MTBもどきの通学スペシャル再作成（その2：交通事故編） [自転車]
（前回からの続き）
フロントのブレーキワイヤーを交換した三日後、いつもなら帰ってくる時間になっても学校から帰って来ない。「友達の家にでも寄り道しているのかな」なんて思っていたが、いつも帰る時間から1時間以上経っても帰って来ない。流石に「幾ら何でもおかしい」と思っていたら、電話が鳴った。
案の定、電話から聞こえてくるのは子供の声だが、第一声「事故っちゃった」の一言を聞いて「何だって！？」
慌てて妻と一緒に事故現場へ車で駆けつける。場所は自宅から700mほど離れた隣の学区にある小学校のすぐそばで、近くに大規模マンションがあって細い割りに交通量の多い道と、住宅街を走り繋ぐとても細い路地が交差する所である。友達と一緒に帰って来た為、いつもの通学路とは違う道を通ったようだ。
子供が通って来た道の左側にはやや高い塀が続いていて、交差する道の左側は全く見えない。ということは、相手のワンボックスタイプの軽自動車からも交差点の右側は見えない訳だ。我々が到着したら、すぐに警官も到着した。軽自動車を運転していた女性が呼んだらしい。
子供の話によれば、「止まれ」の標識があるので一旦速度を極端に落として事故の起きた交差点に近づいたら、「営業車らしきバン」がサーッと目の前を横切って行った後、カーブミラーを見て車が来ていないことを確認してから自転車のペダルを踏み込んだら、突然黒い軽のワンボックスが突っ込んできた。
慌ててフルブレーキをかけたが間に合わず、自転車のフロントタイヤが軽自動車の右前方に当たってそのまま自転車は倒れた。子供はとっさに両足を付いて転ばなかったものの、軽自動車の運転席側ドア後方に左肩が当たったという。子供曰く「前を走っていた営業車にくっついてそのまま走ってきたみたいで、ノーブレーキだった」と。
運転していた女性は「交差点に差し掛かる直前に突然自転車が飛び出してきたのでブレーキを踏むことが出来ず、やむを得ずハンドルで避けたけれど当たった」と、いかにも「体が一寸当たっただけで何とも無いんでしょ。ワタシの車は傷付いて凹んだのよ。どうしてくれるのよ、あんたが悪いんでしょ！」と言わんばかりの口振りである。
警官の指示で子供の怪我を確認すると、左肩にちょっとした打撲傷があるものの、他には目立った外傷は無い。雨で合羽を着ていたことから、雨が潤滑剤・合羽が緩衝材となって傷が少なかったのかも知れない。
でも、事故によるものは翌日以降に段々と痛くなったり腫れてきたりするのが普通で、拙者自身も中学一年の帰宅途中に車に撥ねられた時も翌日あちこちが腫れ上がった経験があることから、今大丈夫だからといっても親としては「もう大丈夫です」とは言えない。左肩が車と接触していることから、左の腰・膝・踵に後日不具合が出てくる可能性が否定できない。
警官も、外傷が少ないことから物損事故として扱う積りだったようで、子供と運転していた女性の双方から聞き取り書類に書き込んで、「物損事故ならこれで現地調査はお仕舞いですが、もし人身事故扱いを希望されるのであれば事故調査係を呼んで現場検証を今済ませる方が早く済むと思います。後で人身事故にするとなると、もう一度両方の方に来て頂いて、改めて現場検証することになる場合もあります。どうされます？」拙者としては、過去の自分自身の経験と、相手の女性の態度にカチンと来たこともあり、「今は大丈夫そうに見えても後日症状が出る可能性も多いにあるので、お手数ですが調査係の方もお願いします」と答えた。
20分弱で事故調査係の警官2名が到着。
警官の一人が相手の女性から話を聞きながら位置や距離を測定して書類に書き込み、もう一人が子供から話を聞きながら状況と位置を確認しながら何やら書類を書いている。子供は警官に「止まれという標識は、自転車の速度を落とすだけでなくて、一旦足を付いて止まることが基本だよ」と言われていた。
少し離れた所で警官に話をしている相手の女性を見ると、初めのうちは単に説明しているだけの様子だったが、段々と警官の態度が厳しくなっていき、相手の女性はしどろもどろになっていった。
離れている上に時々風が吹くので、ハッキリとは聞こえない部分も結構あったが、「あぁ、こりゃ自分に都合の良いことばかりを言って、警官から矛盾点を指摘されてるな」と感じた。
「今日は物損事故として受け付けますが、人身事故扱いにする場合は病院の診断書が必要となりますので、6日以内に電話下さい」という説明を受け、現場検証は40分程度で終わった。既に19時近くだったので、整形外科や外科のある病院はもうやっていない。念の為に近くの医院へ行ってみたが「整形外科に掛かって下さい」と言われてしまった。
翌朝、案の定、左の膝がパンパンに腫れ上がり、曲げると痛いと言う。左膝以外にも左肩に擦過傷、左踝に打撲があるが痛みは感じないというので軽症らしいが、学校へ行く前に整形外科へ連れて行った。
レントゲン撮影の結果、どこにも骨折は無いが、膝は内出血で腫れているとのこと。ただ、出血の量は幸いにも少ないようで、注射器で吸い出す程ではないそう。でも、動かすと出血してしまうので、ギプスで固定することになった。一週間経てば出血が収まるのだそうな。
翌日、ギプスに小さな窓を開けて血流を増やす処置ができるようにし、毎日通うことになった。
一週間後、ギプスを縦半分にカットした。膝はまだ大きく腫れているが、医師曰く「今溜まっているのは水で、血では無い筈です。注射器で吸い出して確かめて見たい気もしますが、既に一週間経過していますし、これからは湿布薬なども使えるようになりますから、自宅で静かにしている時以外はギプスで固定して、溜まっている水をこれ以上増やさないよう減らしていくことが大切です。今日からお風呂にも入れますよ。」
医師に人身事故扱いにすべきかどうかを尋ねたら「これだけ腫れがありますから、ぶつかった時の衝撃は大きかった筈です。後々別の場所で痛みが出ることもありますし、実際数ヵ月経ってから症状が出たという方も居ますから、人身事故にすべきでしょう。」早速診断書も書いて貰った。
ギプスを外せるようになったので、電気治療も併せて行うことになった。毎日授業後に病院へ通う日が続く。
警察には人身事故とすることを電話で伝え、翌日警察署へ診断書を提出した。
今回の事故で、通学に使っていた自転車は使えなくなった。
この画像は、通学用に取り付けた部品を全て取り外した後に撮影したのでスッキリしている。
一見不具合は無さそうに見えるが、フロントのサスペンションはフルボトムしたままで固まった状態になっていて、良く見ると僅かに「く」の字状に曲がっている。また、フロントもリアもタイヤリムが部分的に曲がっていて、ブレーキパッドが当たってしまう。残念ながら廃棄する他無さそうだ。
数ヶ月に亘って色々と考えたり、あちこちのホームセンターを彷徨って部品を探し回ったり、散々苦労して取り付けたりして通学スペシャルに組み上げたのに、3ヶ月弱でオシャカになってしまったのには、正直言って「ガックシ![[もうやだ～（悲しい顔）]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/143.gif)
」である。
未だ足の腫れは完全には治っておらず、自転車で通学を再開するのはまだまだ先になりそうだが、通学用の自転車を改めて用意しなければならない。参ったなぁ...。
（続く）
フロントのブレーキワイヤーを交換した三日後、いつもなら帰ってくる時間になっても学校から帰って来ない。「友達の家にでも寄り道しているのかな」なんて思っていたが、いつも帰る時間から1時間以上経っても帰って来ない。流石に「幾ら何でもおかしい」と思っていたら、電話が鳴った。
案の定、電話から聞こえてくるのは子供の声だが、第一声「事故っちゃった」の一言を聞いて「何だって！？」
慌てて妻と一緒に事故現場へ車で駆けつける。場所は自宅から700mほど離れた隣の学区にある小学校のすぐそばで、近くに大規模マンションがあって細い割りに交通量の多い道と、住宅街を走り繋ぐとても細い路地が交差する所である。友達と一緒に帰って来た為、いつもの通学路とは違う道を通ったようだ。
子供が通って来た道の左側にはやや高い塀が続いていて、交差する道の左側は全く見えない。ということは、相手のワンボックスタイプの軽自動車からも交差点の右側は見えない訳だ。我々が到着したら、すぐに警官も到着した。軽自動車を運転していた女性が呼んだらしい。
子供の話によれば、「止まれ」の標識があるので一旦速度を極端に落として事故の起きた交差点に近づいたら、「営業車らしきバン」がサーッと目の前を横切って行った後、カーブミラーを見て車が来ていないことを確認してから自転車のペダルを踏み込んだら、突然黒い軽のワンボックスが突っ込んできた。
慌ててフルブレーキをかけたが間に合わず、自転車のフロントタイヤが軽自動車の右前方に当たってそのまま自転車は倒れた。子供はとっさに両足を付いて転ばなかったものの、軽自動車の運転席側ドア後方に左肩が当たったという。子供曰く「前を走っていた営業車にくっついてそのまま走ってきたみたいで、ノーブレーキだった」と。
運転していた女性は「交差点に差し掛かる直前に突然自転車が飛び出してきたのでブレーキを踏むことが出来ず、やむを得ずハンドルで避けたけれど当たった」と、いかにも「体が一寸当たっただけで何とも無いんでしょ。ワタシの車は傷付いて凹んだのよ。どうしてくれるのよ、あんたが悪いんでしょ！」と言わんばかりの口振りである。
警官の指示で子供の怪我を確認すると、左肩にちょっとした打撲傷があるものの、他には目立った外傷は無い。雨で合羽を着ていたことから、雨が潤滑剤・合羽が緩衝材となって傷が少なかったのかも知れない。
でも、事故によるものは翌日以降に段々と痛くなったり腫れてきたりするのが普通で、拙者自身も中学一年の帰宅途中に車に撥ねられた時も翌日あちこちが腫れ上がった経験があることから、今大丈夫だからといっても親としては「もう大丈夫です」とは言えない。左肩が車と接触していることから、左の腰・膝・踵に後日不具合が出てくる可能性が否定できない。
警官も、外傷が少ないことから物損事故として扱う積りだったようで、子供と運転していた女性の双方から聞き取り書類に書き込んで、「物損事故ならこれで現地調査はお仕舞いですが、もし人身事故扱いを希望されるのであれば事故調査係を呼んで現場検証を今済ませる方が早く済むと思います。後で人身事故にするとなると、もう一度両方の方に来て頂いて、改めて現場検証することになる場合もあります。どうされます？」拙者としては、過去の自分自身の経験と、相手の女性の態度にカチンと来たこともあり、「今は大丈夫そうに見えても後日症状が出る可能性も多いにあるので、お手数ですが調査係の方もお願いします」と答えた。
20分弱で事故調査係の警官2名が到着。
警官の一人が相手の女性から話を聞きながら位置や距離を測定して書類に書き込み、もう一人が子供から話を聞きながら状況と位置を確認しながら何やら書類を書いている。子供は警官に「止まれという標識は、自転車の速度を落とすだけでなくて、一旦足を付いて止まることが基本だよ」と言われていた。
少し離れた所で警官に話をしている相手の女性を見ると、初めのうちは単に説明しているだけの様子だったが、段々と警官の態度が厳しくなっていき、相手の女性はしどろもどろになっていった。
| 警官： | 「スピードは嘘つきませんよ。 その速度なら一秒間に4.6m進むから、 自転車は自動車の下敷きになっている筈ですよね！」 |
|---|---|
| 女性： | 「エーッ、じゃぁもっと前かなぁ？」 |
| 警官： | 「だとしたら、ハンドルで避けるというのはおかしいですよね！？ ブレーキを踏んで止まれる筈でしょ？」 |
| 女性： | 「エーッ、じゃぁもっと後・・・かな・・・」 |
| 警官： | 「そうでないと辻褄が合わないですね！ だからブレーキを踏んだのはもっと後です。」 |
「今日は物損事故として受け付けますが、人身事故扱いにする場合は病院の診断書が必要となりますので、6日以内に電話下さい」という説明を受け、現場検証は40分程度で終わった。既に19時近くだったので、整形外科や外科のある病院はもうやっていない。念の為に近くの医院へ行ってみたが「整形外科に掛かって下さい」と言われてしまった。
翌朝、案の定、左の膝がパンパンに腫れ上がり、曲げると痛いと言う。左膝以外にも左肩に擦過傷、左踝に打撲があるが痛みは感じないというので軽症らしいが、学校へ行く前に整形外科へ連れて行った。
レントゲン撮影の結果、どこにも骨折は無いが、膝は内出血で腫れているとのこと。ただ、出血の量は幸いにも少ないようで、注射器で吸い出す程ではないそう。でも、動かすと出血してしまうので、ギプスで固定することになった。一週間経てば出血が収まるのだそうな。
翌日、ギプスに小さな窓を開けて血流を増やす処置ができるようにし、毎日通うことになった。
一週間後、ギプスを縦半分にカットした。膝はまだ大きく腫れているが、医師曰く「今溜まっているのは水で、血では無い筈です。注射器で吸い出して確かめて見たい気もしますが、既に一週間経過していますし、これからは湿布薬なども使えるようになりますから、自宅で静かにしている時以外はギプスで固定して、溜まっている水をこれ以上増やさないよう減らしていくことが大切です。今日からお風呂にも入れますよ。」
医師に人身事故扱いにすべきかどうかを尋ねたら「これだけ腫れがありますから、ぶつかった時の衝撃は大きかった筈です。後々別の場所で痛みが出ることもありますし、実際数ヵ月経ってから症状が出たという方も居ますから、人身事故にすべきでしょう。」早速診断書も書いて貰った。
ギプスを外せるようになったので、電気治療も併せて行うことになった。毎日授業後に病院へ通う日が続く。
警察には人身事故とすることを電話で伝え、翌日警察署へ診断書を提出した。
今回の事故で、通学に使っていた自転車は使えなくなった。
数ヶ月に亘って色々と考えたり、あちこちのホームセンターを彷徨って部品を探し回ったり、散々苦労して取り付けたりして通学スペシャルに組み上げたのに、3ヶ月弱でオシャカになってしまったのには、正直言って「ガックシ
」である。未だ足の腫れは完全には治っておらず、自転車で通学を再開するのはまだまだ先になりそうだが、通学用の自転車を改めて用意しなければならない。参ったなぁ...。
（続く）
夕暮れ時に無灯火の黒っぽい自動車は カーブミラーでは視認不可能なことがあります。
お子様には「後続の自動車が無い」ように見えたのでしょう。その点も確認して警察に連絡された方がよいと思います。
私もカーブミラーで「自動車が居ない」と確認したはずなのに角を曲がりかけたらいきなり自動車が前を通過して あやうく轢かれそうになったことがあります。
by 猿画堂 (2012-07-08 10:56)
猿画堂 さん
軽自動車はかなりスピードを出ていたようで、カーブミラー視野外であったことは警察も現場で確認していました。
カーブミラーだけでなく、実際に見ることが重要ですね。
by Rifle (2012-07-08 14:11)
大変な目に遭われましたね。
一日も早く回復されますように。それと、大人のズルさに幻滅しませんように。
by たま (2012-07-08 19:58)
たま さん
お心遣い有難う御座います。
膝の方は日にち薬でしょうから、気長に治療を続けようと思います。
by Rifle (2012-07-08 20:10)
お見舞い申し上げます。
しかし自分に非があるドライバーはだいたいこのような態度をとりますね。
しばらくは不自由ですが早く治ってほしいです。
by たくや (2012-07-09 16:14)
たくや さん
お心遣い有難う御座います。
それにしても、この手のドライバー特有の態度なのでしょうかねぇ。
腫れはだいぶ引いてきましたが、まだ力を入れると痛いようで、もう一寸時間が掛かりそうです。
by Rifle (2012-07-09 18:34)
Σ(￣□￣;)!!
大変なことに！
お子も大変だけど、心配でなりませんね。
後遺症などが出ませんように。
by つなみ (2012-07-10 09:41)
つなみ さん
お心遣い有難う御座います。
今のところ順調に回復していますが、医師から「数ヵ月経って症状が出る場合もある」と言われて（脅されて？）いますので、安心せず注意深く見守っていこうと思います。
by Rifle (2012-07-10 20:43)