やっちまったぁ!(その1:ローライフレックス2.8B) [カメラ]
ローライコード3を購入してしばらくは、主にローライフレックス2.8Fをモノクロ、ローライコード3をカラーポジで使っていた。
その後、ハッセルブラッドのレンズ修理でまとまったお金が必要になってしまい、泣く泣くローライフレックス2.8Fなどを一気に手放した。しかし、ローライコード3だけで撮影に出ると「あっ、ここモノクロで撮りたい!」と思ってもフィルムを使い切るまでは変えられず、残念に思う事が度々あった。
「じゃぁ、ハッセルブラッドも持って行けば良いじゃん」と言われてしまいそうだが、
# いや...その...まぁ、その通りですけど...。A(^^;)
中判一眼レフのハッセルブラッド503CWは大きくて重たいのだ。
スナップ撮影で使っているエツミの小さな肩掛けカメラバッグだと、503CWの一台で一杯になってしまう。LoweProのバッグなら両方収まるけれど、このバッグはスナップ撮影に持ち出すには大き過ぎるし、2台入れるとかなりの重さになるので、歩き回るような場所だと撮影意欲が薄れてしまう(?)という問題もある。
更に付け加えると、1/30秒前後のシャッター速度を良く使うのだけれど、503CWはシャッターショックが大きいので三脚が必要となる。でも、気軽なスナップ撮影にわざわざ大きな三脚を持ち歩きたくない。
# 我儘な奴だなー。(^^;)>
「やっぱりローライフレックス2.8Fを手放したのは失敗だったかなぁ」と考えていたら、別途紹介予定の富士GS645Professional(以下、GS645)が中古で出てきたのを見つけ、「これなら!」と購入した。「フォーマットは一寸違うけれど、フィルムはブローニーだし、これでモノクロとカラーポジの両方を一度に使える」とホッとしたのだった。
信州へ行った際、ローライコード3とコンタックスT2に加えて、動作確認テストも兼ねてGS645も持って行った。
いざ実際の撮影となると、フォーマットが違うカメラを同時に使うのはかなり難しいという事を改めて思い知らされた。
「使うフィルムが共通だから良いだろう」と思っていたのだけれど、ローライコード3の真四角構図の位置からGS645の3:4の長方形構図で撮影しようとしても上手く行かない。後ろに戻ったり横にずれたり前に少し進んだりして構図を作り直すというのを撮影の度に繰り返す事になった。
お陰で時間がかかる割には撮影枚数が少なく、日が暮れて寒く真っ暗な中を歩いて帰るという嬉しくない状態に陥ってしまった。帰り道、以前に三輪薫先生に言われた「少しイージーになってないか?」という言葉が頭の中を駆け回る。「やっぱりフォーマットは一つに絞るべきか」と、改めて感じた。
だから、という訳ではないのだけれど、GS645を手に入れて1週間も経たないうちに「訳アリ」ローライフレックス2.8Bがかなり安い金額でオークションに出てきたのを見つけてしまった。「訳アリ」の理由は、「シャッター速度Bの動作が緩慢で、時々動かない」というもので、致命傷ではない。外観はかなり傷んでいるけれど、動作に支障は無い。
「GS645を手に入れたばかりだしなぁ」「けれど、これを逃したら一生手に入らないかも」「でもぉ、いくら安いと言っても、10円20円という単位じゃないしなー」「買わずに後悔する位なら、買って後悔しろって言うし」等々、悶々としていた。オークション終了当日、「どうせ、安い金額では落とせんでしょ」といい加減な金額を入力して入札しておいた。
翌日「高値で抜かれて終わったんだろうなー」なんて思いながらパソコンの前に座ったら、「おめでとうございます。あなたが落札しました」というメールが。「はぁ?何の話???」と思って中身を読んだら「ウッソーぉ!落札しちゃったーぁ?!\(^^;)/」(笑)そんな訳で、拙者の手元にやって来たのである。
ちなみに、社外フードは別途購入した物。正面から見ると、こんな感じ。
ヴューレンズはHeidosmat(ハイドスマート)80mm/F2.8で、これはRolleiflex2.8シリーズ共通。
テイクレンズは、「あの」Biometar(ビオメター、またはビオメタール)80mm/F2.8、
Carl Zeiss Jena(カール・ツアイス・イエナ)製である。
ビオメターのローライフレックスは米国向けで生産台数がとても少なく、国内では滅多に見かけない。そのせいか、レンズ評は伝説めいたというか、先入観たっぷりという物ばかりで、まともな講評を読んだ記憶が無い。でも、そのお陰で「こりゃ、一度自分で使ってみないと」と物欲を煽り立てられたのである。
ボディ右側はフィルムカンターと巻き上げクランクがある。
背面には露出の表がある。
ドイツ製だが、米国向け機種なので、表示は全て英語。フィルム感度がISO100(ASA21:上側)とISO50(ASA18:下側)なのが、時代を感じさせる。
左側はピント調節ノブと、スプール固定ノブ2個がある。
上から見る。この時代はまだ社名バッジは無い。
ローライ関係の情報の総本山(?)Rolleiclub.comによると、シリアル番号1260232は「Model K7B(type2)」、1953年の製造らしい。
拙者より10年以上年上である。左側の「DBP」は「Deutsches Bundes Patent」(ドイツ連邦特許)、右側のDBGMは「Deutsches Bundes-Gebrauchsmuster」(ドイツ連邦実用新案)の略。
底面は三脚用のネジ穴、裏蓋の留め金具がある。
ネジ穴は大ネジ用だが、この画像では小ネジ用アダプターが入った状態になっている。
シャッターは前面右下で、シャッターロックは金具でシャッターを物理的に固定する形式。
原始的な構造だけど、最も確実な方法でもある。
ヴューレンズ右側に、ストロボの接点切替がある。
現在は標準化されているX接点を使うが、昔はフラッシュバルブも普通に使われていたのでM接点がある。
M接点はシャッター全開から20mSec遅れて接点が導通するようになっているのだが、これはフラッシュバルブが通電してから20mSec後に発光量がピークになる為である。
ヴューレンズ左側にあるのは、セルフタイマー。
なお、古いカメラはセルフタイマーが地雷になっている事が多いので、「触らぬ神に祟りなし」である。
具体的には、長期間使われない状態で内部のグリスが固形化していたり、或いは部品が錆などで劣化していたりするのを知らずに操作して壊してしまう事がある。だから、オーバーホール前に何度も動かすのは止める方が良い。
暗箱部(フィルム室)には迷光を遮るスリットが設置されている。
ピントフードを開けると、こんな感じとなる。
フードの後ろ側にあるレンズは、フード前側を内側に押し込んでスポーツファインダーにした時のファインダー用レンズである。
フード内側の留め具を押すと、ピント拡大レンズが出る。
2.8Bの次の機種2.8Cまでは絞り羽根の数が10枚。
2.8D以降の機種はレンズシャッター変更に伴って絞り羽根が5枚になっているけれど、「後ボケが自然な感じになる」と好んで2.8Cまでの古い機種を使う人も居るようだ。
この時代のカメラには露出計が付いていないので、小型の単体露出計Gossen・Digisixを使う。赤いフィルターは白黒フィルム用で、これも別途手配した物。
でっ、肝心な写り具合については...まだ何とも言えない。A(^^;)
実は、手元に届いてから数日後に1/15秒以下のシャッターが粘るようになった為、
# 古いカメラでは(本当はあって欲しくないけど)良くある話。
オガワ・カメラサービスにオーバーホールをお願いした。
しばらくしてから電話で
古い機種の耐久性の無い部分が改良されて新しい機種になっているそうで、古い機種を使うにはそれなりの覚悟が必要らしい。でも、2.8Fって、ネットで調べてみたら今は(今も、か?)凄いお値段なんだよねー。
2週間ほどで戻って来たので、モノクロ1本を撮影して現像に出した。
でも、フィルムの現像には1ヶ月近くかかる上に、年末年始の休みを挟んでいるので、出来上がるのはかなり先の話となりそう。それに、カラーでは一度も撮影していないので、撮影して見ない事には何とも言えないのだ。
今は寒い時期で外に出るのも億劫になりがちだけど、近いうちにカラーでも撮影してみようと思う。
その後、ハッセルブラッドのレンズ修理でまとまったお金が必要になってしまい、泣く泣くローライフレックス2.8Fなどを一気に手放した。しかし、ローライコード3だけで撮影に出ると「あっ、ここモノクロで撮りたい!」と思ってもフィルムを使い切るまでは変えられず、残念に思う事が度々あった。
「じゃぁ、ハッセルブラッドも持って行けば良いじゃん」と言われてしまいそうだが、
# いや...その...まぁ、その通りですけど...。A(^^;)
中判一眼レフのハッセルブラッド503CWは大きくて重たいのだ。
スナップ撮影で使っているエツミの小さな肩掛けカメラバッグだと、503CWの一台で一杯になってしまう。LoweProのバッグなら両方収まるけれど、このバッグはスナップ撮影に持ち出すには大き過ぎるし、2台入れるとかなりの重さになるので、歩き回るような場所だと撮影意欲が薄れてしまう(?)という問題もある。
更に付け加えると、1/30秒前後のシャッター速度を良く使うのだけれど、503CWはシャッターショックが大きいので三脚が必要となる。でも、気軽なスナップ撮影にわざわざ大きな三脚を持ち歩きたくない。
# 我儘な奴だなー。(^^;)>
「やっぱりローライフレックス2.8Fを手放したのは失敗だったかなぁ」と考えていたら、別途紹介予定の富士GS645Professional(以下、GS645)が中古で出てきたのを見つけ、「これなら!」と購入した。「フォーマットは一寸違うけれど、フィルムはブローニーだし、これでモノクロとカラーポジの両方を一度に使える」とホッとしたのだった。
信州へ行った際、ローライコード3とコンタックスT2に加えて、動作確認テストも兼ねてGS645も持って行った。
いざ実際の撮影となると、フォーマットが違うカメラを同時に使うのはかなり難しいという事を改めて思い知らされた。
「使うフィルムが共通だから良いだろう」と思っていたのだけれど、ローライコード3の真四角構図の位置からGS645の3:4の長方形構図で撮影しようとしても上手く行かない。後ろに戻ったり横にずれたり前に少し進んだりして構図を作り直すというのを撮影の度に繰り返す事になった。
お陰で時間がかかる割には撮影枚数が少なく、日が暮れて寒く真っ暗な中を歩いて帰るという嬉しくない状態に陥ってしまった。帰り道、以前に三輪薫先生に言われた「少しイージーになってないか?」という言葉が頭の中を駆け回る。「やっぱりフォーマットは一つに絞るべきか」と、改めて感じた。
だから、という訳ではないのだけれど、GS645を手に入れて1週間も経たないうちに「訳アリ」ローライフレックス2.8Bがかなり安い金額でオークションに出てきたのを見つけてしまった。「訳アリ」の理由は、「シャッター速度Bの動作が緩慢で、時々動かない」というもので、致命傷ではない。外観はかなり傷んでいるけれど、動作に支障は無い。
「GS645を手に入れたばかりだしなぁ」「けれど、これを逃したら一生手に入らないかも」「でもぉ、いくら安いと言っても、10円20円という単位じゃないしなー」「買わずに後悔する位なら、買って後悔しろって言うし」等々、悶々としていた。オークション終了当日、「どうせ、安い金額では落とせんでしょ」といい加減な金額を入力して入札しておいた。
翌日「高値で抜かれて終わったんだろうなー」なんて思いながらパソコンの前に座ったら、「おめでとうございます。あなたが落札しました」というメールが。「はぁ?何の話???」と思って中身を読んだら「ウッソーぉ!落札しちゃったーぁ?!\(^^;)/」(笑)そんな訳で、拙者の手元にやって来たのである。
ちなみに、社外フードは別途購入した物。正面から見ると、こんな感じ。
ヴューレンズはHeidosmat(ハイドスマート)80mm/F2.8で、これはRolleiflex2.8シリーズ共通。
テイクレンズは、「あの」Biometar(ビオメター、またはビオメタール)80mm/F2.8、
Carl Zeiss Jena(カール・ツアイス・イエナ)製である。
ビオメターのローライフレックスは米国向けで生産台数がとても少なく、国内では滅多に見かけない。そのせいか、レンズ評は伝説めいたというか、先入観たっぷりという物ばかりで、まともな講評を読んだ記憶が無い。でも、そのお陰で「こりゃ、一度自分で使ってみないと」と物欲を煽り立てられたのである。
ボディ右側はフィルムカンターと巻き上げクランクがある。
背面には露出の表がある。
ドイツ製だが、米国向け機種なので、表示は全て英語。フィルム感度がISO100(ASA21:上側)とISO50(ASA18:下側)なのが、時代を感じさせる。
左側はピント調節ノブと、スプール固定ノブ2個がある。
上から見る。この時代はまだ社名バッジは無い。
ローライ関係の情報の総本山(?)Rolleiclub.comによると、シリアル番号1260232は「Model K7B(type2)」、1953年の製造らしい。
拙者より10年以上年上である。左側の「DBP」は「Deutsches Bundes Patent」(ドイツ連邦特許)、右側のDBGMは「Deutsches Bundes-Gebrauchsmuster」(ドイツ連邦実用新案)の略。
底面は三脚用のネジ穴、裏蓋の留め金具がある。
ネジ穴は大ネジ用だが、この画像では小ネジ用アダプターが入った状態になっている。
シャッターは前面右下で、シャッターロックは金具でシャッターを物理的に固定する形式。
原始的な構造だけど、最も確実な方法でもある。
ヴューレンズ右側に、ストロボの接点切替がある。
現在は標準化されているX接点を使うが、昔はフラッシュバルブも普通に使われていたのでM接点がある。
M接点はシャッター全開から20mSec遅れて接点が導通するようになっているのだが、これはフラッシュバルブが通電してから20mSec後に発光量がピークになる為である。
ヴューレンズ左側にあるのは、セルフタイマー。
なお、古いカメラはセルフタイマーが地雷になっている事が多いので、「触らぬ神に祟りなし」である。
具体的には、長期間使われない状態で内部のグリスが固形化していたり、或いは部品が錆などで劣化していたりするのを知らずに操作して壊してしまう事がある。だから、オーバーホール前に何度も動かすのは止める方が良い。
暗箱部(フィルム室)には迷光を遮るスリットが設置されている。
ピントフードを開けると、こんな感じとなる。
フードの後ろ側にあるレンズは、フード前側を内側に押し込んでスポーツファインダーにした時のファインダー用レンズである。
フード内側の留め具を押すと、ピント拡大レンズが出る。
2.8Bの次の機種2.8Cまでは絞り羽根の数が10枚。
2.8D以降の機種はレンズシャッター変更に伴って絞り羽根が5枚になっているけれど、「後ボケが自然な感じになる」と好んで2.8Cまでの古い機種を使う人も居るようだ。
この時代のカメラには露出計が付いていないので、小型の単体露出計Gossen・Digisixを使う。赤いフィルターは白黒フィルム用で、これも別途手配した物。
でっ、肝心な写り具合については...まだ何とも言えない。A(^^;)
実は、手元に届いてから数日後に1/15秒以下のシャッターが粘るようになった為、
# 古いカメラでは(本当はあって欲しくないけど)良くある話。
オガワ・カメラサービスにオーバーホールをお願いした。
しばらくしてから電話で
「シャッターなどの動きは良くなりましたが、全体的にメカの摩耗が進んでいるのと、調整範囲を超えていてシャッターボタンの戻りが悪いのは直せませんでした。ですので、撮影はゆっくりとした操作でお願いします。 それから、2.8Cまでは耐久性に難ありで、しばらくは問題無く使えるでしょうが、将来的にはメカの寿命が尽きてしまうかも知れません。使い続けるなら3.5Fや2.8Fなどの新しい機種の方がお勧めです」という旨の連絡が入った。
古い機種の耐久性の無い部分が改良されて新しい機種になっているそうで、古い機種を使うにはそれなりの覚悟が必要らしい。でも、2.8Fって、ネットで調べてみたら今は(今も、か?)凄いお値段なんだよねー。
2週間ほどで戻って来たので、モノクロ1本を撮影して現像に出した。
でも、フィルムの現像には1ヶ月近くかかる上に、年末年始の休みを挟んでいるので、出来上がるのはかなり先の話となりそう。それに、カラーでは一度も撮影していないので、撮影して見ない事には何とも言えないのだ。
今は寒い時期で外に出るのも億劫になりがちだけど、近いうちにカラーでも撮影してみようと思う。
こんばんは!
よいお年をお迎えのことと思います!
今年もよろしくお付き合い願います・・・(^o^)
by Take-Zee (2022-01-03 18:51)
Take-Zeeさん
こちらこそ、今年も宜しゅうお願い致しまする。m(_"_)m
by Rifle (2022-01-03 21:33)
あけましておめでとうございます。
ビオメターがどんな描写をするか楽しみですね。
たしかに比べてみると、2眼のほうがハッセルよりもずいぶんコンパクトですね。私のローライはさらに古く、いずれ上位機種に替えたかったけれど、2.8Fなどはもう手の届かないところへいってしまいました。
本年もどうぞよろしくお願いします。
by tama (2022-01-05 15:59)
tamaさん
こちらこそ、本年も宜しゅうお願い致しまする。m(_"_)m
ハッセルをスナップで振り回すのは、相当な勇気と覚悟が要ります。(笑)
2.8FのPlanarとRolleicordのTriotarを撮り比べると判るんですが、拙者の使い方だと差が出ないんですよねぇ。中央部の先鋭さも同じだし。
だから高値になる2.8Fを手放したけど、失敗だったかなー。(--;)
by Rifle (2022-01-05 17:39)
こんばんみ~又よろしくね
落札良かったねっ
失敗かぁ思ったけど
まぁまあでない?ダメ?
by みうさぎ (2022-01-05 21:29)
みうさぎさん
お安く落とせたので、まぁ良かったのでは?と思います。
フィルム現像が出来上がって来てないので、写り具合はどーなんでしょ?って感じですけど。(^^;)
by Rifle (2022-01-06 10:11)