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試乗:カワサキZ1000他 [バイク]

 毎月購入している東海地方のバイク情報誌「バイクガイド」に、カワサキのバイク試乗会の情報が載っていた。会場は豊田市にあるバイク店「トーカイオート 豊田店」で、今週と来週の土日にカワサキのバイク7車種が試乗できるらしい。早速電話で問い合わせたら「バイクに乗る服装でお店に来て戴ければすぐに試乗できます」という返事だったので、今日早速R1200Cで試乗に出かけた。

 お店の位置は東名道の豊田JCTの直ぐ近く。しかし、JCT周辺は土日は必ず渋滞するので東海環状道を使う。一宮木曽川ICから一宮JCT、小牧JCT、土岐JCTを抜けて東海環状道に入り、そのまま進んで豊田東ICで降りる。お店はICからバイクで5分位の位置にある。トヨタ自動車(余り良い思い出が無い)の元町工場の目の前にあるので判り易い。お店の周辺は、工場以外は田圃が広がっている。
トーカイオート豊田店駐車場からの眺め
 試乗コースはお店の近くの県道を走り繋いで7分程で一周するようになっている。流れの良い所とそうでない所が含まれているので一般道でのツーリングや日常での使い勝手が良く判る。
 一人で3台まで試乗できるそうなので、ER-6nと同じエンジンのER-6f、それから「元々対象にはしていないけど折角だから乗って見るかな」とZ1000、更に「ちょっと面白そうだから」エストレヤに試乗することにした。

 先ずは250ccのエストレヤから試乗する。
 このバイクは今時珍しいロングストロークの単気筒だが、車重は意外に重くてカタログ上では160kgとなっているが、実際の取り回しではもっと軽いように感じる。跨って見ると、ステップの位置がやや高く、ハンドルの絞り角も少なくて、不思議感じの乗車姿勢になる。乗ったことは無いが古いバイクに似たポジショニングなのだろうか。シート高は735mmと低いので、両足の踵がベッタリ地面に付いて、更に膝が軽く曲がる。
 走り出して見ると、加速感はそれなり。ほのぼのというかモッサリした感じだが、アクセルを開ければそれなりに車速も上がるので、後続の車に煽られたりしても困ることは無いだろう。60km/hだとタコメータは3400rpm辺りで、思ったより回転数が低く、振動もあまり感じられない。これなら長距離でも疲れは少ないだろう。ただ、出力が15kWしかないので、高速道は辛そうだなぁ。

 次はER-6fだ。
 海外向けの650ccのツインエンジンで、車重は178kgと結構軽い。跨ると、ポジションはロードモデルによくある感じと同じだが、ややステップの位置が高く感じる。ハンドルはスーパースポーツに比べればだいぶ手前にあるのでごく軽い前傾姿勢となる。シート高は790mmあるが、両足の踵がほぼ地面に付くので、跨ったままバックさせるのは簡単だ。
 走り出すと、車体を軽々と加速させ、軽快で小気味良い。コーナーでも車重を感じさせず、これなら細い舗装林道でも臆せず走れそうな感じがする。60km/hだと液晶表示のタコメータは2800rpmほどしか回っておらず、振動も殆ど感じられない。マフラーからの図太い音が聞こえて来るものの、結構静かだ。試乗中に前を走る軽トラックがゆるい登り坂になっている所で何故か減速したのでトップギアのまま45km/hほどまでに速度が落ちたが、それでもガクガクしたりせず、ジワリとアクセルを開くと何事も無かったかのように速度を少しずつ増して行く。実にフレキシブルなエンジンで、飛ばさなくても十分に楽しめそうだ。出力が53kWあるから、高速道でも余裕で走れそう。

最後はZ1000。
Kawasaki Z1000
1リッタークラスになるこのバイクはネイキッドに分類されることが多いが、一見400ccをちょっとゴツくしたような感じで大排気量車にありがちな威圧感は余り感じられない。跨って見ると、いかにもスーパースポーツという感じでは無く、どちらかというと250ccより少し大きいという程度だが、視界に入るタンクの大きさがリッタークラスであることを主張している。シート高は820mmと3台の中では一番高いが、足付きはER-6fと同じで、両足の裏全体がなんとか付く。ハンドルは跨ってそのまま手を伸ばすよりもほんの少し手前にあるような感じで、乗車姿勢はとてもゆるい前傾となる。
 走り出して先ず驚いたのが、ER-6f以上のフレキシブルさだ。走行中は3000rpmまで回さなくとも十分に速い。60km/hでトップギアに入れたままだと2700rpmほどで、振動は全く感じられずエンジンは粛々と回っている。この手のエンジンを搭載するバイクは「もっと回転数を上げろ」とでも言ってるかのように乗り手を急かすのが多いのだが、このZ1000は一定速度で走っても快適で、乗り手にストレスを全く感じさせない。そのまま速度を45km/h程度まで落としてもエンジンはスムーズに回り続け、そのままアクセルを開ければ手の動きに比例して速度が上昇して行く。カタログ上の車重は205kgだが、走行中でもコーナーでも全く意識させず、実に軽快である。例えば、ZZR1100やR1200Cでは「やっぱ、止めとこ」と思うような細い田圃の畦道や舗装林道でもそのまま走ってしまえそうな位だ。これには正直言って目から鱗が落ちた。これなら以前試乗した690Dukeとそんなに変わらないナーと思う。

 試乗を終えると、店の人が「はい、どうぞ」とカキ氷を出してくれた。非常に暑いので、これは大変な御馳走だ。早速、有難く頂く。
 バイク関係のお店は、店員がタメ口だったり妙になれなれしかったりと、「お前ら接客って何か判ってるんかよっ!」と怒鳴りたくなる店が多いのだが、このお店は店員全てが実に紳士的で、非常に好感を持てた。イマドキこれだけ従業員教育が行き届いているお店は珍しい。

 お礼を述べてお店を後にし、豊田東ICから東海環状道に入る。電光表示板に依ると、東名道は相変わらず渋滞、中央道も小牧JCT周辺が渋滞しているので、少し遠周りにはなるがそのまま進んで美濃関JCTから東海北陸道に入り、一宮木曽川ICで降りた。今日の走行距離は212km。ほぼ100%高速道なので本来は燃費が良い筈なのに、気温が高かったせいかあまり伸びず、19km/Lだった。

 R1200Cは良いバイクではあるが、如何にせむその重さが災いして、細い道路や路面が良くない所では持て余すことが多い。来年4月に車検となるので、それを期に乗り換えようかと考えていて色々試乗しているのだが、正直言ってZ1000というバイクは対象外であった。その理由は「リッタークラスは重い」という思い込みがあったのと同時に、以前乗っていたZZR1100の「乗り易いんだけど車格が大きくて気を使う」というイメージが残っていたからだ。が、今回の試乗で印象がガラリと変わってしまった。「Z1000って凄く良いぢゃん」と思ったのである。(笑)いやぁ、先入観って恐ろしいですねぇ。(爆)
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番茶犬

大型取立て&へたれモノです^^;

過去に乗っていたKawasakiも見なきゃ。と思っていたので参考にさせて頂きました。昨日は、ヤマハ逆車試乗会に行き、う~んと唸ったばかりです^^;
by 番茶犬 (2010-08-29 07:52) 

Rifle

> 番茶犬 さん
拙者もXJ6試乗記を参考にさせて戴きました。
「買うまでが一番楽しい」なんて良く言われますが、試乗せずに買うのは一寸怖いし、試乗できるバイクそのものの数が非常に少ないのが悩みの種です。
by Rifle (2010-08-29 15:11) 

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