リモコンの修理はしたけれど・・・？：ナンチャッテ技術者の凸凹日記：SSブログ

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リモコンの修理はしたけれど・・・？　[電子回路] [編集]

　普段全く使っていないエアコンをどうしても使わなければならなくなり、二十数年振りに試しに動かしてみたら普通に動いたので「古くなってもちゃんと動くんだねぇ」と一寸感心した。
　ところが、その翌日に再び動かそうとしたら、リモコンの画面には何も表示されず、何を操作しても無反応。長い間、衣類と一緒にタンスに仕舞いっ放しだったのが不味かったのかも知れない。

このリモコンは「ARC401A3」という型番で、現在は廃番となっている。「ゲッ、明日使いたいのに、こりゃぁマズイ！」電池を入れ替えてみたが動く気配は無いので、早速分解してみた。
　まず、樹脂の本体を分離させる。ネジ3本を外し、嵌め合いの隙間にマイナスドライバーを突っ込んでこじるが、分解を想定しないらしく、かなり梃子摺った。

使われているICはNEC製の「μPD17201A」で、4bitマイコンに赤外線リモコン・時計・液晶表示の機能を統合したものだ。見た感じでは不具合になりそうな箇所は見つからない。更にネジ2本を外して基板の液晶画面側を見ると、ボタン代わりの電導塗料の部分が劣化していた。電池を入れ替えても動かない原因は分からないものの、少なくともこんな状態では接触不良が起きて当たり前、どんな操作をしても動かないのはおかしくない。NEVER DULL（ネバーダル）で磨く。

左半分が磨く前、右半分が磨いた後である。表面が劣化すると、光も反射しなくなるようだ。全部磨いてから元通りに組み立てる。電池を入れると、ちゃんと画面に表示が出た。

「うーん、これで直った...のかなぁ？」

　エアコンを使う当日の昼前にリモコンを見ると、やはり画面に表示が何も出ていない。「やっぱり、どっかがまだおかしいな。」慌てて再び分解し、基板を取り出した。

殆どがチップ部品で構成されていて、素人が手を出せる箇所は殆どない。唯一何とかなりそうなのが、水晶発振子と電解コンデンサだ。

よく見ると、水晶発振子の足が少し錆びているので、念の為に手持ちの中古部品と取り換えてみたが、相変わらず動かない。「おかしいなー、何処が悪いんだ？」と思いながらテスターであちこちの電圧を測っているうちに、ICへの供給電圧が少し低いのに気が付いた。
　更にテスターで探ってみたが、おかしな所は見つからない。「...ひょっとして電解コンデンサか？」よく見ると、亀裂などは無いが、頭が少し凹んでいる。内部の電解液が蒸発して圧力が下がり、その結果として凹んだのかも知れない。
　電解コンデンサの容量は100μFで、電池と並列に入っている。電池の起電力が下がっても安定した電圧を保つ為だ。しかし、ICのデータシートを見ると電源は2.0Vからとなっていて、無くても大きな影響は無さそうなので取り外した。

念の為に測定したら、容量は少し減っている程度だったが、内部抵抗は仮組の簡易測定器では測定できないほど大きな値なので、かなり劣化しているようだ。
　組み立てる前に電池を繋いで動作を確認する。電池を接続した直後は画面上の文字全てが表示された状態になる。

この状態で0.3秒ほど経つと、平常時の表示に変わる。

この状態でエアコンを操作してみたら、ちゃんと動くので、元通り組み立てた。

　しかし、その後も表示が消えて何も出なかったり、そうかと思えば問題無く動く時もあったりで、動作が安定しない。こうなるとICやチップ部品を疑う事になるが、拙者のような素人が手を出せる範囲を超えている。「仕方ない、頻繁に使う訳じゃないから騙し騙し使うか」と思っていたが、念の為にネット上を探ったら、後継機種のリモコンが格安の中古で出ていたので取り寄せる事にした。
　結果として修理は上手く行かなくて動作は不安定なままだが、代わりのリモコンが見つかったから、まぁこれで良しとしよう。