

異常に抵抗値が低い。ハンダを吸い取って基板から外し、改めてテスターを当てるが、どこも悪くない。念の為に、部品箱に在った同じ種類のS10VB20と比べて見る。

やっぱり、何処を測ってもほぼ同じ。だから、このダイオードブリッジも悪くない。

　その次に繋がるのは、平滑用の大容量電解コンデンサ。こちらも取り外して調べる。

問題無いと思ったが、2つ目のコンデンサで極性を逆にして計測すると「エッ！？、ショートしてる？？」

一瞬焦ったが、しばらくすると抵抗値が徐々に上がって行く。直前の計測で電荷が貯まっていたからだろう。自作簡易ESR測定器で調べるが、抵抗値は低いので問題は無い。

念の為に、その電解コンデンサを外した状態で電源を入れて様子を見た。

やはり電源トランスが唸って熱くなる。だから、電解コンデンサも悪くない。

　「一体どこが悪いんだ...？」実体配線から書き起こした回路図を見ると、電解コンデンサの先はパワーモジュールSTK084Gとリレー回路の抵抗220Ω、それにイコライザ回路が繋がっている。念の為に、基板上にあるヒューズを外してイコライザ回路も切り離してから電源を入れてみたが、結果は同じだった。
　直流に整流された後の電圧は約35Vだから、リレー回路の抵抗に流れる電流は160mA程度。トランスが発熱するほどの電流ではない。

　このSTK084Gはセカンドソース品だけど新品。しかし、それが大電流を喰ってるとしか考えられない。
　トランスの規格は26.3V 63.1VAだから出力電流は約2.4Aだが、このモジュールにはそれを大幅に超える電流が流れ込んでいる為に、電源トランスが発熱してしまうという事になる。要するに「モジュールが壊れている」としか考えられない。
　しかも、電源トランスの一次側（100V側）には1.5Aのヒューズが入っているので、それが飛ばない程度の大電流、という事になる。
# 電源トランスの規格から逆算すると100Vで約0.65Aとなる。

　肝心要のモジュールが壊れていては、完全に「お手上げ！」である。参ったなぁ...。

（続く...のか？？）

タグ：パワーアンプ 1702 BOSE ボーズ

コメント 3

おはようございます～
モジュールが壊れて・・・いる？
これは～これは～
大変な事態になってますかいな？
続きが楽しみ？ですが～さてさて～
どうなる？
($・・)/~~~

by みうさぎ (2019-05-15 07:59) 

よく分りませんが、この壮大な大河ドラマも、
ついに終盤にさしかかっているのかしら(ﾟﾛﾟ;)
次回に大逆転があることを期待します(^o^)丿
by middrinn (2019-05-15 08:59) 

みうさぎさん
まさかの新品モジュールが不良！というのは参りました。＼(__;)
モジュールはロット単位の一括生産が普通で、同一ロットだと不良品の確率が高く、再発注は躊躇っちゃいます。
でも、そうなるとどうやって修理すんの？って...難しいですわ。(--;)

middrinnさん
完全に行き詰ってますが、このまま終焉じゃ面白くないし何とかしたい！でも、妙案が浮かばないんですよねぇ。（汗）
by Rifle (2019-05-15 09:34)