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MXR10バンドイコライザーのオーバーホール、の筈が・・・ [音楽]

 5年ほど前に「ジャンク扱い」で安価に売られていた米MXR社の10バンドグラフィックイコライザーを手に入れてあった。
ジャンク扱いのMXR 10Band EQ
ジャンクの理由は「どのボリュームも動かすとガリが出る、ボリューム先端にあるLEDが所々点かない」というもの。「なーに、一寸した接触不良でしょ」と考えて手に入れた。入手した当時はボリュームを動かさなければガリは出ないし、LEDは見てくれの問題だけだから気にしていなかった。

 ところが、今年に入ってからはボリュームを動かした直後は音が出ず、少しだけ前後に動かすと酷いガリが出た後に音が出るという状態となった。「こりゃーそろそろメンテナンスしなきゃ拙いか?」と思いながらも使っていたのだけれど、遂に数か所のボリュームが反応しなくなってきたので、「仕方ない、作業するか。」
 本体底面を見ると、ネジが見える。
本体底面
mm規格のアーレンキーでは全く合わないので、インチ規格らしい。生憎そんな工具は持ってないので、あれこれ試してみた結果、細いラジオペンチで開けられると分かった。
ラジオペンチで開けているところ
開けると、基板一枚が入っている。
中は基板一枚
入出力ジャック類も基板に直付けされているMXR独自の基板である。ジャックを固定するナットを外す。
ジャックのナットを外す
フッとスイッチを固定しているナットも外せば、基板を外せる。
基板を外しているところ
ボリュームに埃が入るのを防ぐスポンジは劣化してメトメトし始めている。
スポンジは劣化している
基板裏側を見ると、チップ部品がずらりと並んでいる。
基板はチップ部品だらけ
使われているオペアンプはMC33174DG(単電源タイプ)と、
MC33174DG
MC33179DG(低消費電力ローノイズ・タイプ)が使われている。
MC33179DG
基板上には使われていない端子が出ている。
使われていない端子
配線を辿ると電源のプラス側と接続されているだけなので、基板製造後の動作チェック用と思われる。
 ボリュームに貼り付けられているスポンジを剥がす。
スポンジを剥がしたところ
この画像では分からないと思うけれど、劣化したスポンジの破片がボリューム内部に入り込んでいる。こんな状態では、導通が怪しくなって音が途切れたり、LEDが付かなくなっても不思議ではない。
 使われている電解コンデンサは3つだけで、外観を見る限りではまだ大丈夫そうだった。でも、せっかくなので交換する事に。
電解コンデンサは3個だけ
サイズ的に横倒しにしないと筐体に収まらない。
電解コンデンサは横倒しに装着
古いコンデンサは全て105度タイプが使われていた。耐久性に気を使っている事が分かる。
使われていたコンデンサは105度タイプ
ボリュームを外す時に邪魔になる入出力ジャックを外す。
入出力ジャックを外しているところ
一つは綺麗に外せたが、もう一つは部品面側のランド(配線用銅箔パターン)を剥がしてしまった。(--;)
ランドを剥がしてしまった
幸い千切れていないので、取り付ける時に何とかして接続しよう。(溜息)
 ハンダを緩めると、ボリュームは素直に外れた。
ボリュームを外したところ
使われているのはWカーブの20kΩのスライドボリュームだ。
使われているのはW20k
WカーブはBカーブ(リニアカーブ:正比例タイプ)を少し歪めた特殊なカーブだ。
 分解すると、抵抗摺動体はかなり汚れている。
内部はかなり汚れている
端子側の汚れは然程でもない。
端子側の汚れは少ない
クリック観を出す為の1mmほどのスチールボールと、小さなバネがスライド部に仕込まれている。
スライド部のスチールボールと小さなバネ
抵抗摺動体の他に、LED用電源ラインも入っているけれど、どれも表面が汚れている。
表面が汚れている
ここまで汚れていると、LEDが点かなくてもおかしくない。NevrDull(ネバーダル:金属磨き)で綺麗にする。
清掃後
ボールやバネを飛ばさないよう注意しながら組み立てなければならない。
組み立てたボリューム
ところが、作業中は細心の注意を払ってしたのだけれど、ボールとバネを2つ飛ばしてしまった\(^^;)/...のである。(/_;)

 とりあえずオーバーホール作業は終わったけれど、このままでは2か所だけセンターの時にクリック感が無い状態になってしまう。ウーム...とても小さな部品だから探すのは極めて困難だけど、とりあえず作業した部屋を大掃除して出て来るのを待つ他ないかなぁ?...って、見つかると良いんだけど。(滝汗)
タグ:MXR 10バンドEQ
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