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ギター用ヘッドフォンアンプPocket Rock Itの修理(その3) [電子回路]

前回からの続き)

 かなり時間を掛けて、一通り回路図を起こした。
実態配線から作成した回路図
基板グロック毎に回路図エディタBSCH3Vに入力してプリンタで出力すると、一応回路図に見える。
回路図エディタで作成したROCKIT回路図
基板と配線の突き合わせをしていないので記載ミスは結構あると思うけれど、これで全体の回路構成が見えて来た。

 一枚目の基板はブロック分けするとこうなる。
ROCKIT基板一枚目のブロック構成
二枚目はこんな感じ。
ROCKIT基板二枚目のブロック構成
エレキギターと外部入力の信号は基板二枚目に入り、ギターを歪ませる場合のみギター音声信号を一枚目に送って歪ませる。二枚目では必要に応じてギター音声信号にアナログコーラスをかけ、外部入力からの音声信号とミックスして電力増幅してからヘッドフォンへ送り出している。小さな筐体なので基板を二枚に分けて積み重ね、部品も小さな1/8W抵抗や小型電解コンデンサを使って小型化している。
 今時ならDSPチップを使って基板一枚に収めるだろうが、アナログ回路だとそうは行かない。

 出来上がった回路図を眺めていると「ありゃ?」「おやぁ??」「へっ???」と不思議に感じる箇所が見つかる。
 UTC2822Dのヘッドフォン・パワーアンプ回路と、BL3207とBL3102のセットを使ったアナログコーラス回路は、一般的な回路構成だから問題は無い。
 ところが、ギター入力のバッファ回路は、何故か前後にダイオードクリップのような回路が入っていて、その理由が分からない。ディストーション回路は別にあるし、コンデンサで高域部をアースに逃がしているので、単純に歪ませる為ではなさそうだ。
 外部入力(AUX)と他の信号をミックスする回路も、何故か左の一部を右に、右の一部を左に入れている。何故そうしているのか分からない。アナログコーラスがステレオ出力なら分からないでもないが、このコーラス回路はモノラル出力なのだ。

 実態配線から回路図を起こすのは、ある意味コンピュータシステム開発における逆フローのような物だ。
#プログラマや一般の方には「何のこっちゃ?」でしょうけれど、
# システム設計の経験がある方なら解りますよねー?(^^;)

だから、おかしな部分が出て来ても仕方ないけれど、実際に動作しているのだから何かしら意味がある筈。その辺を理解していないと、本来の動作が分かり難くなってしまうのである。こりゃぁ難儀やなぁ...

続く
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みうさぎ

うん~わかんない~組です(笑)
難易度高い程燃えてませんか~
きゃはは~

by みうさぎ (2018-01-24 11:38) 

Rifle

みうさぎさん
うーん、そういう面はあるかも。(笑)
ほどほどに悩ましいと面白いんですよねぇ。
by Rifle (2018-01-24 18:09) 

tama

カスタマーセンターに電話して「あのーギターのバッファ前後にダイオードクリップのような回路が入っているのはなんでですか?」なんて聞いたら、オペレーターはぶったまげるでしょうね(笑)。
by tama (2018-01-25 09:19) 

Rifle

tamaさん
どーでしょうねー?(笑)
米国は地理的事情から店に修理を依頼できるとは限らない為にテレビ修理の通信教育があるような国ですから、案外同じような質問が出てるかも知れません。
ただ、C TECHはガレージメーカみたいですから、オペレーターが居るかどうか...。(笑)
by Rifle (2018-01-25 09:48) 

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