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修理できるか?古いカーラジオ(その5) [電子回路]

前回からの続き)

 相変わらず机の上を占領している古いカーラジオの作業は、寒い事もあって(ん?)余り進んでいない。基板の実態配線から回路図を起しているんだけど、これもまた結構面倒な作業である。
 細かいし同じような定数の部品が多いので、1時間近く作業していると段々とこんがらがってきたり、結線の場所を間違えたり。一度にやろうとすると進まないので、ある程度区切った範囲に絞って書いていて、およそ1/4の下書きが完成した。
基板の実態配線図から書き起こした回路図
上が基板の実態図、下が実態図の左上1/4を回路図にしたもの。グランド(GND:電圧の基準となる所)から書いていったのと、部品配置を考えずに書いたらやたらと線が多くなっちゃったので、かなり複雑に見えるけれど、整理すればもっと簡潔になる筈である。(汗)

 基板から回路図を起す際には基板も同時に見ていて、使われているトランジスタなどから「恐らくこういう構成なのでは?」と考えたので、画像に書き込んでみた。
基板の回路配置を書き込んだ
AM・FMの受信部と低周波増幅の部分は間違いないと考えているけれど、中間増幅(中間周波数増幅)&検波部の部分は「多分、そうじゃないのかなー?」と思えたので、とりあえずそう書いてある。

 回路に使われているコイルの数から、恐らくスーパーヘテロダイン方式だろうと踏んでいるけれど、回路図が途中までしか画けていないので、今のところは不明。AMとFMの中間周波数増幅の部分が一段だけなのか、それとも二段にして二段目を共通化しているのかも、未だ分からないが、全体の回路図が出来上がれば分かるだろう。

 このラジオのメーカはクラリオンなので「古い機種だから、多分情報は無いだろうけどなー」と思いつつも、念の為にお客様相談室に電話してみた。
 15時半過ぎに電話したら、4分ほど待たされて男性の方が電話口に出られた。「機種名はRT-307F」と告げると、「えー?製品の数字は4桁でなくて3桁ですか!?...それは古い機種ですねぇ、うーん...(キーボード操作の音)...この製品は自動車メーカ向けに純正ラジオとして出した物ですが、保守資料や配線図などのマニュアル類は既に(社内システムの)中にも登録が無いですね。回路図等は外部には公開していませんので、残念ながらお出しできる資料は無いです。お役に立てず、申し訳有りません」だそうな。やはり古過ぎて情報は無かった。

 ちなみに、クラリオンに限らずどのメーカも、昭和50年代前半までは回路図や保守資料を個人にも提供していた。ところが、製品改造ブームみたいなものが起きてメーカに改造し損ねて滅茶苦茶になった製品の修理が大量に押し寄せたのと、後進国が不法コピー品を作るようになってしまい、以後は回路図だけでなく保守資料や結線図も出さなくなってしまった。
 だから、今回のような回答は予め想定できたが、それでもやっぱり一寸残念だなぁ。

続く
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