ホンダTL125のスピードメーター(その3:スピードメーター分解&交換) [バイク]
(前回からの続き)
動かないスピードメーターを分解して中を確認する為、車体から取り外す。メーターは2箇所のボルトで固定されている。この車体は経年劣化でフロントカウルが割れてしまったそうで入手当時からフロント側のカウル類が一切無く、右側はフォークと共締めされているL字型汎用金具に固定されていた。
左側も、はやり汎用金具に固定されていたが、汎用金具は直接フロントフォークにタイラップで無理矢理取り付けられていた。
カバーが無いから仕方なかったのだろうが、それにしてももう一寸何とかならなかったのかと思ってしまう。
暖冬と言えども外は寒いので、取り外したスピードメーターを室内に持ち込む。メータを取り外す時の振動で、劣化していた針が折れてしまった。
カウルが無かった為か、外観も劣化が進んでいる。
下側から見ると、本来ゴムで蓋をされている筈の穴(赤の矢印)が開いたままだ。
このメーターは兄弟車TLR200と共用で、この穴は速度警告灯(80km/h以上で点灯する)用のバルブが入る所だ。TL125は高速道を通行できないから速度警告灯は必要が無い。だから、出荷時にこの穴をゴムで蓋している。経年劣化でゴムが取れてしまったのだろう。
分解に取り掛かる。ちなみに、このメーターを分解した人は多いようで、ネットを検索すると事例が結構見つかる。先達の方々が書かれた情報を参考にしながら分解する。
熱融着で固定されているため、外すのが難しい。どうせ動かないので、壊すのを覚悟で分解して行く。
無理矢理こじ開けて融着された部分を全て剥がし、距離計のつまみも強く引っ張って取り去る。
裏蓋とメーター本体を固定しているネジ2本を外す。
これでメータ本体が取り出せた。
バイク用スピードメーターを分解したのは初めてだ。
下側にメーターケーブルが繋がり、回転すると上側のお椀を被せたようなアルミの部品が速度に連動して動き、その動きが針に伝わってメーターを指すという仕組みになっている。
お椀の中を良く見ると、細かな金属粉が沢山くっ付いている。
メーターの土台にも金属粉が付いている。
裏蓋にも金属粉が多数付着している。
自宅に戻る際、スピードメーターから「キュー」という盛大な音がしていたのは、お椀形の部品とメーターケーブルが繋がる金属板とが擦れあっていたかららしい。手で回してみると特定の角度で異様に重くなるので色々と調べてみたが、何処が悪いのかは判らなかった。
このメーターは故障が多いらしくて、ネット上ではスピードメーターを交換する事例が多数出ている。今回仮に直せたとしても、金属粉が沢山飛び散るほど磨耗しているので本来の精度を保てるかどうか疑問だし、壊れた原因を掴めていないので再び故障してしまう可能性が高い。分解するまでは「ひょっとしたら直せる?」と思っていたが、諦めて潔く新しいメーターに交換することにした。
TL125のメーターはN(ニュートラル)・Hi(ハイビーム)・ウインカーのインジケーターと一体化している。スピードメーター単体なら安いが、インジケーターを別に用意しなければならない。LEDで手作りしても良いが、車体への固定方法や防水性を考えると一寸面倒だし、生憎黄色と緑のLEDが手持ちの部品の中には無い。
ネット上で探したら、インジケーター内蔵でフロントに収まりそうな小さなメーターをAmazonで見かけたので、そのまま購入した。
翌々日、メーターが自宅に届く。
メーター1個なのに、箱がやたらとデカイ。
中身は小さいのにねぇ。(笑)
フロントにはキーシリンダーを囲う樹脂パーツがあるので、スピードメーターを取り付ける位置は壊れたメーターと同じ左側が良さそうだ。
取り付けるにはステーが必要なので、まず不要なステーを外す。
痛みの少ない方の汎用ステーを使ってメーターとホーンを仮止めした。
上から見ると、こんな感じとなる。
メーター底面から、各種の配線が出ている。
配線の種類は次の通りだ。
ハイビームの「緑」の配線を余らせて、それ以外を全てコネクターで接続する。
端子のサイズを測ったら、幅が2.8mmだった。国内では「110型」と呼ばれている、小電力用のコネクターだ。
このメーターには9極のカプラーが付属してきた。
メス側カプラーは無いので、自宅近くのホームセンターを探したが6極しかない。そこで、ライコランド小牧店へ行った。
単体のカプラーは無かったので、セットを買ってきた。
材料が揃ったので作業を続ける。繋がっていたインジケータの電球は全てカットする。
ウェッジ球を見ると、どれも黒ずんでいて、ハイビーム用は切れていた。ウェッジベースも金属部分が錆びている。
カットした配線の被覆を剥くと、中の銅線は錆びて黒くなっている。
そのまま端子をカシめても問題は無いだろうが、せっかくなのでNeverDull(ネバーダル・金属磨き)で磨いてから端子をカシめた。
カシめたらカプラーに差し込めばOKである。
テスト走行してみて結果が良ければ、配線をタイラップなどで固定する予定だが、走行中に雨が降ったりした時のことを考えると何らかの防水対策が必要だろうなぁ。
改めてシートに座り、スピードメーターを見る。
スピードメーターを支える汎用ステーとホーンを共締めしたが、その厚みがどうも気になる。
共締めしたボルトの後ろ側を見ると、案の定ボルトの長さが不足してネジ穴がかなり余っている。
これでは強度的に不安だ。ホーンの共締めを止めて、ステーの穴にホーンを留めた。
この状態でもまだネジ穴は余っているものの、以前よりはだいぶ良くなった。
なお、右側の方は何も挟んでいないので、ネジ穴の余りはない。
ネジの長さはギリギリにしてあるのネ。
試しに近所を走り回ってみると、「ゲッ、メータ照明以外は点かんじゃん...。」
(続く)
動かないスピードメーターを分解して中を確認する為、車体から取り外す。メーターは2箇所のボルトで固定されている。この車体は経年劣化でフロントカウルが割れてしまったそうで入手当時からフロント側のカウル類が一切無く、右側はフォークと共締めされているL字型汎用金具に固定されていた。
左側も、はやり汎用金具に固定されていたが、汎用金具は直接フロントフォークにタイラップで無理矢理取り付けられていた。
カバーが無いから仕方なかったのだろうが、それにしてももう一寸何とかならなかったのかと思ってしまう。
暖冬と言えども外は寒いので、取り外したスピードメーターを室内に持ち込む。メータを取り外す時の振動で、劣化していた針が折れてしまった。
カウルが無かった為か、外観も劣化が進んでいる。
下側から見ると、本来ゴムで蓋をされている筈の穴(赤の矢印)が開いたままだ。
このメーターは兄弟車TLR200と共用で、この穴は速度警告灯(80km/h以上で点灯する)用のバルブが入る所だ。TL125は高速道を通行できないから速度警告灯は必要が無い。だから、出荷時にこの穴をゴムで蓋している。経年劣化でゴムが取れてしまったのだろう。
分解に取り掛かる。ちなみに、このメーターを分解した人は多いようで、ネットを検索すると事例が結構見つかる。先達の方々が書かれた情報を参考にしながら分解する。
熱融着で固定されているため、外すのが難しい。どうせ動かないので、壊すのを覚悟で分解して行く。
無理矢理こじ開けて融着された部分を全て剥がし、距離計のつまみも強く引っ張って取り去る。
裏蓋とメーター本体を固定しているネジ2本を外す。
これでメータ本体が取り出せた。
バイク用スピードメーターを分解したのは初めてだ。
下側にメーターケーブルが繋がり、回転すると上側のお椀を被せたようなアルミの部品が速度に連動して動き、その動きが針に伝わってメーターを指すという仕組みになっている。
お椀の中を良く見ると、細かな金属粉が沢山くっ付いている。
メーターの土台にも金属粉が付いている。
裏蓋にも金属粉が多数付着している。
自宅に戻る際、スピードメーターから「キュー」という盛大な音がしていたのは、お椀形の部品とメーターケーブルが繋がる金属板とが擦れあっていたかららしい。手で回してみると特定の角度で異様に重くなるので色々と調べてみたが、何処が悪いのかは判らなかった。
このメーターは故障が多いらしくて、ネット上ではスピードメーターを交換する事例が多数出ている。今回仮に直せたとしても、金属粉が沢山飛び散るほど磨耗しているので本来の精度を保てるかどうか疑問だし、壊れた原因を掴めていないので再び故障してしまう可能性が高い。分解するまでは「ひょっとしたら直せる?」と思っていたが、諦めて潔く新しいメーターに交換することにした。
TL125のメーターはN(ニュートラル)・Hi(ハイビーム)・ウインカーのインジケーターと一体化している。スピードメーター単体なら安いが、インジケーターを別に用意しなければならない。LEDで手作りしても良いが、車体への固定方法や防水性を考えると一寸面倒だし、生憎黄色と緑のLEDが手持ちの部品の中には無い。
ネット上で探したら、インジケーター内蔵でフロントに収まりそうな小さなメーターをAmazonで見かけたので、そのまま購入した。
LED ミニ スピード メーター タコ メーター 160km (1個, M)
- 出版社/メーカー: 香奈山堂
- メディア: その他
メーター1個なのに、箱がやたらとデカイ。
中身は小さいのにねぇ。(笑)
フロントにはキーシリンダーを囲う樹脂パーツがあるので、スピードメーターを取り付ける位置は壊れたメーターと同じ左側が良さそうだ。
取り付けるにはステーが必要なので、まず不要なステーを外す。
痛みの少ない方の汎用ステーを使ってメーターとホーンを仮止めした。
上から見ると、こんな感じとなる。
メーター底面から、各種の配線が出ている。
配線の種類は次の通りだ。
- 赤:スピードメーターのバックライト
- 黒:アース線(2本とも)
- 黄:ウインカー(2本とも)
- 緑:ニュートラル
- 青:ハイビーム
配線 | TL125本体側 | メータ側 |
---|---|---|
メーター照明 | 茶=白 | 赤 |
緑 | 黒(メーター照明) | |
N(ニュートラル) | 若葉=茶 | 緑 |
黒 | 黒(共通) | |
ハイビーム | 青 | 青 |
緑(未接続) | ||
ウインカー | 空 | 黄 |
橙 | 黄 |
端子のサイズを測ったら、幅が2.8mmだった。国内では「110型」と呼ばれている、小電力用のコネクターだ。
このメーターには9極のカプラーが付属してきた。
メス側カプラーは無いので、自宅近くのホームセンターを探したが6極しかない。そこで、ライコランド小牧店へ行った。
単体のカプラーは無かったので、セットを買ってきた。
材料が揃ったので作業を続ける。繋がっていたインジケータの電球は全てカットする。
ウェッジ球を見ると、どれも黒ずんでいて、ハイビーム用は切れていた。ウェッジベースも金属部分が錆びている。
カットした配線の被覆を剥くと、中の銅線は錆びて黒くなっている。
そのまま端子をカシめても問題は無いだろうが、せっかくなのでNeverDull(ネバーダル・金属磨き)で磨いてから端子をカシめた。
カシめたらカプラーに差し込めばOKである。
テスト走行してみて結果が良ければ、配線をタイラップなどで固定する予定だが、走行中に雨が降ったりした時のことを考えると何らかの防水対策が必要だろうなぁ。
改めてシートに座り、スピードメーターを見る。
スピードメーターを支える汎用ステーとホーンを共締めしたが、その厚みがどうも気になる。
共締めしたボルトの後ろ側を見ると、案の定ボルトの長さが不足してネジ穴がかなり余っている。
これでは強度的に不安だ。ホーンの共締めを止めて、ステーの穴にホーンを留めた。
この状態でもまだネジ穴は余っているものの、以前よりはだいぶ良くなった。
なお、右側の方は何も挟んでいないので、ネジ穴の余りはない。
ネジの長さはギリギリにしてあるのネ。
試しに近所を走り回ってみると、「ゲッ、メータ照明以外は点かんじゃん...。」
(続く)
樹脂パーツの劣化が酷いですね。
それにしても・・・・
このヘッドライトでの夜間走行は辛いですわ(笑)
by ブルル (2016-01-13 10:52)
ブルルさん
保管場所が日の当たる所だったらしい上に古いバイクなので、経年劣化は避けなれないですねぇ。
このヘッドライトは照射範囲が狭くて、本当に大変でした。(笑)
by Rifle (2016-01-13 21:53)
すいません、一つお聞きしたいのですがよろしいでしょうか?
by ウロウロ83 (2017-04-16 23:38)
ウロウロ83さん
どーぞ。何でしょ?
by Rifle (2017-04-17 06:45)
おはようございます!TLR200MD09の12V化バッテリーレスを所持しているのですがメーターがいかれてしまい、LEDのインジケーター付きののミニメーターなんかは取り付けできないのかな? と思っているのですが、
どうでしょうか?
by ウロウロ83 (2017-04-17 06:54)
ウロウロ83さん
ミニメータでも問題無く取り付けできますよ。
ただ、メータ内LEDの配線がN(ニュートラル)のアース(グラウンド)とウィンカーのアースが共通だと点かないので、その辺は購入時に注意する方が良いと思います。
有名メーカ製のメータなら心配ないです。
by Rifle (2017-04-17 09:34)
ありがとうございます!トライしてみます!
by ウロウロ83 (2017-04-17 10:54)