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混在は錯乱? [カメラ]

 たまたま入手できたローライフレックス2.8B(以下、2.8B)は、モノクロで一度テスト撮影してあるけれど、色の出具合を自分の目で確かめたくて、ポジフィルムを仕入れてテスト撮影のタイミングを見計らっていた。
 先日、車検でロッソコルサへSLK200を持ち込む事になったので、「よしっ、帰り道にカラーポジで撮影しよう。」場所は、以前にも撮影した天井川などである。人通りは殆ど無くて撮影し易く、車も近くに停められるので、撮影中も周囲をあまり気にしなくて良いというのも撮影時には重要だ。

 今回は2.8Bのテストがメインだけれど、他にももう一つ目的がある。
 2.8Bをモノクロでテスト撮影した際にローライコード3でも一緒にモノクロで撮影したけれど、風景写真ばかり撮っているせいか常に絞り込んで撮影してしまう。だから、今回はできる限り絞りを開けた状態で撮影して「今までとは一寸違う方向も探ってみよう」と考えたのである。だから、2台持って行った。
ローライコード3(左)とローライフレックス2.8B

 フィルムを入れる時、「あれ?アクロス2には穴が無い」と気が付いた。
FUJI ACROS2に穴が無い
昔から、ブローニー・フィルム初心者はフィルム装填時にスプールに確り巻き付けてないのに気が付かずそのまま撮影してしまい、フィルムを巻き上げられないままとなって何も写っていない、なんて話が良くあった。
 富士フィルムがそれを解決しようとして「スプールのスリット(フィルムを差し込む所)に突起を設け、フィルムのリーダーペーパーにも穴を開けて、その穴を突起に引っ掛ければ誰でも失敗無く撮影できるようにしよう」と提唱して自社製品に展開していた筈。なのに、モノクロフィルムのアクロス2のリーダーペーパーを見ると穴が無い。
 「じゃぁ、ポジは?」見ると、穴が開いている。
ポジのリーダーペーパーには穴がある
どうして???

 この時期は天候があまり良くない事が多いので、うっかりしてて減光フィルターを調達するのを忘れていた。でも、撮影時は時折薄い雲がかかる時がある程度で、基本的に晴天だ。「Sunny 11」の法則で考えると、屋外晴天ではISO100ならシャッター速度1/100sec.(または1/125)で絞りF11となる。
 どちらも古いカメラなので、内部メカ保護の為に最高シャッター速度1/500秒は使わない。
# この時代のシャッターは最高速度だけ別の強力バネを使う為、メカの負担が大きいのよ。
となると、低感度ISO100のフィルムであっても、少し曇った時を見計らっても絞り値はF5.6まで開くのが精一杯。しかし、ND等の減光フィルター類はそもそも持っていないので、絞り開放という事が出来ない。「ウーム、何たる失策である事か...\(__;)。」
# お前は山椒魚(井伏鱒二)かっ!(笑)
仕方ないので、F5.6で撮影できる時を狙ってシャッターを押す。光量が多い間は、デジカメで適当に撮影して過ごす。
川面を撮影
川面を撮影
川面を撮影
川面を撮影
撮影の合間に何気なく田圃の方を見ると、何か動いているのが見える。「あ、狸じゃん。」
田圃近くを歩く狸
かなり離れていた為、コンパクトデジカメではこの程度に撮影するのが精一杯だった。
 頃合いを見計らいながら、何とかポジとモノクロを1本ずつ撮影した。
撮影を終えたフィルム2本
現像に2週間かかるので、まだ仕上がりは見ていない。

 撮影中、同じ場所であってもポジとモノクロでは狙う部分が違う。微妙に、或いは数歩歩いて位置を変え、違う視線で撮影する事が殆どだけれど、そのお陰で例え一カ所でも結構時間がかかってしまう。今まで意識していなかったけれど、ポジとモノクロでは視点が結構違うという事を改めて気付かされたよーな気がする。
 今までも撮影会で「あ、ここってモノクロで撮ると良さそう」と感じる事は何度もあったけれど、撮影はいつもカラーポジのみ。最近になってモノクロも使うようになったけれど、スナップ撮影の時だけだ。撮影会は時間が限られる為、使うところまでには至っていない。

 今回も時間の制約がある中で撮影したせいかも知れないが、「ポジとモノクロで同時に撮影って難しいんとちゃう?」と思うようになった。カラーはカラーの視点で、モノクロはモノクロの視点で撮影するのだから、とっかえひっかえしながら撮影していると、何だか視点が錯乱状態っつーか、定まらないよーな気がするのだ。
 「...じゃぁ、どうすんの?」と問われても、未だ答えを出せていない。だけど、今までの何となく「ポジもモノクロも」というやり方じゃ拙いんでは?という気もする。

 コロナ蔓延以後は撮影回数が激減している事もあって、結論を出せるようになるまでにはまだまだ時間がかかりそうだが、とりあえず当分はカラーとモノクロでは撮影を分けてみようかと考えている。
 そうなると、ポジとモノクロを同時に撮影できるようにフィルムサイズ毎に2台ずつカメラを用意していたのも、ひょっとしたら各1台だけで良い???という話も出てきそうだ。
 ただ、機材整理となると、整理した時点では良いと思っても、後になって「しまった、手放すんじゃなかった!」という事も多いので、
# そんなの拙者だけ?(^^;)
相当慎重に考えてゆかねば、とも思う。
タグ:視点 カメラ
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Take-Zee

久しぶりにフィルムをみました!
20年前は膨大なフィルムが輸出されていました!

by Take-Zee (2022-03-10 07:43) 

Rifle

Take-Zeeさん
富士も小西六もじゃんじゃん輸出していた時期もありましたが、今も富士は輸出しているみたいです。今時フィルム使う人は限られていますから、目にする機会もないでしょうねー。
12年ほど前の話ですが、ウィーンでフィルムを使い切ってしまい、近くにあったカメラ店に飛び込んでポジ(現地ではTransparent filmと言わないと通じない)を買いました。小さなお店だったけれど、豊富にフィルムを在庫していて驚いたんです。何せ、当時国内は既にデジカメ一色でしたからねー。
by Rifle (2022-03-10 08:27) 

みうさぎ

>撮影中も周囲をあまり気にしなくて良い
良い場所ですね
撮影楽しめたようで
現像に2週間 かなりかかるね
でも楽しみです~

by みうさぎ (2022-03-10 11:13) 

Rifle

みうさぎさん
田舎の風景が好きで、こういう場所は大好物なんですよ。(*^^*)
フィルム全盛期は3日で現像が仕上がったんですが、年々時間がかかるようになって来てますが、待つ楽しみが増えた!と考える事にしてます。(^^;)
by Rifle (2022-03-10 12:25) 

harasawa

富士フイルムは「アクロス2」で某社のOEMになってるとういのをどこかで見た記憶があります。穴がないっていうのはやっぱりOEMでしょうか?
by harasawa (2022-03-11 09:03) 

Rifle

harasawaさん
そうか!なるほど、納得がいきました。有難う御座います。
乳剤は富士フィルム・製造は英国ですから、やっぱりイルフォード?辺りでしょうねー。
国内と違ってヨーロッパ諸国ではモノクロフィルムの需要が一定数ありますから、日本で製造するより消費量の多い現地で製造して、少量を国内に持ち込んでいるのでしょう。
by Rifle (2022-03-12 23:14) 

tama

現像の終わったモノクロを受け取りに行ったら、ネガの入った紙袋に「写真の原点、モノクローム」と印刷されていました。
ローライフレックスTが望外によく撮れていました。ハッセルは巻き上げ・チャージにハンドルをグルッと1回転させるのに、ローライは半回転。しかも軽いので、ちゃんと巻けているか心配でしたが、それは杞憂でした。もっと使ってあげなければかわいそうだと思いました。

by tama (2022-03-14 11:49) 

Rifle

tamaさん
モノクロは原点と言われますが、実際にモノクロで撮影してみると、如何に色に誑かされているかを痛感します。
ローライの二眼レフはミラーが無い分軽快なので、ハッセルブラッドよりも持ち出す回数が多くなっています。
by Rifle (2022-03-14 12:11) 

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