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スピーカーのケーブル交換 [音楽]

 2階の部屋で使っているオーディオのサブセットは、以前にスピーカーの裏側を覗いた時「ありゃりゃ、ケーブルに緑青が出てるなー」と気付いてはいたが、音が出ない訳ではないのでそのままにしてあった。
自宅2階のサブ・オーディオセット
しかし、ここ一ヶ月ほどはスピーカーの端子を何度ねじ込んでも暫くすると緩んでしまうという状態になり、ようやく「ケーブルを交換しよう」とホームセンターでケーブルを買ってきた。
1.6mm VVFケーブル
安く売られている屋内配線用のVVFケーブル(太さ1.6mm)である。定格は600V18Aだから、オーディオ程度の電力なら十分過ぎる。
 ケーブルに限らず、「オーディオ用」と称して信じられない程の高値で売られている製品はとても多いし、オーディオ評論家を「自称」する連中や雑誌が具体的な根拠を示さないまま「高い製品は良い」などと煽るもんだから「オーディオ用は高くて当然」という間違った風習が国内に蔓延しているみたいだが、残念ながら(?)拙者はそういったものとは全くの無縁である。

 今まで使っていたケーブルはBELDENのM STUDIO727mk2で、名古屋・アメ横でたまたま安く売っていたのを何気なく購入して使っていた。
BELDEN M STUDIO727mk2
全体に緑青が出ていて見た目にも古く感じるし、被覆の透明な樹脂も劣化しているのか、少しメトメトしている。
BELDEN M STUDIO727mk2
念の為に抵抗値を測ったが、60cmで0.3Ωと新品の時と変わらなかった。
BELDEN M STUDIO727mk2の抵抗値(0.6m)
序でに、容量も測ってみる。
BELDEN M STUDIO727mk2の容量(0.6m)
デジタルテスターによる簡易計測だから精度は高くないものの、案外と容量は大きくて11nF(国内風に言えば110pF)もある。ちなみに、新しい方のVVFケーブルも測ってみたら、2倍の22nFだった。

 ケーブルによる音の違いは良く耳にするし、オーディオ評論家や雑誌がケーブルの被覆材質や配線材質について感覚的な表現で煙に巻いている部分でもあるが、
# 具体的な根拠なんて無いから、感覚的な表現を使って誤魔化す以外に手が無いんですけどねー...
実際にはこの容量や抵抗値(それから表皮効果も)の方が影響は大きい(と言っても知れてるけれど...^^;)。言い換えると、ケーブルはコンデンサと抵抗を使った回路に、専門用語を使えばケーブルは時定数回路に置き換えられる。具体的には、ケーブルの抵抗成分と容量成分で積分回路を形成しているのと同じである。
 積分回路はローパスフィルターそのものなので、ケーブルを変えて容量が換われば音も変わっておかしくは無い。なお、一般的な銅やアルミを使っていて極端に細い線でなければ、製品による抵抗値の差は殆ど無く、有ったとしても誤差の範囲に収まる。
 実際に計算してみれば判るけれど、明確な影響が出てくるのはMHz辺りで、せいぜい20kHzまでのオーディオ用途では有意差があるとは考え難いという気もする。少し事情は違うけれど、表皮効果についても同様である。音に関わる他の要因としては、接点で起きる電蝕の方が影響が大きいかも知れない。

 電蝕は、簡単に言えば種類の違う金属と接する部分で起きる化学反応の事で、反応が起きると電気抵抗が上がったり、擬似的なコンデンサが出来上がって容量が増えたりする場合がある。
 オーディオ界では「エージング」と称して、機器やケーブルを接続してから音が安定するまでの暫くの間はとにかく使い続けるという事が当り前になっている。回路に含まれる電解コンデンサなどの部品が動的な状態に置かれ、回路内で発生する熱や電圧などで僅かに変化して行き、その変化が落ち着くまでの間は僅かながらも変化し続けるので、それを指して「エージング」と言っているのだろうが、電蝕もこれに大きく関わっていると考えられる。

 ...机上の話を幾ら考えていても何も始まらないので、配線を取り替える作業を進めよう。
VVFケーブルとBELDEN M STUDIO727mk2
左がVVFケーブル、右がBELDENで、BELDENの方は先端まで線の表面が劣化している。恐らく、劣化による表面の錆が摩擦材となって、スピーカー端子をねじ込んだ時は良かったけれど、時間が経つに連れて表面の錆が少しづつ取れて隙間が出来てしまい、その結果として緩んだのでは?と思う。
 VVFケーブルの被覆を剥いて、必要な分だけ芯線を出す。
VVFケーブルの芯を出す
実際に配線するまでは、切り離した被覆を被せておく。これは、指先の皮脂などが元で電蝕を発生させない為である。配線する前に抵抗値を測ると、BELDENと同じだった。
VVFケーブル0.6mの抵抗値
芯の断面積を考えるとVVFケーブルの方が抵抗値が高くても不思議では無いだけに、これは一寸意外だった。
 芯をペンチで曲げてCrownのD-45に接続する。
Crown D-45の背面
なお、CrownのDシリーズは既に生産が終了しているので、今まで以上に壊さないように注意して使わねばならない。

 接続後に音を出してみたけれど、明確な差は感じられなかった。
 こういったことを書くと「お前の耳が悪いからだ」とすかさず突っ込んでくる人工無能(要するに莫迦)が沢山居るかも知れないが、たかが0.6mの配線を入れ替えた程度で音が変わるなんてことはまず無い筈で、もし変わるのなら、それは接続の状態が悪かったり、機材に何らかの問題があったり、いずれにしても配線そのもの以外に原因があると考えるべきだろう。
 入れ替えて1日しか経っていないけれど、今のところ端子が緩むことも無く普通に使えているので、これで作業完了としよう。
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コメント 4

つなみ

こんにちは(⌒∇⌒)ノ"
使えるようにしちゃったのですね。
すごいなあ(*´∇`*)
by つなみ (2013-05-14 16:50) 

Rifle

つなみ さん

いえいえ、大したことないですよ。(^^;
by Rifle (2013-05-14 17:53) 

ブルル

私もVVFケーブルが余っているので
試聴テストしてみますw
さてさてどうなることやらww
by ブルル (2013-05-15 10:26) 

Rifle

ブルル さん

大して違わないと思いますよ、多分...違ったら違ったで怖いような気もしますけどネ。(笑)
by Rifle (2013-05-15 20:18) 

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