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懐かしのラジカセ:ソニー「エナジー99」CFS-99のオーバーホール(その2) [音楽]

(前回からの続き)

 少々間が開いてしまったのだけれど(汗)、オーバーホール作業を始める。先ずはスイッチとスライドボリュームから。
スライドボリューム
基板から取り外して
基板から外したボリューム
分解する。
ボリュームを分解
昭和の時代の製品だけに、接点は黒く汚れている。
接点は汚れている
NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で奇麗に磨いて、元通りに組み立てておく。
接点を磨いたところ
一通り終わったら、劣化した電解コンデンサを取り換える。容量の小さいコンデンサは見ただけでは劣化しているかどうかは分からない。
電解コンデンサ交換前
けれど、30年以上経過しているので、問答無用で交換した。
電解コンデンサ交換後
コンデンサの数が多いと交換するのも結構な手間となる。
電解コンデンサ交換前

電解コンデンサ交換後

電解コンデンサ交換前

電解コンデンサ交換後
筐体は汚れているので、外して台所用洗剤で洗った。
筐体を洗い終わった後
電源ボタンがグラグラするのでよく見たら、付け根が割れている。
電源ボタンは割れている
G17ボンドで接着して丸一日放置したら、ちゃんとくっ付いた。
ボンドで補修したところ
上面パネルも汚れているので、分解して洗う。
上面パネルを外したところ
スピーカー部は裏側からネジで留めてあるだけだ。
スピーカーはネジ止めされている
分解したら、結構埃が溜まっていた。
埃が溜まっている
スピーカーグリルが凹んでいるところは、慎重にたたき出して修正した。
修正前

修正後
スピーカーはソニー製だ。
スピーカーはソニー製
電解コンデンサも新しくして元通りに組み立てる。
組み立てたスピーカー部
アンテナを分解すると、状態はそこそこ良さそう。
アンテナを分解したところ
ワッシャーは表面が少し酸化しているので、磨いて奇麗にしておく。見ればわかると思うけれど、左が磨く前、右が磨いた後である。
左が磨く前・右が磨いた後
一通り作業を終えたら、元通りに組み立てて完成である。
完成したCFS-99

 作業は終わったけれど、日立TRKシリーズやBOSEのAW-1とは音の傾向がかなり違う。やや元気な音、所謂「ソニーサウンド」である。
 聴感では中音域と高音域を少し盛ったように聞こえるけれど、自分の耳だけでは説得力が無いと思う(滝汗)ので、ちょいと測定してみる事に。使うのはNTIのMR-1・ベリンガーのECM8000とDEQ2496である。
測定機材
なお、ECM8000は実測校正していないし、DEQ2496も同様なので、あくまでも参考と言う位置付けである。MR-1の出力は+4dBuで、一般的なオーディオの-10dBVではないので一寸注意が必要だ。

 まず、測定環境で音を全く出さない状態で測定する。
音が何もない状態で測定
これが機材も含めた環境雑音である。
 次にあんまり使い道は無いのだけれど、ホワイトノイズで計測してみる。
ホワイトノイズで計測
まぁまぁ予想通り・・・かな?
 さて、本来のピンクノイズで測定すると、こんな感じ。
ピンクノイズで測定
見事に蒲鉾型の周波数特性となっている。
 手作業なのでかなりいい加減なのだけれど(汗)、ピンクノイズ測定結果から環境雑音分を引き去ると、大まかな周波数特性が見える。
CFS-99周波数特性
ウーファーは20cmだけれど、筐体サイズは決して大きくない為、低音域はスコンと削れている。エレキベースの4弦開放(最低音)は41.203Hzだから、4弦ベースの音ですらまともに再生できない。コスト制約が厳しいラジカセに低音を求める事自体が無理なんだろうねー。
 ツイーターがあるお陰なのか、高音域はそこそこ伸びている。メタルテープ発売前だから、これだけ高音域が出ていれば十分という気もするなー。

 結局ラジオ左側の音が出ない不具合は相変わらずだけれど、とりあえず普通に使える状態となった。目出度しメデタシ、である。

(完)
タグ:ラジカセ
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歳三君

今なら積層基盤で作るのでしょうけど
30年以上も前だと配線が多いですねw

by 歳三君 (2023-12-10 21:23) 

Rifle

歳三君さん
当時はチップ部品も高かったんで、単層基板で実装密度が低いんですよね。
でも、そのお陰である程度はメンテナンスできます。
ただ、配線は外す時に全部記録しておかないと「この線ってどこに繋ぐんだっけ?」ってなっちゃったり。(汗)
by Rifle (2023-12-19 09:09) 

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