SSブログ

ローランドJP-8000の修理(その2) [電子回路]

前回からの続き)

 電源部の高周波ノイズが気になるので、電源部を取り出して調べる。
JP-8000の電源ユニットを取り出したところ
使われているのは15V0.5Aの三端子レギュレータ、78M15と79M15だ。
三端子レギュレータ78M15と79M15
金属板に挟まれた状態になっていたけれど、シリコングリスなどは一切塗られていない。
三端子レギュレータにシリコングリスは塗られていない
そこまでしなくても放熱量は十分という事らしい。
 78M15と79M15のデータシートを調べると出力雑音電圧は120μVとある。前回オシロスコープで調べた時には8.5mV程度だったから、どう考えても雑音電圧は高過ぎる。念の為に電源基板の三端子レギュレータ周辺を調べたら、1cmほど離れた位置に発振止めのコンデンサは入っている。市販されていたのだから問題は無い筈だが、少々気になる。
 気になると言えば、データシート上での出力雑音電圧は「10Hz~100kHz」と定義されており、それ以外の帯域の雑音については全く記載が無い。オシロスコープ上の波形は500kHzでデータシートの範囲外だから、これが異常なのか正常なのかも判らない。
 出来ればコンデンサと三端子レギュレータとの距離をもっと縮めたいところだが、基板パターンの制約上これ以上近づけるのは無理だ。何とももどかしいが、電源部については現状のまま使い続ける事にして、そのまま本体に戻す。

 電源を入れると「Battery Low」の表示が出るので、メモリー用電池が無くなっている。こちらは取り換えるだけなので、CR2032を買って来てから作業に取り掛かる。電池は金属板で覆われた所にある。
電池の場所は金属板で覆われている基板の中
ネジを外すと電池が見える。
金属板を外すと電池が見える
古い電池を入れ替えれば作業は完了。とっても単純だ。
JP-8000の内部電池を交換したところ
後は元通りに組み立てればOKだ。

 次は本題のアナログ出力部の修理だ。まず、出力部の基板を外す。
アナログ出力部の基板を外したところ
変換基板用に、ユニバーサル基板を適当なサイズに切り出す。
ユニバーサル基板から変換基板用に切り出したところ
切り出した基板に配線し、ピンヘッダを基板の足代わりにする。
ピンヘッダーを取り付けたところ
これで変換基板が出来上がったので、出力部の基板に載っている古いオペアンプを取り外し、変換基板をハンダ付けしてICを取り付ければOKだ。
変換基板を出力部の基板に取り付けたところ
本体に基板を取り付け、配線を元通り接続すれば完成...の筈が、変換基板がMDFの底板に当たってしまい、蓋出来ない。またまた「やってしまった」のであーる。(滝汗)事前に内部の空間を調べておけば良かったのだが、いつもの調子で「なーに、何とかなるさーぁ」なんて行き当たりばったりでやってるもんだから、まぁ仕方あるまい。(笑)変換基板の角を削ってみたが、そんな程度では収まってくれなかった。
JP-8000本体に出力部の基板を取り付けたところ
「はぁー、やり直しですかなぁ...(^^;)。」仕方ないので、変換基板を取り外す。
 オペアンプを外す時既に「一寸危ないかな」とは思っていたが、変換基板を外す際にハンダ吸い取り器を使ったらランドが剥がれてしまった。
ランド:部品の取付けや接続に使う、基板上の銅箔の部分を指す専門用語。
基板のランドが剥がれてしまった
「ウーム、こりゃー参ったな...(--;)。」

(続く)
nice!(27)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 27

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました