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ジャンクなRATを入手! [音楽]

 一年近く前にエレキギター用ディストーションの「Proco RAT」について書いたが、先日「動作しないジャンク品」として出ていたRATの本物を入手できた。フットスイッチとボリウムのノブが3つとも無く、更に電池ボックスの蓋を止めるネジが欠けている。
ジャンク品のProCo RAT(ver.L)
なお、正確に言えば、動作中であることを表示する赤いLEDが追加され、それに伴ってミレニアムバイパス化された「RAT2」というモデルである。早速、昔を思い出しながら基板を調べる。基板の銅箔面を見ると、以前自分が所有していた物とは随分と違い、しかも文字まで入っている。
ProCo RATの基板の部品実装面
会社名、オリジナル回路の設計時期と思われる「12/86」という文字、そして「THE BADDEST BOX FOR THE BADDEST AXE REV.L」という、
# あえて訳すと「最悪な斧(エレキギター)の為の最悪の箱」って感じ。
少々フザケ気味の表記もある。ここで注目したのが「REV.L」の部分である。

 ネット上で検索すれば分かるけど、RATには生産時期によって細部が違うので、使われている部品や本体ケースを調べればいつ頃生産されたかが分かる。どうやら、「REV.L」はRAT2用の基板らしい。
ProCo RATの基板ハンダ面
使われているオペアンプはモトローラのLM308Nである。ボリウムポットに「R1379250」とあるので、このボリウムは有名なCTS製で92年の生産と分かる。だから、このRAT2もその時期に生産されたものということになる。
 基板の配線をトレースして回路図を起すと、こんな感じ。
ProCO RAT Ver.L 回路図
ネット上のあちこちに落ちている回路図とほぼ同じだが、コンデンサの耐圧は結構違う。これは意図的なものではなく、恐らくは入手し易い部品を使ったらそうなったんだろう。ちなみに、この基板では金属皮膜抵抗は一切使われていない。
 トレースしている時に「エッ!?」と一瞬感じたのは、フィルターの隣にある抵抗である。「1.6kΩを使うなんて珍しいな」と思ったのだ。一般的なE24系列の抵抗値の一つだから不思議でもなんでもないんだけれど、拙者は実際にこの値の抵抗を使ったことが一度も無い。
# まぁ、単純な回路しか作りませんからねぇ...(--)z

 感心するのはミレニアムバイパスの部分で、LEDを消灯させるのにFETのゲートを、ボリウムの抵抗を通してアースに落としていること。実に合理的で、よく考えられていると思う。
# 自分だけでは、こういう回路ってなかなか思いつかないんだよね...なんてぇのは、ひょっとして拙者だけ?(^^;)
 今はフットスイッチが無いので直ぐには復元出来ないが、そのうちに手持ちのスイッチを使って一度音を出してみよう。
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たま

フムフム、なるほど、そうか、「電源は4.5Vだな」ということだけ分かりました。
こんな回路図の理屈が分かったらまた楽しいでしょうね~。
by たま (2013-06-13 17:04) 

Rifle

たま さん

オペアンプは本来プラスとマイナスの2つの電源が必要ですが、電池駆動とする為に4.5Vを0Vであるかのようにオペアンプを騙し、てプラスマイナス4.5Vの範囲で動くようにしています。拙者が分かるのはその辺までです。(笑)
by Rifle (2013-06-13 19:43) 

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