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テスタロッサ退院 [フェラーリ]

 エンジン不調で入院していたテスタロッサは、昨日無事手元に戻って来た。3週間掛かったが、思ったよりは早く修理が上がって来た。

 改めて今回の不具合を整理すると、次のようになる。
  1. エンジンの回転数が低過ぎる(メーターで600rpm前後、通常は1200rpm程度)
  2. アイドリングが安定せず、ストールしてしまう事が多々ある
  3. エンジン始動後の水温上昇の速度が平常時よりもかなり遅い
  4. 一応走行可能だが力が無く、クラッチを切るとストールしてしまう
  5. 標高の高い場所だとアイドリングしない
5番目の症状は昨秋から症状が出ていたが、その他は全て先月になって発症した。
 特に、クラッチを切るだけでストールしてしまうので、コーナーや信号などでは毎回エンジンを掛け直す羽目になり、しかも「キュキュキュキュ...」という音ばかりでなかなか始動しないので、結構冷や汗ものだった。

 お店での作業は、エンジンのシリンダから順に遡るようにして不具合を特定したそう。
 具体的には、まずプラグを全て交換した。元々交換時期に差し掛かっていたので、これは当然だろう。
 次に、プラグコードを調べると通常よりも異様に抵抗値が高い。
テスタロッサに付いていた古いプラグコード
拙者も交換したコードを測ってみたが、ビックリするほど抵抗値が高い。
古いプラグコードの抵抗値は異常に高い
一般的なカーボンコードは1m当たり16kΩ前後なのに対して、このコードの長さは50cm弱しか無いのに665kΩもある。これじゃプラグに供給される電力は相当少なくなっていた筈である。ちなみに、プラグキャップも測ったが問題は無かった。
プラグキャップは問題無い
純正品を取り寄せると遅かれ早かれまた劣化するのは確実なので、永井電子にシリコーンパワープラグコードの作成を依頼。
永井電子に特注したシリコンパワープラグコード
更にディストリビューター内部も確認したが問題は無いので、点火系の作業はここまで。

 次にフューエルラインを調べて行くと、右バンクの燃料供給がおかしいと判明。調べると、フューエルプレッシャーレギュレータが燃料漏れを起こしている事が判った。そういえば、時々ガソリン臭かった事が何度かあったなぁ。
燃料漏れを起こしていたフューエルプレッシャーレギュレータ
BOSCH製で、現在は標準在庫品では無いらしいが細々と供給されているようで、新品を入手して交換。
 更に調べると、右フューエルポンプが電源の供給不足で動作不良となっていることが判明し、リレーや端子を修正した。これで燃料系の作業は完了。
 ファクトリーに依れば、まずレギュレーターの燃料漏れで燃圧が不足し、そこへ接点腐食で右フューエルポンプが動作不良となり、その現象がどんどん進む過程でエンスト等の症状に繋がったと思われる、んだそうな。実際、ファクトリーに運び込んだ後にエンジンを再始動しようとしても掛からなかったそうだ。

 他にも、モータの経年変化で弱っているらしくて、ワイパーを間欠モードにするとヒューズが飛んでしまう時がある事が分かった。モータが弱っている為、ワイパーを動かす時に通常以上の電流が流れてヒューズが切れてしまうらしい。
 モータは特殊な形状のものが使われているので国産品での代用が出来ない。だから、とりあえずヒューズを少しだけ大きな電流の物に替えてしばらく様子を見ながら中古品が出て来るのを待つ事になりそうだ。

 上記の作業がファクトリーで行われ、昨日戻って来た。自宅周辺は道が細いので、近くにあるスーパーの広い駐車場でテスタロッサを受け取り、そのまま自宅まで一分ほど運転する。
 走り始めは良かったが、自宅まであと50m程となった所にある角を曲がろうとしたらエンスト!「ありゃ?変だな」と思いながら再始動しようとするが、修理前と全く同じ症状になってしまい、クラッチを切るとストールしてしまう。「こりゃ駄目だー」と直ぐにK社長に連絡する。何とかテスタロッサを動かしてスーパーの駐車場まで移動して少ししたらK社長も到着、早速調査に入る。
 燃料系も点火系も修理済みだから問題無し。フロントボンネットを開けてヒューズボックス内を探る。
テスタロッサのヒューズボックス内部を確認
見た目では問題なさそうだが、フューエルポンプに繋がるリレーを叩くとおかしくなったり正常に戻ったりする。「リレー?それとも基板??」K社長に依れば、リレーの不良は滅多に無いらしい。
 そうなると基板が怪しい事になるが、あちこち触っているうちに配線コネクタを触るとやはりおかしくなったり正常になったりする。その配線コネクタを外して見ると、一部が焦げている。
配線カプラの一部が焦げている
配線は焦げておらず、金属の端子の部分だけが焼けている。恐らく、接触が悪くて車体からの振動で端子が僅かに離れた時にスパークが起こるというのを何度も繰り返した為に焦げたのだろう。当面は端子の接触を強めるように金属部を曲げるなどして様子を見る事になった。
 本来なら、この端子を使わずに別途迂回する配線をするのが一番良いが、直ぐに作業できるようなものではないので、様子を見て調子が悪いようであれば迂回の配線をする事になりそうだ。接触不良が原因と分かっているので、何とか対応できるだろう。

 色々あったが、とりあえずは正常に走る状態になった。まずはメデタシメデタシ、である。
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コメント 4

たくや

いや~なんとか修理完了ですね。
維持するのも大変そうですが、ファクトリーの皆さんに頑張ってもらいましょう~
by たくや (2015-09-16 18:49) 

Rifle

たくやさん
今回は部品が出て来たので何とか修理できました。
ファクトリーの皆さんには感謝です。
by Rifle (2015-09-16 20:33) 

ktm

部品が無いというのは大変ですね。
でも、大事に楽しんでください。

by ktm (2015-09-17 09:50) 

Rifle

ktmさん
数年前までは、25年経過した車の部品をフェラーリ自身が再生産していたんですが、現在はやっていないらしくてテスタロッサの部品は何処の国でも枯渇状態です。でも、大きな部分が壊れない限りは何とかなるのではと思います。
by Rifle (2015-09-17 18:28) 

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