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アリアプロ2のセミアコSH-1000の簡単な調整(その5:完成) [音楽]

前回からの続き)

 回路もピックアップも全て撤去、ピックアップはまたまたお値打ち価格になっているブルーのLaceのAlumitoneを使う事に。
Lace Alumitone
色の付いたモデルは国内販売されていないので、Lace社から直接購入した。
 Lace社の説明文には「ボリュームポットは250kΩ、コンデンサは0.22μFを推奨」と書かれている。

 ボリュームポットは、シングルコイルには250kΩ、ハムバッカーには500kΩを使うのが一般的だ。
 ピックアップは磁石の周りに細い線をグルグル巻いたコイルで、巻き数に比例して高音域を通し難くなる(インダクタンスが増える為)。また、密着巻きだと巻いている線そのものがコンデンサと同じような構造になって高音域をアースに逃がしてしまい、高音域を減衰させる要因にもなる。
 そのピックアップの直後に繋がるボリュームポットの抵抗値を小さくすると、弦振動を拾ったピックアップからの音声信号は、ピックアップの高い出力インピーダンスの直後に低い入力インピーダンスのボリュームポットを通過する事になる。所謂「ハイ出しロー受け」の状態だから、高音域は減衰して当然、となる。だからこそ、元々高域成分の少ないハムバッカーには500kΩが使われるのである。
 しかし、Alumitone単体のインダクタンスはシングルコイルの半分ほどしかないのでシングルコイルと同じ回路で良い、とLace社では考えているようだ。

 「せっかくの機会だから、わざと1MΩを使って、どんだけ高音が出る音になるのか確かめてみよう。」また、Alumitoneは4芯タイプなので「スイッチ付きポットにしてシングル(コイル)とハムバッカーを切り替えられるようにしよう。」
 そう考えたところまでは良かったのだけれど、スイッチ付き1MΩのポットが国内では見つからない。仕方ないのでネット上を漁って、何とか仕入れる事が出来た。
仕入れた部品
製造拠点が中国らしくて、発注してから自宅に届くまで1ヶ月半近く掛かってしまった。(汗)送料は変わらないという話だったので、ボットの他にピックアップの切り替えスイッチやノブも一緒に取り寄せた。
入っていた部品
部品が揃ったので、作業を進める。

 ピックアップ・エスカッションは表面に細かい傷が多い。前所有者は弾き方が荒かったのだろうか?
エスカッションは細かな傷が多い
液体コンパウンドで軽く磨いたら、まぁまぁ奇麗になった。
磨き終わったところ
弦を緩めてピックアップを取り付ける。
ピックアップを取り付けたところ
裏側の蓋を開けて配線する。トーン回路に使うコンデンサでトーンの利き具合が決まるので、手近にあるコンデンサを仮配線し、アンプから音を出して確認する。
コンデンサを仮配線
トーンのボリュームポットも1MΩの為、色々試してみたけれど小さ目の値が良かった。
音出しで決めたコンデンサ
配線を全てハンダ付けし、ポットにノブを取り付ければ完成だ。
完成したSH-1000 /></a></div>これで普通に使えるセミアコになった。
<div align=完成したSH-1000全景
音出しに使ったアンプはマーシャルLEAD12。このアンプのクリーン・サウンドは元々シャリシャリしているけれど、このSH-1000だと更にシャリシャリ感が増える感じ。それだけSH-1000の出力に高音成分が含まれている、という事になる。人によっては「耳が痛い」と感じるかも知れないレベルだ。
 でも、出ない物はどうしようもないけれど出過ぎる分は削れば良いので、これはこれで良いと思う。

 部品入手に手間取って時間が掛かってしまったけれど、ようやく普通に使えるギターに仕上がった。めでたしメデタシ、である。

(完)
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コメント 2

鶴亀社中

おお~完成ですね。実は私SHのコレクターです。使わなかった部品、分けていただけないでしょうか?何せ40年も前のギターですので、破損や欠品が多いのです。

by 鶴亀社中 (2020-07-19 17:48) 

Rifle

鶴亀社中さん
手放す時は、部品だけでなくて恐らくギターとまとめてになると思います。
機材が増え過ぎて置く場所に困るようになっちゃって、どうしよーか?と悩み中だったりします。
by Rifle (2020-07-20 08:22) 

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