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修理できるか?古いカーラジオ(その3) [電子回路]

前回からの続き)

 普段使っている机の上に2週間以上に渡って鎮座している古いカーラジオだが、製造後50年ほどが経過しているので配線がだいぶ弱っているらしい。
古いカーラジオ・クラリオンRT-307F
うっかり動かすと断線してしまいかねないので、慎重に動かさねばならず、神経を使う。
 先日、ようやく安いバッテリーチャージャーを手に入れたので、使っていないバイク用バッテリーを早速充電している。充電が終われば、いよいよ電源を入れて動作を確認できる訳だ。
 肝心の回路の方はと言うと、正直言って大いに難航している。大学時代に高周波回路を殆ど勉強しなかったのが、今頃になってツケで回って来たような感じ。(滝汗)

 まだ通電状態での動作チェックをしていないので何とも言えないけれど、大抵は電解コンデンサの容量抜け・パンクや劣化が原因で動作しない事が多い。今回も見た限りではどのコンデンサも正常に見えるけれど、内部の劣化はコンデンサのESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)を測ってみなければ判らない。
 実は、以前から「やっぱESRを測定しないと判らんなぁ...」と感じる時が多かったけれど、市販されているESR測定の専用テスターはどんなに安くても8千円以上と高い事もあり、「どうしても必要になったら考えよう」と先送りにしていた。が、今回、遂に「どうしても必要」な状態になってしまったのであーる。




sanwa (三和電気計器) LCRメータ LCR700

sanwa (三和電気計器) LCRメータ LCR700

  • 出版社/メーカー: 三和電気計器
  • メディア: エレクトロニクス


 ESRは専用テスターでなくても100kHz程度の正弦波を出力できるオシレーター(ファンクションジェネレーター)、インピーダンス整合用のトランス、それにミリバル(電子電圧計)があれば測定できる。
一般的な小型テスターは測定可能な周波数の上限は数百Hzで、100kHzという高周波を測定すると実際よりも大幅に小さな値になってしまうので、要注意。
オシレーターの出力インピーダンスにも依るけれど、トランスは高くても1500円程度。でも、ミリバルは20年前の中古でも1万円前後と高く、おいそれとは手を出せない。それに、測定には基板からコンデンサを取り外す必要があって少々面倒だが、専用テスターは基板にハンダ付けされた状態のまま測定できる。
 「うーん、いよいよ専用テスタの出番かなぁ」と思いながらネット上を彷徨っていたら、オペアンプTL084を使ったテスタの回路図を見つけた。この回路の設計者はアメリカ人らしいが、既にサイトを閉鎖しているとかで詳細は判らないものの、回路図を見る限りは難しい事は何もしていないので、入手し難い部品は代用品でも何とか成りそうな雰囲気である。手持ちの部品で作成できれば、わざわざ高価な専用テスターを買う必要も無くなる。

 それから、このカーラジオにはトランジスタが12個使われていて、そのうちの3個はゲルマニウム・トランジスタだ。トランジスタは簡単に壊れるような物じゃ無いけれど、もしゲルマニウムが壊れていたら、もう入手は不可能だし代替できるトランジスタも無いので、その回路は入手できる部品に合わせて設計(回路定数)から見直さなければならず、大規模な改造は避けられない。

 どちらにしても、現在の基板を回路図に書き起こしてみないと、これ以上の解析は無理っぽいが、部品点数が多いので目視だと相当苦労しそう。
基板の部品面
 そこで、基板の配線パターンをデジカメの最高解像度で撮影してから拡大して印刷し、そこに実際の部品を書き込めば、目視で配線を追うよりは遥かに確実且つ簡単に回路図を書き起こせそうだ。
基板の配線パターン面
でも、プリンタは只今インク切れで休業中。早速インクを買ってこなきゃ...

続く
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