簡易ESRメータの作成（その１） [電子回路]
以前、中古の電解コンデンサーをデジタルテスタで量って良・不良をチェックしたが、その後も「容量だけじゃ不良を見抜けない場合もあるから、ESR(Equivalent Series Resistor：等価直列抵抗) を測って調べないといけないだろうなぁ」とは思っていた。しかし、専用の測定器は簡易タイプでも1万円弱というお値段なので、「必要に迫られたら考えよう」と、そのままになっていた。
それから1年近くが経ち、遂に先日別記事で修理作業を進めている古いカーラジオで使われているコンデンサのESRを調べなければならない状態に陥り、「やっぱESR測定が必要だわ。」製品開発する訳じゃないから、簡易的なもので十分。そこで専用の測定器を買うのではなく、手持ちの部品で自作する。
自作するには回路図が必要なんだけど、幸いネット上でESR meterの回路図を見つけたので、それをそのまま使った。100kHzの弱い電流をコンデンサに流し、それをブリッジ回路で測定してメータの針を振らせるという構成になっている。簡易的と言えども、ブリッジ回路の部分だけは精度が必要で、回路図では1%誤差の部品を使うよう指定している。
しかし、手持ちの部品に高価な1%タイプの抵抗は無いので、部品の組み合わせで同等の精度になるように調整した。
小さな部品なので、ハンダ付けには少々気を使うし、基板に実装する際に苦労しそうだが、安上がりに作成できる事が何よりも優先されるのであーる。
お陰で必要な部品は手持ちで全て揃ったが、回路図で使われているアナログメータはフルスケール50μAが前提なのに対して、手持ちのメータは250μAしかない。このままだと、単純に5倍の電流が必要となる。そんな事を想定してか、回路図内に「必要なら抵抗を足して増幅しろ」とあるが、例示されている抵抗の位置がおかしい。そこで、メータに流れる電流を制限する抵抗の値を色々変えてみて、良さそうな値に変更した。
半日弱で試作ボード上に仮組みが完成した。
回路図ではTL084を使っているけれど、手持ちの部品の都合でTL082を2個使った。
回路が完成したら、デジタルテスタで予め測ってある抵抗を測って、メータの針の振れ具合と抵抗値の見当を付けておく。本来なら、実測の結果を基にしたパネルを作ってメータに嵌めるべきだが、未だ試作なので今回は作らない。
早速、2ヶ月ほど前に購入した新品の電解コンデンサ1μF50Vを測定してみる。
大凡15Ω(オーム)で、正常な値である。
部品箱から電解コンデンサとタンタルコンデンサを全て出して、片っ端からチェックした。大半は正常な範囲内に収まっていたが、中には変な値を示すものもあった。
このコンデンサ（0.1μF50V）は50Ω以上で、他の同容量のコンデンサと比べても2倍近い値だ。
全て測定した結果、ESRの値が大きくて不良と思われるコンデンサが5個見つかった。
どれも30年以上前の部品である。
メーカが公表しているESR値は100kHzで測定したものだし、このESRメータも100kHzで測定している。ESRは周波数が低いほど値が大きくなるけれど、1000kHzという周波数は高過ぎて聞こえないし、自作の回路で扱う事も殆ど無い。エフェクターやラジオなどの日常で使う回路はせいぜい20kHzまでだから「もっと低い周波数で測定する方が良いんじゃない？」という気もする。折角の試作だから、もうちょっと弄ってみようと思う。
（続く）
それから1年近くが経ち、遂に先日別記事で修理作業を進めている古いカーラジオで使われているコンデンサのESRを調べなければならない状態に陥り、「やっぱESR測定が必要だわ。」製品開発する訳じゃないから、簡易的なもので十分。そこで専用の測定器を買うのではなく、手持ちの部品で自作する。
自作するには回路図が必要なんだけど、幸いネット上でESR meterの回路図を見つけたので、それをそのまま使った。100kHzの弱い電流をコンデンサに流し、それをブリッジ回路で測定してメータの針を振らせるという構成になっている。簡易的と言えども、ブリッジ回路の部分だけは精度が必要で、回路図では1%誤差の部品を使うよう指定している。
しかし、手持ちの部品に高価な1%タイプの抵抗は無いので、部品の組み合わせで同等の精度になるように調整した。
お陰で必要な部品は手持ちで全て揃ったが、回路図で使われているアナログメータはフルスケール50μAが前提なのに対して、手持ちのメータは250μAしかない。このままだと、単純に5倍の電流が必要となる。そんな事を想定してか、回路図内に「必要なら抵抗を足して増幅しろ」とあるが、例示されている抵抗の位置がおかしい。そこで、メータに流れる電流を制限する抵抗の値を色々変えてみて、良さそうな値に変更した。
半日弱で試作ボード上に仮組みが完成した。
回路が完成したら、デジタルテスタで予め測ってある抵抗を測って、メータの針の振れ具合と抵抗値の見当を付けておく。本来なら、実測の結果を基にしたパネルを作ってメータに嵌めるべきだが、未だ試作なので今回は作らない。
早速、2ヶ月ほど前に購入した新品の電解コンデンサ1μF50Vを測定してみる。
部品箱から電解コンデンサとタンタルコンデンサを全て出して、片っ端からチェックした。大半は正常な範囲内に収まっていたが、中には変な値を示すものもあった。
全て測定した結果、ESRの値が大きくて不良と思われるコンデンサが5個見つかった。
メーカが公表しているESR値は100kHzで測定したものだし、このESRメータも100kHzで測定している。ESRは周波数が低いほど値が大きくなるけれど、1000kHzという周波数は高過ぎて聞こえないし、自作の回路で扱う事も殆ど無い。エフェクターやラジオなどの日常で使う回路はせいぜい20kHzまでだから「もっと低い周波数で測定する方が良いんじゃない？」という気もする。折角の試作だから、もうちょっと弄ってみようと思う。
（続く）
こんばんは！
忙しさにかまけて訪問出来ずにすみませんでした。
私の拙いブログにご訪問、Niceありがとうございます。
by Take-Zee (2014-01-09 19:25)
Take-Zee さん
いえいえ、お越しいただきまして誠に有難う御座います。
こちらこそ五月雨訪問ばかりで申し訳ないです。
by Rifle (2014-01-09 20:10)
私はズボラして秋月の安いLCRメーターを買ってしまいました。
これにはESRの測定機能もありますので。
by ktm (2014-01-10 23:54)
ktm さん
市販品の方が精度は高いでしょうし、自作の手間も省けますよね。
by Rifle (2014-01-11 09:36)