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旅するカメラ(その1) [カメラ]

 先日のフェラーリ関係の忘年会で久し振りにコンタックスT2を持ち出し、宿周辺を撮影して回った。その時感じた事を、自身の備忘録も兼ねて(^^;)改めて記しておこうと思う。

 色々なカメラ雑誌を見ていると、35mmフィルムを使う街角スナップはライカMシリーズが使われる場合が多いようで、どの雑誌でもM3を筆頭にM6やM4などが使われているし、一寸古めのライカ3f・3gとか、或いはツァイス・イコンやフォクトレンダーのR2・R3・R4のシリーズとか、更に突っ込んでレチナ・ビテッサ・ローライ35シリーズとかで撮影するというのが主流になっているようだ。
# でも、これって名前だけ見ているとドイツ・カメラばかりですねぇ。

 T2を選んだのは「全自動だし、露出補正で何とでもなる」からである。
IMG_1334.JPG
今回は忘年会がメインで撮影はあくまでも「おまけ」だから、仰々しく一眼レフや大判中判などを持って行くようなことは初めから考えていなかった。「撮影は必要最小限で」と考えると、ストロボ内蔵のT2なら夜でも何とかなるし、シャッターを押せば全自動だから何かが確実に写るし、イザとなれば露出補正を使ってわざとオーバーにしたりアンダー気味にしたりという「意図的な撮影」、言い換えれば「作品作り」も出来る。要するに「何でもこなせる全自動コンパクトカメラ」なのである。

 但し、残念ながら全てカメラにお任せという訳には行かない。例えば、オートフォーカスでも本当にピントを合わせたい位置に合っているかどうかを確認する方法が無い。だから、状況によってはわざと手動でピント調節する場合もある。それに、明るい空が入るような構図では空の明るさに引っ張られて露出がアンダーになるので露出補正が必要になることもある。
 これはT2の欠点ではなく、「全自動カメラ」である以上避けられない現象で、撮影者が意識してコントロールすることが必要になってくる。
 今回の撮影に限って言えば「T2の全自動で大体OK」だった。到着した日の午後または翌日の午前中という、比較的光量の多い時間帯だったから、全自動任せでもほぼ問題は無かった。

 しかし、撮影者の意図を反映させた撮影となると、やはり「全てOK」という訳には行かない。
 全自動カメラだから、構図を決めシャッターを半押しするとカメラが光量を測って計算したシャッター速度がファインダー内に出る。普通なら、そのままシャッターを押すだけで十分に綺麗な写真を写せる。
 カメラに深入りした拙者のような人種は、表示された値のまま撮影するのではなく、「雰囲気を生かしてもっと明るく写そう」とか「黒い建物を際立たせる為に少し暗い露出にしよう」などと考え、カメラが計算した値を更に調整して撮影することもある。そんな時は「露出補正」機能を使って、自分の意図するような写り具合に調整することになる。

 通常は露出補正で十分賄えるが、更に一歩踏み込むと全自動に不満を感じるようになる。
 例えば、今回は到着した日も翌日も曇天で撮影中に光量が変わることは無かったが、全自動カメラは入ってくる光の量を測って露出を決めるから、構図が変われば露出も変わる。撮影者としては、構図が変わっても光量は変わらないから露出は一定であって欲しい。が、全自動カメラは忠実に光量に応じた露出に変えてしまう。

 こうなると「全自動よりマニュアルの方が良いんでは?」と感じるようになってくる。マニュアル露出制御のカメラは撮影者がシャッター速度と絞り値を設定するので、カメラが光量に応じて勝手に変えることはない。
 この様な使い方で使い易いカメラとなると「ライカ」に目が行くようになる。一眼レフと違って、レンジファインダーなら写る範囲の外側も見えるから構図を決めやすいし、一眼レフのようにファインダーがブラックアウトすることもないから撮影の瞬間もファインダーで見ていられる。しかも、ライカに関しては、「それこそ腐って捨てても余りあるほどの数」の薀蓄を語った本やマニア達がどこにでも転がっている。(笑)
 ライカはM7よりも前のモデルは全てマニュアル露出、しかも電源の要らない機械制御式のカメラだから、このような用途には打って付けなのである。

 ライカは写真に深入りすると一度は目が行くカメラの一つと言われているし、実際拙者もM6やCLを中古で購入して長い間使っていたクチである。
 特にM6は、当時不人気で格安に入手できたノクチルックス50mm(2nd)と組み合わせていた。街角スナップとか、旅先で一寸撮影するといったような使い方にM6は最適で、本当にその為に開発されたのでは?と思ってしまうほど。
# 勿論、どのライカも「普通のカメラ」として設計されたんですけどネ。
 ライカを手にした時点でカメラ探しの旅は終了となり、それ以上カメラを漁ることをしない人も多いようだが、拙者の場合そうは行かなかった。

(続く)
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