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ディーラーって・・・ [バイク]

 先日、子供達がTLR200メンテナンスの為に車体のあちこちをばらして作業していたのだけれど、その時小さなブレーキの部品を紛失してしまったという。結束バンドで固定してあるけれど、これではリアブレーキが効かないので走らせる事は出来ない。
部品紛失でタイラップで固定
「仕方ないなー、部品を仕入れて来るか。」

 紛失した部品は、ブレーキロッドとブレーキアームを接続する小さな部品である。
パーツリスト
パーツリストで品番を確認する。
拡大したパーツリスト

必要な部品番号
部品の正式な名称は「ブレーキアームジョイント」と言うらしい。品番から推測すると、他の車種から流用しているみたいだ。

 早速向かったのは、ホンダのバイク・ディーラー「ホンダドリーム」店である。
ホンダドリーム店
フロントで「TLR200の部品を取り寄せて欲しいんですけど」と伝えると、若い女性の店員が「はい、では部品番号か車体番号を」と言うので、メモしてきた品番を伝えた。

 店員がパソコンで調べて「既に廃番になっていますので、お取り寄せはできません」と。
 拙者が「ドラムブレーキなら必ず使われている汎用的な部品だから、別にTLR200用でなくても良い筈。他のバイク用の部品でも使えるから、取り寄せて欲しいんだけど」と告げると、「少々お待ちください」と言ってピット(整備工場)へすっ飛んでいった。

 すると、20代前半と思しきメカニックが出て来た。曰く「他車種流用となると、本当に取り付けられるかどうかは判らないので、こちらでは対応できないです」と。
 改めて拙者が「何言ってんの、他車種の部品流用なんてどのメーカでもやってるし、そもそもドラムブレーキは色んな車種で使われてて、わざわざ車種毎に専用品を開発するとは思えない。実際、TLR200のブレーキ回りはカブ50と共通だから、そのまま使えるんだよ」と伝えても「メーカ側から情報が提供されていないので確証が無く、当店では対応できません」の一点張り。
 いくら説明しても埒が明かない。言葉遣い「だけ」が丁寧な、典型的な「チェンジニア」である。客の拙者がメカニックに教えるのも馬鹿馬鹿しいし、時間も勿体ないので「もうエエわ」と店を出た。

 ドラムブレーキのリアは、その構造上必ずジョイントが必要になる。けれど、排気量が違ったとしてもジョイントの部分に掛かる力は大して変わらない。
 何故なら、人間の足で操作する部分なので、足で踏んづける以上の力が掛かる事は無いからだ。年齢・体格・性別の違いで差はあるとは思うけれど、よーするにドラムブレーキを作動させるだけの踏力があれば良い。だから、それに耐えられるだけの強度を持たせれば良いのである。車種毎にわざわざ専用品を設計する意味は無い。

 ヤフオクを覗いたら、新品の「ホンダ・モトコンポ・リア用ブレーキアームジョイントA」が出品されていたので「これで良いでしょ」と落札。因みにお値段は送料を含めても5百円に届かない。
 数日後、手元に届いた。
届いた部品
開封すると、ホンダ純正部品の番号が記載された袋が入っている。
ホンダ品番の部品袋
早速取り付けて、作業完了である。
直したリアブレーキ

 バイクに限らず、近年はディーラーの技術力がどんどん落ちているように感じる。
 先日も、某女史から「フォルクスワーゲンの車検費用がやたらと高くて」と相談を受けた。特に不具合は感じていないそうなので「車検だけなら大した金額にならんでしょ」と思うのだが、ディーラーの見積書を見せて貰ったら50万円以上の金額が記載されていて吃驚仰天!(@@;)

 「何がそんなに高いんだ?」見積書の明細を確認すると、「ブレーキパッド交換」と言う項目の他に「ブレーキディスク交換」という項目が含まれている事に気が付いた。
# 他にもおかしな項目が色々並んでたんだよねー・・・。
前回車検で「ブレーキパッドがだいぶ減ってます」と言われていたそうだから、パッド交換という項目には不思議はない。しかし、どうして「ブレーキディスク交換」の必要があるのか、サッパリ分からないのである。
 因みに、某女史によれば以前の車検でブレーキディスクを交換した事があり、それからの走行距離は大した事ない、と。

 ディスクブレーキのディスクも消耗品だから、いずれ交換が必要となるのは分かる。
 しかし、ブレーキパッドを散々擦り付けられて荒れたディスクは、表面を研磨して当初の性能に戻すのが「当たり前」である。破損していない限りはいきなり交換したりはしない。
 研磨すればディスクは当然薄くなるので、ディーラー側は「それでは安全性を保障できない」なんて嘘を付くんだろうが、荒れた表面を研磨する程度ではディスクの厚みはほぼ変わらない。
 まだ使えるディスクを交換してしまうのは、今世界中で大流行のSDGsに思いっ切り反抗する事にもなるし、交換の工賃も部品代も馬鹿にならない。どう考えても「ディーラーがぼったくってる」としか思えないのだ。

 幸い、そのディーラーは使わず別の方法で切り抜ける事になったので、結果的には余計な費用を掛けずに済んだから良かった。
 けれど、メカに詳しくなければディーラーの言いなりになって、本来なら必要の無い費用までジャンジャン請求されるなんて事になりかねない。恐ろしい話である。
# まるでどっかのヤナセみたいだな。

 とても残念な話ではあるが、どの分野でも「誠実さ」が消え失せてしまったようだ。性悪説に基づいた自己防衛が必要な時代になって来た、という事か。
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