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古い電波ソーラー時計の簡単な修理 [時計]

 ある日何気なく見たら、先日話題に上った古い電波ソーラー時計Fizz-860の表示が消えていた。
表示が消えている
窓際の明るい場所に置きっ放しなので、電力不足で止まるとは考えられない。「さては内蔵バッテリーがダメになったな。」
 以前から「この時計のバッテリーって、何が使われているんだろう?」と不思議に思っていた事もあり、早速分解する事に。

 裏蓋にあるネジ4か所を外すと、蓋が外れて基板が見える。
裏蓋を外したところ
標準電波(福島40kHzと九州60kHz)を受信するバーアンテナ(黒い棒状の部品)が目立つ。電解コンデンサが一つあるが、液漏れや膨らみは見当たらないから大丈夫だろう。
電解コンデンサは異常無し
基板を固定するネジを外して見ると、スイッチ類があるだけだった。
基板裏側はスイッチ類のみ
窓際になると、昼間はかなり明るい。
窓際は明るい
この位置で太陽電池の出力を測る。サイズは小さいが、出力電圧は1V以上ある。
太陽電池の出力は1V以上
念の為に基板も見るが、問題になりそうな所は無い。何故かは分からないが、水晶発振子が2個載っている。
基板に問題無し
液晶下のパネルを外したら、ニッケル水素電池があった。
中にニッケル水素電池が
「なるほどォ、これが電源だったんか!」ようやく納得である。(笑)
 この電池は単四サイズで、容量も800mAhと標準的な物だ。
標準的な単四サイズ
でも、単四サイズの電池は全て出払っていて、使えるのが一本も無い。
 「うーん、どうするかな...あ!待てよ、確かどこかに使い残りがあった筈。」部品箱をあちこち探したら、サイズの小さい電池が出てきた。
未使用品(青い方)
容量が450mAhと半分程度しかないけれど、説明書には「光が無い状態でも、満充電で約2年動く」とあるから、この電池でも1年は持つ計算になる。容量としては十分だ。
 そのままではサイズが小さいので、電極を加工する。
電極を加工
大雑把だが、ほぼ同じサイズになった。
ほぼ同じサイズ
これを時計に入れる。
新しい電池を入れたところ
スイッチはOFFのまま、午前中に日光が当たる窓際に放置して充電した。
 3日後、スイッチをONにすると、表示が出た。
無事表示が出たところ
更に放置して、電波を受信して正常な時刻になるまで待って、作業は完了である。
 先日購入した新しい方と比べると、液晶表示はかなり薄くなっている。
古い方(右側)は液晶表示が薄い
見る角度によっては見難いけれど、普通に使えるようになった。

 オーディオ用のラジオチューナーなどはEDLC(電気二重層コンデンサ)と小さなメモリで受信周波数を記憶させているので、「この時計もEDLCを使ってるんかな?」と思っていた。
 ただ、時計だけならEDLCでもある程度動かせると思うが、標準電波を受信しながら時計も動かすとなると電力不足になりそうに思う。説明書には「満充電で2年」とあるから、「EDLCだけでは足りないと思うけれど、どうなってるのかな?」と不思議だったのだ。
 見た目は小さくて薄い時計なので、中に単四サイズのニッケル水素電池がが言っているとは思いもしなかった。(^^;)

 無事動いたので、(液晶表示に不安は残るが)10年程度は何もしなくても大丈夫だろう。目出度しメデタシ、である。
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Take-Zee

おはようございます!
経年劣化には名人でも新しくするのは
難しいですね! 人間もおんなじかな??

by Take-Zee (2022-05-14 07:23) 

Rifle

Take-Zeeさん
素材そのものが変質してしまう経年劣化は、流石にどうしようもない事も多いです。
人間も放置すれば劣化しますけど、「退化も進化の一形態」だそうです。
でも、適度な運動と十分な睡眠と食事で劣化度合いを大幅に遅らせる事は出来そうですね。(^^ )
by Rifle (2022-05-17 13:36) 

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