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T.C.Electronic M350の簡単なオーバーホール [電子回路]

 以前にもツマミの不具合を修正したT.C.Electronicのリバーブ/エフェクト・プロセッサーM350は、使い続けるうちに音の抜けがどんどん悪くなってきた。
T.C.Electronicのリバーブ/エフェクト・プロセッサーM350
他の機材の分と併せて部品を発注してあったので、部品が届いたら作業し始める。

 筐体のネジを外して蓋を開けるだけで、内部の基板にアクセスできる。メイン基板と電源基板に分かれているけれど、まずメイン基板から作業する。
M350のメイン基板
今風のスルーホール基板、しかも鉛フリーハンダを使っているようで、なかなかハンダが溶けてくれない!電解コンデンサの本数は少ないけれど、時間がやたらとかかる。
 ハンダを緩めて古いコンデンサを引き抜くのだけれど、コテを当てた側はハンダが液状化しても基板の反対側迄は液状化せず、片方の足だけ残ってしまうというのが数回あった。
コンデンサの足だけ残っている
そういう時は、大抵その足を抜くのが大変だったりする。
抜いた足とコンデンサ本体
足を見ると、内部でアルミ箔とはスポット溶接されているのが判る。
 いつもの倍以上の時間(約半日)をかけて、ようやくメイン基板の作業を終えた。
交換を終えたメイン基板
殆どがデジタル回路なので、交換したコンデンサの数も少ない。
交換したコンデンサ
 次は電源基板だ。比較的新しい機材なので、見た目では問題のありそうな部分は無い。小さなトランスだけなので、一般的なトランス電源では無くてスイッチング電源である。
電源基板
交換しようとして「んーーーっ?何か違うぞ!?」よく見ると、電解コンデンサに「L.E.S.R」と印刷されている。
LESRの印刷
これはスイッチング電源によく使われている「低ESR」タイプのコンデンサだから、一般的な電解コンデンサでの置き換えは出来ない。汎用の電解コンデンサはESRは決して低くないので、そのまま置き換えてしまうと回路が動かないのである。低ESRタイプのコンデンサは手元に無い為、この部分は触らずにそのままとする。
 いつもならボリウムも分解するけれど、ガリなどの不具合が一切出ていないし、比較的新しい機材なので、今回はあえて作業しないことにした。後は元通り組み立てて完成である。

 子供に音出しして貰ったら「高音域の籠りが無くなってスッキリした」と。電源部は未交換のままだけど、音声信号経路だけの交換でも、その効果は高いようだ。めでたしメデタシである。
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コメント 6

みうさぎ

メデタシめでたし
by みうさぎ (2019-08-07 06:14) 

Rifle

みうさぎさん
はい、その通り。(笑)
by Rifle (2019-08-07 07:27) 

middrinn

たまには失敗ネタが読みたくなってきました(^_^;)
by middrinn (2019-08-07 08:25) 

Rifle

middrinnさん
・・・えっ!?(^ω^; )
by Rifle (2019-08-07 12:54) 

Take-Zee

こんにちは!
失敗ねた・・それも面白い・・・
でも、永遠の技術者には失敗はいけませんね。

by Take-Zee (2019-08-07 17:44) 

Rifle

Take-Zeeさん
失敗するような難しい修理はしない、という話もありますし。(笑)
by Rifle (2019-08-07 18:35) 

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