BOSSグラフィックイコライザーGE-7の修理(その1) [音楽]
先日、BOSSのギター用エフェクターGE-7グラフィックイコライザーがジャンクで2台セットで「送料込み2千円」と安く売られているのを発見!ジャンクの理由は「片方(made in Taiwan)はボリュームに軽いガリがあり、もう片方(MADE IN JAPAN)は酷いガリがある上にLEDが点かない」というもの。
グラフィックイコライザーはバンドパスフィルターとオペアンプの組み合わせで比較的簡単な回路の筈。「そんな程度なら大した作業にはならんでしょ、自分で直せば良いジャン!」と思い、購入した。
まずは症状の重いMADE IN JAPANの方から作業する。古い製品なので塗装禿げやノブにヒビが入ったりしているけれど、外観を見る限りでは状態はそんなに悪くないと思う。
裏側に「MADE IN JAPAN」の文字が入っている。
ネジを外して裏蓋を取ると、内側には金属蓋とのショートを避ける為の樹脂製の板が入っていた。
基板は2枚に分かれている。
基板を固定するネジを外し、ボリュームのノブも外す。
ジャックのナットを外せば、基板を取り出せる。
まだフットスイッチの配線が繋がっているので完全には分離できないが、この状態でも作業できるのでスイッチ配線は外さない。
ボリュームの上に貼られていた埃除けのスポンジは劣化していて、少し触るだけでボロボロと落ちてくるような状態だったのでこそげ落とした。ネチャッとする部分もあったので、ジュースか何かをこぼした事があるのかも知れない。
電源ジャックの下にあるスポンジは劣化していない。
下側にあるボリューム基板には、何か液体が乾いたような痕があるけれど、ジュース類ではないようだ。
基板はフラットケーブルで繋がっているので、ハンダを緩めて外す。
外す前に配線をチェックしたが、LEDに関係する部分も含めて断線している所は無かった。
ボリューム基板に付着している物は電池から漏れ出た電解液のように見えるが、電池室はとても綺麗だったから液漏れでは無さそう。
何だか分からないが、できる限り取り除いておいた。
フラットケーブルをハンダ付けしてあったパターンの周辺には古いボンドがこびりついているので、これもできる限り取り除いておく。
ボリュームを分解する為、基板から全部外した。
使われているボリュームは全て10kΩだ。「G」の文字があるので、カーブ特性はGタイプらしい。
Gタイプは一時期国内のエレキギター関係機材に多用されていたらしく、昭和末期から平成中期までの国産機材でよく見かける。しかし、一般には流通していないので、交換するならAタイプかBタイプを流用する羽目になる。
外したボリュームは一個ずつ分解する。折ってしまわないように注意しながら筐体の爪を起こす。
ガリで済んでいたのが不思議なくらい、中は古いグリスなどで酷く汚れている。
摺動部に塗られていたグリスが劣化で液化し、ボリューム内部全体に回ってしまったようだ。本来なら白い樹脂部はグリスで黄色っぽく変色していた。
精密マイナスドライバーで抵抗体の表面などを浚ったら、結構な量のグリスが取れてきた。
摺動部にある接点の裏側にもグリスが回り込んでいる。
エレクトロニッククリーナーも使って古いグリスを徹底的に取り除き、信号の通路全てをNevrDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いたら奇麗になった。
クリック感を出す1mmほどの金属ボールや5mmほどのバネを飛ばしてしまわないように注意しながら組み立てればOKだ。
ボリュームを基板に取り付ける。
出力側ジャックの配線はプラス側の一本だけだ。
エフェクター筐体が金属だから、グランド側は筐体を利用して配線の手間を省いているらしい。
フラットケーブル側には古いボンドが残っているので、ハンダ付けする前にできる限り取り除く。
ボリューム基板側に予備ハンダしておいて、
ハンダ・ブリッジを作ってしまわぬよう注意しながらフラットケーブルをハンダ付けする。
基板を筐体に組み込み、フラットケーブルと基板の間にショート防止の透明な樹脂板を挟み込む。
電源ジャック下のスポンジも忘れずに入れる。
ショート防止の樹脂板を入れて組み立てる。
ノブをボリュームに取り付けて、
作業は完了である。
早速使ってみると、酷いガリは綺麗さっぱり消えて普通に使える状態になった。
しかし、LEDは一応点灯するものの、とても暗くて点いているのかどうかが分からない。
動作は正常だから、LEDを点灯させる回路周りだけがおかしい?ようだ。
「こりゃー回路図見ながら配線追わなきゃ駄目か?」と思い、ネット上を漁ったら回路図が複数バージョンが見つかった。生産年が古い方の回路図の電源周辺を見ると...「そうか、そういう事だったのか...。」
(続く)
グラフィックイコライザーはバンドパスフィルターとオペアンプの組み合わせで比較的簡単な回路の筈。「そんな程度なら大した作業にはならんでしょ、自分で直せば良いジャン!」と思い、購入した。
まずは症状の重いMADE IN JAPANの方から作業する。古い製品なので塗装禿げやノブにヒビが入ったりしているけれど、外観を見る限りでは状態はそんなに悪くないと思う。
裏側に「MADE IN JAPAN」の文字が入っている。
ネジを外して裏蓋を取ると、内側には金属蓋とのショートを避ける為の樹脂製の板が入っていた。
基板は2枚に分かれている。
基板を固定するネジを外し、ボリュームのノブも外す。
ジャックのナットを外せば、基板を取り出せる。
まだフットスイッチの配線が繋がっているので完全には分離できないが、この状態でも作業できるのでスイッチ配線は外さない。
ボリュームの上に貼られていた埃除けのスポンジは劣化していて、少し触るだけでボロボロと落ちてくるような状態だったのでこそげ落とした。ネチャッとする部分もあったので、ジュースか何かをこぼした事があるのかも知れない。
電源ジャックの下にあるスポンジは劣化していない。
下側にあるボリューム基板には、何か液体が乾いたような痕があるけれど、ジュース類ではないようだ。
基板はフラットケーブルで繋がっているので、ハンダを緩めて外す。
外す前に配線をチェックしたが、LEDに関係する部分も含めて断線している所は無かった。
ボリューム基板に付着している物は電池から漏れ出た電解液のように見えるが、電池室はとても綺麗だったから液漏れでは無さそう。
何だか分からないが、できる限り取り除いておいた。
フラットケーブルをハンダ付けしてあったパターンの周辺には古いボンドがこびりついているので、これもできる限り取り除いておく。
ボリュームを分解する為、基板から全部外した。
使われているボリュームは全て10kΩだ。「G」の文字があるので、カーブ特性はGタイプらしい。
Gタイプは一時期国内のエレキギター関係機材に多用されていたらしく、昭和末期から平成中期までの国産機材でよく見かける。しかし、一般には流通していないので、交換するならAタイプかBタイプを流用する羽目になる。
外したボリュームは一個ずつ分解する。折ってしまわないように注意しながら筐体の爪を起こす。
ガリで済んでいたのが不思議なくらい、中は古いグリスなどで酷く汚れている。
摺動部に塗られていたグリスが劣化で液化し、ボリューム内部全体に回ってしまったようだ。本来なら白い樹脂部はグリスで黄色っぽく変色していた。
精密マイナスドライバーで抵抗体の表面などを浚ったら、結構な量のグリスが取れてきた。
摺動部にある接点の裏側にもグリスが回り込んでいる。
エレクトロニッククリーナーも使って古いグリスを徹底的に取り除き、信号の通路全てをNevrDull(ネバーダル:金属磨き)で磨いたら奇麗になった。
クリック感を出す1mmほどの金属ボールや5mmほどのバネを飛ばしてしまわないように注意しながら組み立てればOKだ。
ボリュームを基板に取り付ける。
出力側ジャックの配線はプラス側の一本だけだ。
エフェクター筐体が金属だから、グランド側は筐体を利用して配線の手間を省いているらしい。
フラットケーブル側には古いボンドが残っているので、ハンダ付けする前にできる限り取り除く。
ボリューム基板側に予備ハンダしておいて、
ハンダ・ブリッジを作ってしまわぬよう注意しながらフラットケーブルをハンダ付けする。
基板を筐体に組み込み、フラットケーブルと基板の間にショート防止の透明な樹脂板を挟み込む。
電源ジャック下のスポンジも忘れずに入れる。
ショート防止の樹脂板を入れて組み立てる。
ノブをボリュームに取り付けて、
作業は完了である。
早速使ってみると、酷いガリは綺麗さっぱり消えて普通に使える状態になった。
しかし、LEDは一応点灯するものの、とても暗くて点いているのかどうかが分からない。
動作は正常だから、LEDを点灯させる回路周りだけがおかしい?ようだ。
「こりゃー回路図見ながら配線追わなきゃ駄目か?」と思い、ネット上を漁ったら回路図が複数バージョンが見つかった。生産年が古い方の回路図の電源周辺を見ると...「そうか、そういう事だったのか...。」
(続く)