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Manfrotto405ギアヘッドの修理(その2) [カメラ]

(前回からの続き)

 届いた新しいパン棒の分解に取り掛かる。
届いたパン棒を分解中
とにかくマイナスネジが固い。
固いマイナスネジ
1時間かけて作業しても、せいぜいネジ山一つ分を回せるかどうかという感じで、なかなか作業が進まなない。散々時間をかけてスッタモンダした挙句、一ヶ月ほど掛かってようやく分解できた。
分解したパン棒
やっと外れたネジ山を見ると、金属粉の混じったグリスのような物が付いている。
金属粉が混じっているように見える
作業用ペーパータオルで拭ってみたら、どうやら真鍮の粉が混じっているようだった。
真鍮の粉が混じっているらしい
マイナスネジの受け側を見ると、確かに材質は真鍮製らしい。
受け側の材質は真鍮製らしい
ネジ穴をよく見ると、何だか変な形をしている。
ネジ穴の形状が一寸おかしい気がする
普通なら、ネジ山は尖っていて、このような平面の部分は無い筈。何故かは判らないが、意図的にこのような形状にしているらしい。
 ネジ側をよく見ると、丸く凹んだ部分がある。
丸い凹みがある
「何でこんな形状に???」散々考えているうちに「あ、ひょっとして取っ手の部分のイモネジがこの凹みに収まるような設計になってるん?」と気が付いた。もし国内メーカが設計したら、多分イモネジの当たる部分をフラットな形状にするだろうけど、イタリアのメーカは考え方が違うねー。

 分解出来たら、今度は組み立てる。ウォームギアとの噛み合いを固定するバネを突っ込む穴が、外周近くに開けられている。
バネを差し込む穴がある
バネを差し込む。
バネを差し込んだところ
バネの動きをパン棒に伝える樹脂部品をはめる。
樹脂部品をはめたところ
パン棒は軽く組み立てておく。
パン棒を軽く組み立てたところ
ここから先の作業は、youtube上にあった405の組み立て動画を参考にして作業する。
 パン棒をねじ込むが、一旦止まるところまでねじ込んだら二回転緩める。
締め込んで2回転緩めたところ
長いイモネジは樹脂部品に開いている隙間に入るようにする。
イモネジは樹脂部品の隙間に入る
位置が狂わないよう、慎重に締め込む。
締め込んでいるところ
このイモネジは樹脂部品の隙間に入れば良いので、深く締め込む必要は無い。樹脂部品から飛び出ない程度に締め込めばOKだ。
 取っ手を取り付ける際には、グリスまみれの樹脂製ワッシャーを忘れないように。
グリスまみれのワッシャーを挟む
取っ手を取り付ける前に、ネジにある凹みの位置を確認しておく。
ネジの凹みの位置を確認
取っ手をねじ込む。
取っ手をねじ込んでいるところ
この時、一緒にマイナスネジも回ってしまうので、マイナスドライバーなどで回り止めをしておく。
 ねじ込んだら、凹みの位置に穴を合わせてからイモネジをねじ込む。
位置を合わせてからイモネジをねじ込む
ねじ込んだら、パン棒を目一杯右に(画像では奥方向に)回して緩まないように締める。
パン棒ごと締め込む
こうやって文章にすると簡単そうだけれど、実際には何度もねじ込んでは外して、またねじ込んで...というのを1時間近く繰り返し、ようやく納得の行く操作感になった。更に樹脂部品をはめれば、パン棒の組付けはお仕舞である。
 ウォームホイールは、汚れたグリスを拭き取り、グリスを塗り直した。
グリスを塗ったところ
グリスが汚れていた箇所はギアの部分が減っている筈なので、そうでない位置がウォームと噛み合うように調整してはめ込み、アーレンキーで締め込む。
ウォームホイールをはめて締め込む
剥がしたシールは折れ曲がってしまっているので、そのまま貼るのは少々情けない。新品を取り寄せておいて良かった。
左:剥がしたシール、右:新品シール
上側に付いている水準器を見て水平を出してから、シールの位置を合わせて貼る。
位置を合わせてからシールを張る
これで上下動の部分の作業は完了である。

 他の二ヶ所も序でに作業する。
 同じような作業なので画像は撮影しなかったけれど、土台のウォームホイールは全周が灰色のグリスに覆われていたので、拭き取って新たにグリスを塗り直して組んだ。大体スムーズになったのだけれど、一か所だけかなり動きが固い部分がある。実際に使ってみて、撮影に差し障るようだったら部品交換を考える方が良いかも知れない。だから、あえて新しいシールは貼らないままにしておく。
土台部のシールはあえて貼っていない
 左右の傾きを調整する部分も、作業する。ぶつけやすい位置だからなのか、シールに当て傷らしきものがある。
当て傷らしい
分解すると、ギアの1/3ほどが灰色のグリスに覆われていたので、念の為に拭き取る。この部分は摩耗している筈なので、あえてグリスを塗る事はせず、その反対側のギアにグリスを塗り、その部分がウォームに噛み合うように組み立てた。動作がスムーズになった。
 これで作業は全て完了である。とりあえず何とか直せたのでホッとしている。

 修理の方法を細かく解説した動画がyoutubeにあったので、それを見て修理し始めた。
 動画では、マイナーチェンジ後の同じモデルをすんなりと組み立てていて、馬鹿力が必要そうには到底見えない。それに、いくら重量のあるマンフロット製品と言ってもネジ類を極端に固くする理由は無いので「まーぁ大した作業じゃないよな」と思っていた。
 ところが、パン棒を貫くマイナスネジが異様に固くて将に想定外、「大きな間違い」だとやっとこさ気が付いた。でも、部品を取り寄せてしまったし、修理を依頼すると2万円ほどかかるらしいので、今更手を引く事は出来なかったのである。お陰で、たかが一つの部品を分解するのに、1か月も悪戦苦闘する羽目になってしまった。
 少ない工具で頭を使いつつ、全身の力を込めて回せば何とか回るという固さで、今までのネジの中では最も固かった。冗談抜きで「梃子を原理にした大型マイナスレンチもどきを作ろうか?」と思い悩んだほどだった。
 やたらと時間がかかったけれど、最終的には何とか分解出来て良かった。目出度しメデタシ、である。
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Take-Zee

おはようございます
最近は難しい修理が多いので・・・
ど素人にはコメントしずらいです("^ω^)・・・
もちろんクレームではありません、
コメントできないいいわけです!

by Take-Zee (2022-02-23 09:05) 

Rifle

Take-Zeeさん
この雲台は過去最高難度の修理、組み立ても難しく、おおじょこいた(困り果てた:尾張弁)んですよ。
動画では簡単そうなのに、実際やってみると難しいの何のって。(汗)
だから、この記事を見て分かって貰えるかどうかは、正直自信が無かったりします。(滝汗)
by Rifle (2022-02-23 09:55) 

みうさぎ

かなり手こずったのですね
頑張ったね めでたし~
良かったね
by みうさぎ (2022-02-23 16:41) 

Rifle

みうさぎさん
ネジがなかなか緩まないのには、本当に参りました。(x_x;)
でも最終的には直せたのでホッとしてます。(^^;)
by Rifle (2022-02-23 17:22) 

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