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修理できるか?古いカーラジオ(その11:AMラジオが動いた!) [電子回路]

前回からの続き)

 前回までで回路図上と実際の電圧が食い違う箇所がある事が分かったので、その部分を中心に細かく調べていたら、基盤の銅箔パターンがおかしな状態になっている箇所(黄色の丸で囲んだ部分)に気が付いた。
基板のハンダ面
拡大すると、元々繋がっていたパターンを鋭利な物で切り離したような感じに見える。(黄色の矢印で示した部分)
基板のハンダ面を拡大
ここは前段の回路で取り出された中間周波数を増幅する「中間周波増幅回路」の一部分で、トランジスタ2SC829のエミッタを切り離してあった。受信した音声が異様に小さかったのは、この増幅回路が働かなくて信号が小さいままだったからだ。
 この部分をハンダで繋いだら、AMラジオの部分は一点を除いて普通に使えるようになった。仮接続したスピーカーから大きな音が出るので、これなら騒々しい車内でも大丈夫。

 但し、一応AM放送は聞こえるようにはなったものの、一点だけ問題が残った。放送を受信している間は問題無いけれど、電波を受信していない状態になると「ビーーーーッ」という大きな雑音が鳴りっ放しになっちゃうのである。(汗)この雑音をオシロスコープで観察すると、こんな感じである。
オシロスコープで見た雑音の波形
125Hzのノコギリ波に2.5kHz前後の波形が混じっているようだ。
 波形が60HzならAC100電源から入り込んでいると判るけれど、周波数が違うので恐らくこの基板の中から出ているハズ。あちこちオシロスコープのプローブを当てていたら、局発(局部発振回路)に当てた時に急に雑音が極端に小さくなった。ということは、この部分が発信源なのか???
 もっと突っ込んで調べないと判らないけれど、怪しいのは確かだ。局発で寄生発振(本来とは違う周波数で発振してしまうこと)が起きているのかも知れない。

 改めて書き起こした回路図と基板を見比べていて、「ん?ひょっとして雑音を消すためにパターンをカットしたのか?」と気が付いた。
 このラジオは元々は輸出仕様だったから、FMラジオの周波数を国内に合わせて変更した際、雑音対策としてわざとパターンをカットしたのではないだろうか。今は回路全体の能力が落ちているだろうが、使い始めて間もない頃なら回路も設計通りの性能が出ていただろうから、中間周波増幅の一部をカットしても実用になる程度で聞こえていたのかも知れない。随分と手荒な事をしてあるなぁ。

 AM放送は何とか使える状態になったので、次はいよいよFMの部分にも取り掛かろう。

続く
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コメント 4

ブルル

よく見つけられましたね!
しかし細かい作業ですなぁ。
私もハンダ拭けをしていて、
あれ?ありゃ?なんか作業し辛い・・・・
今までハッキリ見えていたものがぼやける・・・・
これってもしかして老眼!?
Rifleさんは如何でしょうか?
by ブルル (2014-06-29 01:01) 

駅員3

高校生の頃、廃車からカーラジオを頂いてきて、鉄道模型のコントローラーを電源にして机の上においてました。
深夜放送を聴きながら勉強していたころを懐かしく思い出しました(^^)
by 駅員3 (2014-06-29 09:12) 

ja1nuh

こんにちは初めてお邪魔しました。 μ同調のカーラジオ懐かしいですね。 レストアお疲れ様です。
by ja1nuh (2014-06-29 11:36) 

Rifle

ブルル さん
普段は近眼用メガネをかけてますけど、こういった作業の時はメガネ無し...ということは、老眼がだいぶ進んでるんでしょう。(汗)


駅員3 さん
昔のカーラジオは全てこのタイプでしたけど、IC化されてからは完全に駆逐されてしまいましたねー。


ja1nuh さん
ご来訪ありがとうございます。μ同調のラジオが消えて久しいですね。
お蔭で回路や部品で苦労してます。
by Rifle (2014-06-29 11:50) 

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