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無念!ハッセルブラッド用ストロボD-Flash40は修理不能!? [カメラ]

 少し前の話になるけれど、某掲示板への拙者の書き込みがきっかけで、不動となったHasselbladのD-Flash40を譲って戴いた。
# Kさん、有難う御座いました。m(_"_)m
ハッセルブラッド純正ストロボD-Flash40
外観はとても綺麗で、電池ボックスを覗き込んでも綺麗。
 しかし、試しに電池(9V:単三を6本)を入れてスイッチを入れてみたが、全く反応しない。「どうして不動なんだろう?コンデンサが駄目になってるのかなー??」などと思いながら分解に取り掛かる。

 まずは化粧板を破らないように剥がすと、青い緩み止めがタップリ塗られたネジが見えてくる。
ストロボの化粧板を外したところ
この緩み止めは中強度タイプだから、ドライバでやや力を入れて回せば外せる筈...ありゃ?何か変だな...ゲッ、ドライバが折れた!(>_<;)
ドライバの先端が折れてしまった
ネジを良く見ると、十字の溝の中央に小さな突起状のものがあり、それが邪魔をしているようだ。折れたドライバは、10年以上前にヤナセのセールの時に貰った物。寿命を迎えたところへ、強い力をかけてネジを回したので折れたようだ。「うーん、このサイズのドライバって他に無いんだよなぁ。」
 実はここ1年程は工具が次々と壊れていて、先日もラジオペンチが使用不能になったばかり。自宅で使っている工具は20年以上前の物ばかりから、どれも寿命が尽きているのかも知れない。

 ドライバ無しでは作業できず暫くの間中断していたが、別件で購入した物の中にたまたま細軸のドライバが付属品として入っていたので、それを使って作業を再開した。
 ネジの中央にある突起物は金属で、予めそういう作りになっているように見えたので「分解できないようにワザとこんなネジを使ってる?」と初めのうちは考えていたけれど、どうにもこうにも変なので改めて高倍率ルーペで注意深く観察した。すると、丸い金属片が緩み止めでくっ付いているだけらしいと判ったので、ネジに纏わり付いている緩み止め全てを剥がしてみたら、あっさりと取れてしまった。何だ、こんな事なら最初から緩み止めを全部剥がしておくんだったなぁ。(苦笑)お陰で、簡単にネジは外せた。
やっと外せたネジ
しかし、良く見ると、ここを外しても本体から発光部を切り離せそうにない。そこで、本体側を先に分解する事にした。そうすれば、内部に隠れたネジがあるかも知れない。
 本体側は、上側に有る4つのネジを外す。
ストロボ本体のネジを外す
次に下側のネジ2つを外す。
ストロボ本体のネジを外す
すると、樹脂カバーが外れる。
ストロボ本体を分解
ありゃ?基板の端の方が痛んで変色してるぞ!?
ストロボの内部基板が傷んでいる
右側には昇圧回路用と思われる黄色の小型トランス、その下にはスイッチング用トランジスタ2SA1452Aがあり、中央にコンパレータらしきICが二つ、昇圧した電力がストロボ発光に必要な量に達した時に点灯すると思われる小型ネオン管が左端に見える。「このストロボは自動調光だから、こんな簡単な回路で済まない筈...ということは、両面基板?」ネジを外して基板を裏返すと...ギャーッ、焦げてる!(>_<;)
ストロボ内部基板は焦げている
電池から漏れた電解液の量が多かった為に基板の裏側にまで回ってしまっていたようだ。
 恐らく、それに気付かないままストロボを作動させた際に、昇圧回路で発生した電力がコンデンサへは行かずに電解液の上を流れてしまったと考えられる。昇圧回路の出力はとても高い電圧になっているので、僅かな電流でもこの程度に焦がすのは簡単だったろう。筐体の裏側にも電解液がかなり残っていたので、漏れた量は相当多かったと思われる。
ストロボ本体内部に電解液が付着している
手持ちのIPA(イソプロピルアルコール)で基板を掃除して綺麗にする。
洗浄し終わった基板
基板の左下の方は銅箔を覆っているレジスト膜が痛んでいるし、左中央の配線部分はレジスト膜が剥がれ落ちて銅箔が見えている。「D14」と印刷された部分の部品を拡大して見ると、樹脂のモールドが剥がれて素子内部が見えてしまっている。
モールドが剥がれたチップダイオード
基板が焦げるほどだから、融点の低い樹脂が溶けてしまっても不思議では無いなぁ。記号が「D」だから、多分ダイオードだろう。
 もう一箇所、「ZD2」と印刷された部分も同じ状態である。
モールドが剥がれたチップツェナーダイオード
こちらは「ZD」なのでツェナーダイオードと思われる。

 ダイオードの方は汎用品で置き換えれば多分大丈夫。しかし、ツェナーダイオードは降伏電圧が判らないので、回路を解析して降伏電圧がどれ位に設定されていたのかを推測し、実際の回路で検証する必要がありそうだ。
 また、チップ部品を使っている為、ストロボの筐体にネジ止めすると基板と筐体の隙間がとても狭い。だから、汎用部品で収まり切るかどうかの見極めも必要になるだろう。
 いずれにしても、部品交換で直せるようなレベルでは無く、現時点は「修理不可」である。恐らく、この基板は「壊れたら交換」という前提の設計と思われる。
# ウーム、残念...(--;)
 念の為に、元の状態に戻して電池を繋ぎ、スイッチを入れたら赤いLEDは点いた。
パイロットランプだけは点灯する
けれど、昇圧回路が動く時に出る「キーン」という発振音はしない。発信音がしないならコンデンサに高電圧の電力は貯まらないので、小型ネオン管も点灯しない。「やっぱり駄目かぁ」である。

 でも、このまま引き下がるのも少々悔しいので、まずは基板の線を追って回路図を起してみようかなぁ...
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